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「小児科オンライン」代表・橋本医師に聞く、オンライン診療の課題とは?

更新

患者と遠隔で相談しているアジアの医師。テレヘルスの概念
※写真はイメージです
Jae Young Ju/gettyimages

新型コロナウイルス感染症が猛威をふるっている今、「オンライン診療」が注目されています。厚生労働省のホームページでは、オンライン診療ができる全国の医療機関のリストも公開されました。さまざまな議論が繰り返されてきた中で、現在緊急措置的に期間限定でスタートしているオンライン診療にはどんな課題があるのでしょうか。「ひよこクラブ」では、2016年よりオンラインでの医療相談「小児科オンライン」をスタートし、代表を務める小児科医の橋本直也先生に話を聞きました。こうした状況の中で「小児科オンライン」も5月1日より期間限定でサービスを拡充したと言います。

編集部注
2020年6月26日に終了予定でしたが、この度、新型コロナウイルス流行の社会への影響が残る現状を踏まえ、8月31日までの延長が決定しました。 2020年6月29日

オンライン診療は、なるべくかかりつけ医に診てもらうのがベター

新型コロナウイルスの影響で、厚生労働省からの通達もあり「オンライン診療」を始める医療機関が増えています。「具合が悪いとき利用してみようかな」と考えているママやパパもいるのではないでしょうか。しかし利用前に、ぜひ知っておいてほしいことがあります。

感染症は症状だけでなく、地域の流行状況が診断のカギになることも

――オンライン診療が期間限定的ではありますがスタートしました。どのようなことが期待できますか。

橋本先生(以下敬称略) 自宅にいながらスマホやパソコンなどを使って診療が受けられ、希望すれば、処方薬も自宅に届けてもらえるので外出しなくてすみます。新型コロナウイルス流行下で活躍しうる医療機関の受診方法ではないでしょうか。

――医療機関を選ぶとき、注意することはありますか。

橋本「小児科オンライン」は医療相談なので私自身オンライン診療を行ったことはなく、あくまで想像ですが、オンライン診療でも、できるだけかかりつけ医で診てもらうほうがよいのではないでしょうか。赤ちゃん・子どもの普段の様子を知っている医師のほうが望ましいと思います。まったくの初診でオンライン診療の場合、医師側もかなりの想像力が必要になるでしょう。
もし、かかりつけ医がオンライン診療に対応していないときは、地域の医療機関を選びましょう。地域の医療機関ならば、夜間救急の受け入れ体制なども把握しているので、適切なアドバイスをしてくれるはずです。
また小児の感染症は、新型コロナウイルスだけではありません。夏は、プール熱やヘルパンギーナなども流行ります。地域の医療機関だと、近隣の流行状況がわかるので、より的確な診断ができるのではと思います。

――そのほか問題点や課題はありますか。

橋本 オンラインでは、聴診器を当てたり、触診したりはできないので、すべての患者さんがオンラインで完結できるとは限りません。担当医が必要と考えたときは、速やかに対面診察に切り替える必要があります。
医師側もオンラインで診療することの慣れと経験も必要だと思います。ただし、現在のコロナ禍の状況の中で、時限的に行われることはいいことなのではないでしょうか。
また本格的にスタートする際には、全体の医療のバランスを考える必要があると思います。まずは、全体を俯瞰して医療相談で済む人、オンライン診療の適応になる人、対面受診をすべき人を整理し、過剰医療や過少医療が起きないような配分が必要ではないでしょうか。

コロナ禍の中「小児科オンライン」の サービスを期間限定で拡充、無料プラン

2016年からスタートしている、会員制の「小児科オンライン」が、新型コロナウイルスが猛威をふるっている現状を受け、経済産業省からの委託事業で2020年5月1日~6月26日の期間限定で、サービスを拡充、無料でだれでも利用できるように。

完全予約制で、待ち時間もない。育児のすき間時間に利用できるのがメリット

――「小児科オンラインを、初めて聞く」というママやパパもいると思うので、まずは概要について教えてください。

橋本「小児科オンライン」は、子育てに悩みや不安を抱えるママやパパ、子どもたちを守りたいという思いから立ち上げた遠隔健康医療相談サービスです。育児の悩みや質問、子どもの体調についてなどLINEや電話で、小児科医が相談にのります。完全予約制なので、順番を待つこともありません。相談できる時間は、16時~23時です(土曜は除く)。予約は開始時間の15分前まで可能です。

――ママやパパなら、だれでも利用できますか。

橋本 本来は住民向けサービスや福利厚生として導入済みの自治体にお住まいの方、企業の従業員の方限定で無料利用可能ですが、2020年5月1日~6月26日の期間限定で、新規登録をすればだれでも無料で利用できるようになりました。

――「小児科オンライン」は、前述のオンライン診療とは違いますか。

橋本 「小児科オンライン」は、対応するのは、すべて現役の小児科医ですが、診療ではありません。薬も処方しません。医療相談・育児相談と考えてください。

――どんな相談ができますか?

橋本 「熱が心配だけど、急いで受診したほうがいい?」など病気のことはもちろん、「母乳・ミルクを飲まない」「うんちが出ない」など子育ての悩みなら、どんな悩みでも構いません。
また「イヤイヤ期でしかってばかりで、疲れてしまった」など、ママ自身のことでもいいですよ。とにかくママ1人で悩みを抱え込まず、気軽に相談してほしいと思います。

――相談できるのは、小児科のことだけですか。

橋本 妊娠中から産後の悩みや授乳の悩みなどに産婦人科医や助産師が答える「産婦人科オンライン」もあります。相談時間などは「小児科オンライン」と同様。期間限定ですが、こちらも無料で利用できるので、ぜひ活用してください。 

300字で書き込める「いつでも相談」で不安やストレスを取り除いて

もう1つ、ママやパパに注目してほしいのが「小児科オンライン」の中の「いつでも相談」です。手軽に使えるということですが、どんなサービスなのでしょうか!?

メッセージで気軽に相談できるから、忙しいママにおすすめ!

――「小児科オンライン」の相談時間は16時からですが、夕方や夜は「家事が忙しくて、ゆっくり相談ができない」というママたちもいると思うのですが。

橋本 そのようなママたちに、ぜひ利用してほしいのが「いつでも相談」です。専用フォームからママやパパが子育ての悩みなどを相談すると、24時間以内に専門家が返答するというもの。写真の添付もできるので、たとえば肌トラブルの状態なども写真で送って相談できます。

■専門家が回答

ママやパパの悩みに応じて、小児科医、産婦人科医、助産師が回答してくれます。


取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部

子育て支援センターなどへの外出も控えなくてはならない今、乳幼児健診を延期する自治体も出てきています。そんな中「ママたちには不安やストレスを解消してほしい」と橋本先生は言います。不安なことがあったらママ(パパ)1人で抱え込まずに、まわりにサポートを求めましょう。「小児科オンライン」や「産婦人科オンライン」も、その一つの選択肢に考えてみてもいいかもしれません。無料利用の合言葉は「てをあらおう」です。

「小児科オンライン」「産婦人科オンライン」

お話/橋本直也先生
(小児科医・小児科オンライン代表)

日本大学医学部卒業後、国立成育医療研究センターにて小児科研修などを経て、東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻修士課程修了。都内小児科クリニック勤務。株式会社Kids Public代表取締役。

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