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【小児科医リレーエッセイ 7】 「私が感染してしまったら?!」~この機会に、子育てをもっとまわりの人に頼ってみませんか~

コピースペースパノラマバナーを持つ男の子を運ぶ魅力的な肖像画アジアの母親、子供と一緒に幸せなアジアの家族のヘルスケア愛、母の日のコンセプト
※写真はイメージです
cofotoisme/gettyimages

「半年前には思いもよらなかった事態になってしまっている現在の状況に、心配なことがいっぱいだと思います」との言葉を寄せてくれた蜂谷先生。「日本外来小児科学会リーフレット検討会」の先生方からのメッセージをお届けしている連載の第7回は、育児中のお母さん・お父さんを応援し続けている岐阜・蜂谷医院小児科の蜂谷明子先生です。

新型コロナウイルスに不安な気持ちのお母さん方へ「怖いのは当然」です

新型コロナウイルスは脅威です。子どもがすでに成人した私もとても怖いです。ましてやまだ自立できずに守らなければいけない小さな尊い命がその胸の中にいるみなさんは、「いつ終息して以前の生活に戻れるの?」「この子に悪い影響はないの?」「この子が感染してしまったらどうしよう…!」など、先が見えない不安、不安定な子育て環境にさぞ怖いと感じているでしょう。
スーパーに買い物に行くにも「家族で行かないように」などの指示があり、買い物一つでも窮屈な思いをしていますね。さらに、乳幼児センターなどに行きたくても施設は閉鎖されている、公園に行けば子どもの好きなブランコなどの遊具に黄色いテープが張りめぐらされ使用できなくなっている、鬼ごっこをしていると「緊急事態宣言が出ているのに騒がしい」と苦情が寄せられることもある、家に帰りたくてもお父さんが在宅勤務になっていてテレビ会議だから静かにしてくれ、と邪魔にされる・・・。
今、大変な思いで子育てをされていると思います。心から「ご苦労さま」の言葉を贈らせてください。

お父さんをはじめ、まわりの人に子育ての状況を伝えましょう

当院を受診されている患者さんたちのいちばんの心配は、「自分が感染したらわが子の面倒をだれがみるのか?」という不安です。
「いっそ、一緒に入院させてもらいたい」とまで言います。しかし、それはおそらく厳しく、もしお母さんが感染して隔離される場合は誰かに子育てを頼らなくてはなりません。そうならないのがいちばんなのはもちろんですが、まわりの人とお子さんの状況を共有しておきませんか。いくつかおすすめのポイントを紹介します。
(1)わが子の子育てポイントをまとめてメモしてみませんか?
お子さんの好きな歌、好きな絵本、好きなおもちゃ、好きな味等々、ひょっとしたらお父さんも知らないかもしれません。寝る時は背中トントンする、あるいはやわらかいお母さんの耳などを触って眠りにつく、決まった歌を歌う、寝る前に必ずする入眠儀式があるお子さんもいるでしょう。
(2)お願いする可能性がある方に前もってお子さんの様子を伝えておきませんか?
日常の何でもない過ごし方を見てもらっておきませんか(動画でもいいですね)。いつものお気に入りの絵本をお父さんやほかの預ける可能性のある人にも読んでもらう、あるいはお母さんが読んでいる時の子どもの様子を見てもらったり、お母さんの読み聞かせや語りかけを録画したりしておくこともいいかと思います。お母さんがいなくてぐずった時に、抱っこして見せることができます。
(3)行政などのヘルプシステムを確認しておきませんか?
各自治体により、受け入れ体制は違うと思われます。児童福祉施設にて一時預かりのシステムが準備されていたり、何らかの準備が考えられていたりする所もあります。
前もって万一の時の選択肢を広げておくことは安心につながるでしょう。住んでいる行政窓口に聞いておきましょう。地域によっては、保健所や児童相談所がその任務を担っています。

こういった万が一の準備は、今回の感染の場合だけでなく、ほかの予想できないアクシデントがあった時にも役に立つかもしれませんね

つらい時期ですが、こんな時こそ・・・『笑いましょう!!』

日本赤十字社「ウイルスの次にやってくるもの」の中には、「恐怖の苦手なものは笑顔と日常だ。笑おう。」という言葉が出てきます。

先日受診にみえたお母さんが「お節句のかぶとを一緒に出して飾っていたら、子どもがかぶとに『ころながおわりますように』と言って手を合わせていました。こんな小さな子を苦しい気持ちにさせていたなんて・・・私、ニュースを見過ぎていました」と悲しそうにおっしゃいました。
子どもは小さくてウイルスなんてまだよくわからなくても、親のストレスには敏感です。「コロナという何かはただ事ではない」と感じているのでしょうね。
毎日のひとつひとつの言葉がネガティブになっていませんか?ため息が多くありませんか? ぜひ毎日、ポジティブ言葉を10個以上口に出してみましょう!
今日、私もたくさん口に出してみました。「今日の青空は気持ちいいね」「今朝の目玉焼きは上手に半熟になったわ」「今流れている歌、大好き!」ポジティブ言葉を使う時は、顔もやわらかくなっていますよ。この窮屈な環境の中でも楽しく遊ぶ、ほんの小さな出来事でも親子で笑い合えるように心がけることはとても大切です。

日本赤十字社「ウイルスの次にやってくるもの」

この時期だからこそ、親子の間に築かれるものがあるかもしれません

「あっ!この子、こんな顔するんだ(笑)」「へ~、いつの間にかこんなことができるようになっていたんだわ」など、わが子と以前より長く一緒に過ごすことで新たな発見をするかもしれません。今まで当たり前と思っていた子育てのスキルとは違った、柔軟な視野と価値観が広がることもあるでしょう。
LINEやそのほかのサービスを利用してつながりを広げることも心のゆとりを保つスキルだと思います。近くのママ友や遠方の御両親とのテレビ電話もおすすめです。もちろん愚痴もありだと思いますよ。
先ほどの「ポジティブ言葉」が見つからない、というお母さんもいるかもしれません。それでも大丈夫です。ぜひ、好きな音楽を聴いたり映画を見たりしてみてください。あなた自身がとても大事です。

新型コロナウイルス感染騒動はきっと終息します。明けない夜はありません。その日が来たら「何でもない毎日、日常の幸せ」をあらためて心から感じ、貴重な子どもとの生活を慈しみ織りなす日が戻ってくるに違いありません。この経験を乗り越えたあとに、かけがえのない『貴重な子育て知識』がわが家の歴史に残るでしょう。それまでぜひ、~I love me!~。まずはママの心を大切にしてくださいね。

文/蜂谷明子先生(はちやめいこ)
(蜂谷医院・副院長)

名古屋保健衛生大学医学部卒業後、名古屋市立大学病院ほかを経て現職。岐阜大学教育学部非常勤講師(特別支援教育課程)。日本小児科学会小児科専門医、日本小児科医会こどものこころ相談医。「仕事と3人の子育てに体も心もボロボロになり、夜中に理由なく涙が流れてくる日々の中、幼い息子がそっと頭をなでてくれ救われました。まわりの人たちに助けられた子育てに恩返しするため、子育て支援をライフワークとしています」

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