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“CHAT”理論で洗剤に頼りすぎない掃除を【時短スッキリ術】

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west/gettyimages

子どもがいるとなるべく安心・安全な掃除方法を心がけたいですよね。となるとまずは「安全な洗剤選びをしよう」と考えがちですが、正しいお掃除のメカニズムを知れば、洗剤を使わないで落とせる汚れもあるのだそう。時短スッキリ術7回目の今回は、お掃除のメカニズムについてくわしく教えてもらいました。

教えてくれたのは……
生活コラムニスト/ももせ いづみさん
暮らし、ライフスタイルを主なテーマとするコラムニスト。子育てをしながらフルタイムやフリーランスで働いてきた経験をもとに、忙しくてもすっきりと豊かに暮らすアイデアを発信し続けている。

“CHAT”を知り、まずは洗剤に頼らない掃除を

ももせさんによると掃除をするときは洗剤だけで汚れを落とすという考え方はNGなのだそう。洗剤を選ぶ前にまずはお掃除のメカニズムを知ることが大事だと話してくれました。

ももせさん「お店に行くと本当にたくさんの洗剤類が売っていますよね。何を選べばよいのか迷ってしまうのは当然。特に幼い子どもがいるとその安全性が気になります。

洗剤選びも大事ですが、まずはひとりひとりのママが、『汚れと汚れ落としのメカニズム』に興味を持って欲しいなと思っています。
メカニズムっていうとなんだかむずかしそうですが、中身は簡単です。まずはお掃除のプロが使う“CHAT”という考え方を見てみましょう。

“CHAT”とは

・Chemical(洗剤)
・Heat(温度)
・Agitation(方法)
・Time(時間)

を組み合わせて掃除をするという考え方で、頭文字を取って“CHAT”です。つまり、汚れを落としに必要なのは洗剤だけじゃないということ。多くの汚れは水やお湯に道具を組み合わせるだけでも落ちます。

例えば、お風呂はまだお湯が温かいうちにすぐ汚れを落とす。キッチンはガス台まわりにまだ熱が残っているうちにマイクロファイバーなどの素材で落とす。
鏡のウロコ汚れやIHコンロの焦げ付きなどは、ガラス用のスクレイパーを使う。それでも落ちにくい汚れはお湯に漬けたり、お湯で濡らしたキッチンペーパー等で湿布をすると落ちやすくなります」


なるほど、ものによってはお湯をかけたり、道具を使ったり、落とし方を工夫するだけで落ちる汚れもあるということですね。それでも落ちない汚れに洗剤をプラスして使っていきましょう。

落ちない汚れにChemical=洗剤をプラス

ももせさん「これらに洗剤をじょうずに組み合わせましょう。
市販の洗剤類は、どんな汚れにも対応できるように“中性”が多くなっています。天然由来成分のものも増えていますので、表示を確かめて選んでくださいね。

最近はナチュラルクリーニングも人気ですから、重曹やクエン酸を活用するのもいいですね。
キッチンの油汚れは『酸性』です。酸性の汚れは、アルカリで中和するとよく落ちるので、重曹や石けん、セスキ炭酸ソーダなどを使います。

水回りに多い水アカや石けんカス、カルキ汚れは『アルカリ性』なので、酸性で中和して落としましょう。クエン酸や食酢が活用できます。いずれも最後はよく拭き取って、アルカリや酸の成分を残さないようにしましょう。

これにプラスしたいのが、消毒用のアルコール。これがそろっていれば、たいがいの家の汚れは落ちると思います」


近年では天然素材である重曹やクエン酸、セスキ炭酸ソーダなどを使った掃除も主流になってきていますよね。皮脂汚れやキッチンの油汚れには重曹や石けん、セスキ炭酸ソーダを、水アカや石けんカス、カルキ汚れはクエン酸や食酢を使うのが基本。まずは酸性の汚れなのか、アルカリ性の汚れなのかを見極めて、汚れを中和させることを念頭に置きましょう。

自然由来成分も注意して使おう

ナチュラルクリーニングで人気の重曹やクエン酸、セスキ炭酸ソーダ。これらのような自然由来成分だと「安全だし、どこに使っても大丈夫」と思い込みがちですが、それは注意が必要なのだそう。

