訪問看護師だからこそ慎重に。感染から子どもをどう守る?
6歳と4歳の男の子を育てる“まこ”です。看護師として病棟やデイケアに勤務していましたが、昨年訪問看護師に転職。現在は訪問看護師として活動するかたわら、在宅での仕事もしています。医療現場は普段から感染症のリスクと隣り合わせ。自らの感染予防には細心の注意を払っています。
しかし、今回の新型コロナウイルスにはそんな医療従事者ですら四苦八苦。いかに自分や家族を守っていくかに頭を悩ませています。
私が訪問看護師として働くなかで、ママ目線で何を感じ、どんな対策をしたのかをお話しします。
訪問看護師だからこそ感じる戸惑い
私は仕事柄、さまざまなご家庭や施設を訪れます。今回の新型コロナウイルス感染症の拡大で、訪問看護師であることに初めて戸惑いを覚えました。
まず、たくさんの人と会うので、自分が移す側にも移される側にもなり得るということです。「大切な人たちや訪問先に、私が媒体となってウイルスをばらまいてしまったらどうしよう」そんな不安を覚えました。
仕事は基本的に自家用車での直行直帰。仕事着のまま車に乗るので、もし体にウイルスが付いていたら、そのまま自宅や訪問先まで運んでしまいます。また、夫と同じ自家用車を運転するので、夫への感染リスクも高くなります。考えるだけで自分の体が汚染されているように感じました。
思いつくかぎりの対策を講じた、感染予防
そこで、自分自身を新型コロナウイルスに感染させないための対策を考えました。まず、マスクは必ず着用。そして、訪問看護の際は1枚薄い上着をはおり、訪問先を出たらその上着を脱いでから車に乗り込むようにしました。
訪問先の家に入る前と出た後は必ず手指消毒をし、車に乗る前も手指消毒。さらに、帰宅したら全身をアルコールスプレーで消毒。こまめな手洗いももちろん必須です。自分のタオルを持ち歩き、訪問先で手を洗った際にはそのタオルで手を拭きます。
とにかく思いつくかぎりありとあらゆる対策をおこなっています。新型コロナは未知のウイルスなので、これで十分かはわかりませんが、今のところ、これらの対策を実践することで感染せずに過ごせています。
自粛要請を受けて、仕事を調整
私にとって一番不安だったのは、子どもが感染するかもしれないということでした。緊急事態宣言で保育園や学童保育にも自粛要請が出たとはいえ、実際には多くの保育園や学童保育は開いています。
しかし、私は人が密に集まる空間に子どもを長時間行かせることにためらいがありました。そこで、それまでは訪問看護師の仕事がメインでスキマ時間に在宅ワークをおこなっていたのを逆転させ、訪問看護の仕事をセーブし、在宅ワークの仕事を増やしました。
子どもがなるべく自宅で過ごせるようにしたかったのです。収入は減りましたが、今は子どもの安全が第一だと思っています。
医療現場で学んだ感染予防策を、家庭でも実施!
現場時代に学んだ予防の知識「スタンダードプリポーション(標準予防措置策)」をもとに、家庭での対策にも取り組んでいます。
子どもたちには、手洗いを徹底。子どもにもわかりやすいよう手洗いの絵を貼り、私も一緒に手洗いをしてきちんと洗えているかをチェックしています。手をふくときはおしぼりタオルを1人1回1枚ずつ使用し、使ったタオルは洗濯機へ。
また、うちの子どもは市販のマスクが苦手なので、キャラクターマスクを手作りして、マスクをするのが楽しくなるようにしました。子どもたちを感染から守るには、子どもが自らの意思で感染予防をするように仕向けることが、大事だと思います。
コロナウイルスが落ち着いたら、また訪問看護師としての活動を増やす予定です。看護師として利用者様の力になることは、私のライフワークでもあり、生きがいです。しかし、今は2人の子どもたちを、母親である私が守ってあげなくてはならないときです。そのためにも、子どもたちには自分で感染予防をしてもらい、私自身も訪問看護の仕事が入った際にはしっかり感染予防対策をおこなって、感染を防ぎたいと思います。
[まこ*プロフィール]
1週間のうち3日は訪問看護師、2日は在宅ワーカーとして働いています。長男は新1年生、次男は年中です。わんぱくな男の子2人に囲まれて毎日楽しく賑やかに過ごしています。
※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。