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【小児科医リレーエッセイ 5】育児のコツは小児科を有効に活用して!〜プロのコーチにつけば上達も早い~

生まれたばかりの赤ちゃんを持つアジアの親は、アジアの若いカップルの父と自分の生まれたばかりの赤ちゃんを持つお母さんの肖像画を閉じます。保育園母の日ホリデイ ・ コンセプト
※写真はイメージです
paulaphoto/gettyimages

初めての育児に向き合っていると、「ちゃんと育てられるかな?」「授乳もおふろのお世話も、これで合っているのかな?」など心配ごとが増えたり、うまくいかないという壁にぶち当たったりの日々ではないでしょうか。「日本外来小児科学会リーフレット検討会」の先生方からのメッセージをお届けしている連載、第5回は、愛知県・緑の森こどもクリニックの瀬尾智子先生です。
毎日の子育てに向き合っているお母さん・お父さんへのあたたかいアドバイスです。

育児の技術を「習い」ましょう

お母さん、お父さん、子どものころスイミングスクールに通ったり、ピアノを習ったりしたことはありませんか?親がピアノ教師で、物心ついたときから見よう見まねでピアノを弾けるようになっていたという人もいるかもしれませんが、多くの人は「ピアノが弾けるようになりたい」と思ったら、習いに行くのではないでしょうか?泳げるようになるには、水泳のやり方を書いた本を読むのではなくて、実際にプールに行って練習しなければならないでしょう。

育児はたいていの人がやっているので、とくに練習しなくてもできると考えている人が多いようです。昔はきょうだいの数が多く、小さいときから弟や妹の世話をしながら育ったので、抱っこやおむつを替えることを自然に覚えることができました。けれども最近は、生まれたわが子を抱くのが赤ちゃんに触る初めての機会という方が増えました。今までやったことがないことは、できなくて当たり前です。そこで、生まれる前からの予習や生まれてからの実習が必要なのです。

育児には愛情だけなく技術も必要です

ある日、生後2週間の赤ちゃんを、宝物をささげ持つように抱っこして、お母さんとお父さんが外来に来られました。顔の湿疹(しっしん)が気になるそうです。全身の診察をするので服を脱がしてもらうようにお願いすると、おくるみから始まりたくさん着せてある服を脱がせるのに時間がかかります。わきのしたを見ると垢(あか)がついています。首も赤くなっていて、おむつかぶれもあり、体にも湿疹(しっしん)ができています。

お話をうかがうと、首のすわっていない赤ちゃんを沐浴(もくよく)させるのがこわくて、うまく洗うことができていないようです。ベビーバスの外で洗ってもいいこと、わきのしたや首の洗い方、沐浴後のスキンケアについてお話しし、湿疹を治すための軟こうを処方しました。さらにお話をうかがうと、授乳に時間がかかり、お母さんは手首や背中が痛いこと、沐浴やおむつ交換も大変で、ゆっくりごはんを食べる時間もないということでした。

お二人が愛情たっぷりに頑張っておられることを感じましたが、授乳、沐浴、おむつ交換などのコツがわかり、もっと短い時間でやれたら、もう少し楽になることでしょう。

育児の技術はプロに習いましょう

その後このお母さんは、母乳育児支援の国際資格である国際認定ラクテーション・コンサルタント(IBCLC)の助産師に、授乳についていろいろ教えてもらい、楽に授乳することができるようになりました。また何回か外来受診されている間に、楽な抱き方、さらに首がすわってからはおんぶのやり方を、看護師に教えてもらいました。そして、離乳食教室にも通いました。しだいに育児の要領もよくなり、同時にお母さんに笑顔が見られるようになりました。今まで30分かかってやっていたことを10分でできるようになれば、育児の負担はそれだけ減るはずです。

あなたがテニスを習うとします。自己流でやるよりは、コーチについてフォームを直してもらったほうが上達が早いでしょう。育児に関しても、はじめから要領よくやれる人がいる一方で、プロのアドバイスをもらったほうが効率よく「上達」する人もいるでしょう。

小児科クリニックにいる看護師や助産師は、育児の技術を教えてくれるプロのコーチです。わからないこと、困っていることをなんでも相談してみましょう。

プロとアマの違い

育児に関する「おばあちゃんの知恵」はとてもありがたいものです。しかし、今のおばあちゃん世代は、すでに少子化の時代で、たくさんの子どもを育てた方が少ないのです。さらに昔は正しいと思われていたことが今ではそうではないとわかってきたこともあります。

では、先輩お母さんはどうでしょう?子どもの扱い方などについては役に立つアドバイスをくれるかもしれません。しかし、予防接種のスケジュールなど数年前とガラリと変わったこともあります。「そんな予防接種、うちの子のときにはなかったわ」と言われて、とまどうこともあるかもしれません。

ですから、身近な人の情報だけでなく、小児科医、助産師、看護師、保健師、栄養士などのプロからの確かな情報を参考にしてください。病気や予防接種に関する情報はもちろんのこと、育児についての情報も、です。
小児科クリニックは「病気のときに行くもの」だけではなく、育児の相談をする場所でもあります。上手に利用して、育児のスキルをアップし、赤ちゃんもお母さん、お父さんも毎日笑顔で過ごしてほしいと思います。

文/瀬尾智子先生
(緑の森こどもクリニック)

1981年に京都府立医科大学を卒業。国際認定ラクテーション・コンサルタント(IBCLC)の資格を持ち、「母乳育児のポリティクス:おっぱいとビジネスとの不都合な関係」(メディカ出版)、「オキシトシン:わたしたちの体が作るやすらぎの物質」(晶文社)などの共訳書がある。現在は愛知県岡崎市の緑の森こどもクリニックで、仲間とともに「おせっかいおばさんのクリニック」をコンセプトに診療している。「育児は技術だ!」を日々実感。

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