【医師監修】生後5カ月ごろから「やけど」「窒息」など室内事故が急増、そのわけは? 小児科医
赤ちゃんは5カ月を過ぎると室内事故が起こりやすくなることを知っていますか?
赤ちゃん・子どもの事故の予防に長年にわたり取り組み、NPO法人Safe Kids Japan理事長である小児科医の山中龍宏先生に、「たまひよONLINE」が5カ月ごろから起こりやすい事故と予防法について聞きました。
「誤飲・誤えん」「やけど」「窒息」などの室内事故急増⁉
「5カ月ごろになると、寝返りする子も出てきます。寝返りが上達すると、思わぬところまで移動していることも。また、自分の興味のあるものに手を伸ばしたり、わしづかみにしたり、口にくわえたりと行動が活発になります。できることが増えるため『誤飲・誤えん』『やけど』『窒息』の3つの事故にはとくに注意が必要です」(山中先生)。
【誤飲・誤えん】アルコール消毒液、たばこ、薬品、ビニール袋、ボタン電池、小さなおもちゃなど
「このころの赤ちゃんはなんでも口にくわえて確認する時期。危険なものは手の届かない場所で保管することが基本です。今の時期、家庭にアルコール消毒液が置かれることも多いですが、ペットボトルで管理していた、という事例もありました。飲み物が入っていると勘違いして、子どもに飲ませてしまうことがあります。危険なので絶対にやめましょう。
9カ月ごろにはボタン電池や薬品など小さなものもつまめるようになります。昨日できなかったことが今日できた、ということは子どもにはよくあることなので油断は禁物です」(山中先生)。
【予防ポイント】
□ラップの芯を通る小さなもの(直径39㎜以下)は子どもの手が届かないところ、開けられないところに保管する
□消毒液や洗剤、医薬品、ボタン電池などは子どもの手が届かないところ、開けられないところに保管する
□子どもの前で薬やサプリメントを飲まない
□ボタン電池は簡単に取り出せないようにしておく
□きょうだいがいる場合、おもちゃは年齢別に分けて収納する
【やけど】お茶、みそ汁、カップめんなど
「5カ月を過ぎると、興味を持ったものに手を伸ばすことができる子もいます。まだ手が届かないと思っていた場所にお茶、みそ汁、カップめんなど熱いものを置いていたら、手が届いてしまった、という事例があります。
また、注意したいのがテーブルクロス。テーブルクロスを赤ちゃんが引っ張り、食卓にあった熱いものをかぶってやけど、という事故が起きています」(山中先生)。
【予防ポイント】
□抱っこしながら調理・大人が飲食しない
□熱い食べ物や飲み物をテーブルの端やカウンターキッチンなど手が届く場所に置かない
□テーブルクロスは使用しない
【窒息】ブラインドやカーテンのひもが首にからまり窒息
「赤ちゃんや子どもはぶら下がっているものが大好き。手が届く場所にブラインドやカーテンのひもが垂れ下がっていて、いじっているうちに首にからまり、取れなくなってしまうことがあります。2才ごろまではとくに注意が必要です」(山中先生)。
【予防ポイント】
□ブラインド類のひもはたれ下がらないようにまとめる
□ひもがあるものの近くに踏み台になるものを置かない
お話・監修/山中龍宏先生 取材・文/岩崎緑、ひよこクラブ編集部
いかがでしたか?とくに子どもの「やけど」は入院治療が必要なことが多いという消費者庁の警鐘もあり、注意が必要です。予防ポイントを守って、楽しくおうち時間を楽しんでくださいね。
初回公開日 2020/06/06
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