ももせさん「注意して欲しいのが、重曹やクエン酸などを使えばすべて安全ではないということ。重曹やクエン酸は幼い子どもが誤って口にしないように十分注意が必要です。
同様の効果があるアルカリや酸の電解水は、濃度が濃いため直接手で触れたり、口に入ると危険です。
フローリングの床やトイレの便器のなかには、直接酸やアルカリ成分を吹き付けることでコーティングが落ちてしまい劣化しやすくなるものもあります。

こうした場所は掃除するモノの素材をよく把握して、ふだんのそうじは水で、汚れがひどいときには除菌効果のある中性の市販洗剤を組み合わせて使いましょう。

重曹やクエン酸を使ったナチュラルクリーニングは、知識がないと使い方がよくわからないので、ふだん家事をしていない家族が掃除に手を出しにくいというデメリットもあります。
最近では自然由来素材の洗剤も多く売られているので、ラベルをみればひと目でどういった用途がわかり、裏面には使い方も説明されています。既製品のほうがかえって家族にお掃除を頼みやすくなるかもしれませんね」


個人的にはアルカリ電解水は安全なイメージが強かったので意外でした。どれも天然成分ではありますが、置く場所を誤ったり、使い方を間違えないように細心の注意は必要ですね。

滞在時間が長いリビングの掃除法

1日の滞在時間が長いリビングはなるべくきれいにしておきたいところ。特に幼い子どもがいると気になるのがフローリングの床掃除と、テーブルの掃除ではないでしょうか? ももせさん流のフローリング掃除とテーブル掃除を教えてもらいましょう!

フローリングは基本から拭きで

<フローリングの掃除>
ももせさん「子どもの足跡が残りやすいので『毎日水拭きしたい』という人もいるようですが、本来は“から拭き”するのが正しい方法です。頻繁に水拭きをするとフローリングのコーティングが取れやすくなり、床板が傷みやすくなります。

また、クエン酸水や重曹水などを吹き付けるのも、酸やアルカリ成分で素材が痛むので、できれば避けたほうがベター。ふだんは市販のおそうじシートで床をから拭きして、汚れがひどいときにウェットシートか、中性の洗剤を併用するようにしましょう」


床材を傷めないようフローリングはから拭きが基本。それでも気になる汚れはフローリング用のウェットシートや中性洗剤を使うなど、なるべく床材を傷めない洗剤で掃除を心がけてくださいね。

テーブル用の台ふきんはサヨナラ!

<テーブルの掃除>
ももせさん「布製の台ふきんは、洗って絞るというひと手間が必要なのと、雑菌が繁殖しやすいので、もうサヨナラしちゃいましょう。

かわりに、ダイニングテーブルは除菌用アルコールとキッチンペーパーで拭きます。洗って何度か使えるキッチンペーパーもあるので、1日1枚と決めてアルコールスプレーと一緒にセットして置くのもいいですね。厳密な除菌効果を期待しないなら水スプレーでもOKですし、ダスターとして安く売られている不織布を使ってもいいでしょう。
これなら、自分でテーブルを拭くことができてお子さんのお手伝いにもぴったりです。

汚れを追いかけてママがきれいにして歩くのではなく、子どもも使える洗剤や道具をすぐ手に取れる場所に置いておき『汚れたね、これを使ってきれいにしようね』と声がけをしながら、一緒にきれいになるプロセスを楽しむこともとても大事です。ぜひできることから始めてみてくださいね」


テーブルには台ふきん…となんとなくずっと使っている方も多いのではないでしょうか。確かに洗って絞るのがめんどうだったり、洗ってもすぐに臭くなったりしますよね。
また、キッチンペーパーを使っているかたも多いと思います。ふつうのキッチンペーパーだと一度汚れたら捨てるしかありませんが、洗って使えるキッチンペーパーがあれば1日使い回せるのでとても便利ですね!

安心・安全な掃除を行うために、まずは“CHAT”理論を知り、どこのどんな汚れを落としたいか汚れの本質の見極めが大事なことがわかりました。もちろん掃除はママだけのものではないので、簡単な掃除はなるべく家族を巻き込んで、みんなで掃除をする習慣を身につけていきましょうね。(監修・ももせいづみ 文・清川優美)

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