新型コロナ、家族が感染しないか不安で眠れない人も。ママ・パパは「まわりに頼って不安を手放して」3児のママ小児科医
3児を子育て中のママ小児科医・藤井明子先生が、日々の診療の中でママ・パパたちから寄せられたお悩みについてのアドバイスや、日々の子育てに頑張っているママ・パパに伝えたいさまざまな情報を発信している連載の第3回目です。
今回は、「新型コロナなどで今までにない不安を抱えて、育児とどう向き合ったらいい?」という悩みです。
赤ちゃんのためにも、親が穏やかな時間を持つことが大切
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、休校、休園が余儀なくされたことで、普段の生活が一変し、家族が新型コロナに感染しないかどうかが心配、子どもも親も元の生活に戻れるか不安、眠れない、落ち着きがなくなった…などと相談を受けることが増えました。
緊急事態宣言が全国で解除されたとはいえ、子どもたちやママ・パパから不安の声が聞こえることは続いています。
健診で来院される赤ちゃんのママ・パパからも、「コロナの感染が心配である」「外で遊ばせてあげられなくて、このままでいいのか心配」といった声を聞くことがあります。そういうときは、ゆっくりお話を伺い、親御さんの不安な気持ちが和らぐように努めています。
赤ちゃんは、生後3~6カ月くらいになると人の表情を読み取るといわれています。ママ・パパが笑っているのか、怒っているのかを察しています。赤ちゃんに向き合う親が、穏やかな時間を持つことが大切です。
では、ママ・パパ自身が不安な状況のとき、どのようにしたらいいかをお話したいと思います。
一人で頑張りすぎないで。周囲に頼ることも考えて
新型コロナウイルス感染症の流行だけでなく、受け入れがたい現実が目の前に迫ってくることがあります。仕事や健康面、経済的なことなど、さまざまなことが急に問題として生じてくることがあります。
そのような問題に直面したときに、「自分一人でかかえられるレベルの話ではない」と気づき、パートナーや親、友人など、周囲を頼り、“問題を一人でかかえない”ことを、考えてみてはどうでしょうか。
今は、ウィズコロナの状況で「周囲に頼りにくい…」と思われるママ・パパもいるかもしれません。でも、直接会わなくても頼る方法はあります。
たとえば、オンラインで、気になっていることをお友だちにお話しするだけでもいいと思います。うまく自分の気持ちを出せる場所を作っていけることが大切です。
子どもを産むまでは、自分一人が頑張って、自分が我慢すればなんとかなってきたママ・パパほど、周囲に頼るのが難しく、苦手ではないでしょうか。
かつての私自身がそうだったので、「周囲に頼ってはいけない」と思って頑張ってしまう親の気持ちは、よくわかります。
そして、ママ・パパ自身の笑顔が増えたら、目の前にいる赤ちゃんを見てみてください。ウィズコロナ時代の現実は変わっていないけれど、赤ちゃんはそのことを気にする様子もなく、ママ・パパの顔を見つめていますよ。
目の前にいる赤ちゃんとの時間を楽しむ、置かれている状況で楽しむ方法を見つけていけたらすてきですね。外出が難しいかもしれないけど、お散歩でお花を見たり、空を見上げたり、今あるホッとできる時間に目を向けられたらいいですね。
文・監修/藤井明子先生 構成/ひよこクラブ編集部
藤井明子先生(ふじいあきこ)
(さくらキッズクリニック・院長)
Profile
さくらキッズクリニック・院長 小児科医。東京女子医科大学病院や長崎大学病院、長崎県立こども医療福祉センターで研さんを積んだ後、現職。専門は小児神経。“病気に限らず、子どものすべてを診るクリニック”をめざし、ママ・パパの子育ての悩みに寄り添う診療を行っている。現在3人のお子さんを子育て中。