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ひとり親になった日#3:人生という旅のガイドブックを捨てる

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2歳の息子のお母さんをしています、わぐりです。「ハハのつぶやき」という子育てイラストをTwitterInstagramで描いています。たまひよオンラインでは、不妊治療〜妊娠〜出産〜育児までの気づきを描いたマンガ連載をしています。

ひとり親になった日#3:人生という旅のガイドブックを捨てる

私は、現在2才の息子と犬と暮らしているシングルマザーです。ひとり親といっても、今どき珍しくないかもしれません。ひとり親になった理由もそれぞれ事情は違うと思います。でも、いま、まさに、ひとり親になろうか悩んでいる、なってしまって絶望している、そんな方がいたら、自分の体験が少しでも役に立てられないかと思い・・・自分の離婚体験について、3話にわたって書いています。
1話目はこちらからどうぞ。
2話目はこちらからどうぞ。

自分の中にある呪いを解く。

ひとり親になることが決まった時、私の頭をいくらかしめていたのは、「人からどう思われるだろう」という不安でした。自分の周りにたまたまひとり親が少なかったので、自分の中に、ひとり親に対する偏見があったのですよね。それが偏見だと気づくのは容易でしたが、こういう偏見を持ってる人が世の中にたくさんいるだろうという事実に、落ち込みました。まあ、でも、そんなことで離れていくような知り合いなら、こっちから願い下げですよね。

ライフサカスの西部さんのこの記事に、「生殖物語」という言葉がでてきてすごく腹落ちしたのですが、人はみな、どのように生きるかというステレオタイプというか、こうあるべきという理想像をもっているのだそうです。自分もすごくそれがあって、「夫婦と子どもが3人、犬を飼っている幸せな家庭」という形を成し遂げなければという呪い(?)のようなものを持っていました。なので、夫というパーツも、息子の兄弟というパーツも欠けてしまうことが、受け入れられなかった、という側面があったんですよね。

今も私はこの生殖物語と戦っている気がします。家族のいろんな幸せの形をもっと目にしたり、自分と息子という家族の楽しい時間を作っていきながら、すこしずつこの呪いを解いてしていきたいなあと思います。

自分の持っているものに目を向ける。

たまひよオンラインのこちらの記事にも書いたのですが、子育てで本当に理解した重要なことは、「人と比べても意味がない」ってことでした。

まず、子どもの成長を他の子と比べがちなんですが、これほんとに意味がないんですよね。だって、子どもによって全然違うんですもんね!寝る子寝ない子、食べる子食べない子、大きい子小さい子…違って当然、なにが悪い!ですよ。
それから、2話目で「頼れるものは頼ってよい」と書きましたが、子育ての環境も他の子と比べがちなんですが、これもほんとに意味がない。だって、違って当然でしょう!それぞれの環境を最大限活用して、最大限努力するだけですよ。

子どもにお父さんがいないこと、かわいそうだなあと日々思います。でも、お母さんも、ジジババオジオバイトコたちも、みんな息子のことが大好き…。きっと息子自身が悩む時期がくるだろうと思いますが、「人と比べて持っていないもの」よりも「自分がもっている素晴らしいもの」に目を向けてくれるよう、それに気づいてくれるよう、サポートできたらいいなあと思います。

ひとり親ならではの家族のかたち。

最後に、慰めにならないかもしれませんが、ひとり親のいいところだなーと思うことを挙げておきます。

ひとりだと、子どもの世話はとても大変です。でも、表現しきれないほど、とても可愛いです。宇多田ヒカルさんの「あなた」という曲の歌詞にもあるように、ほかの全てのことが、取るに足らないことになります。子ども以外のことはほとんどどうでもいいんですよね。あと、単純に気にしてる時間がない。なので、例えば仕事とかで「この人に嫌われてるかな…」みたいなことで悩まなくなりました。だって悩んでもしょうがないし、ほんとに嫌われててもどうでもいいんだもん。重要なこととそうでないことがくっきり分かれて、断捨離をしたような気分で爽快です。おばちゃんになってるだけかもしれませんが。

もうひとつは、すごく自由だと思います。子どもが寝たあとひとりの時間ができます。子どもがいるとほんとに時間が貴重ですが…おそらくここに元夫がいたら、子どもの出来事を共有したり仕事の悩みを話してたんだろーなと思う時間(それもいいんですけどね)を、趣味や仕事や家事にあてられます。そして、家に人を呼んだり、遊びに行ったりを、夫に気にせず、子どもさえケアすれば可能です。自分ひとりの休みがとれればいいので、母子で旅行もいいかも。旅行と言わず、留学しても、引っ越ししてもいいかも。夢が広がりません?身軽なんですよね。

おわりに

学生時代に、同じ研究室にいたタンザニア人の友人を訪ねて、タンザニアに旅行に行きました。現地には2週間ぐらいの滞在だったので、計画魔の私は、彼女に「どんなことを計画したらいいかな?」と相談しました。そしたら彼女は「計画するなんてもったいない!現地で決めればいいじゃん」と言ったんですよね。目からウロコでした。それで旅行してみたら、まあボッタクリに合うわ、町で迷いかけるわ、サファリの草むらでトイレすることになるわ、色々トラブルはありつつ…でもそれが、すごく思い出に残っていて。結果、トラブル起きた方が旅行って楽しいんだな、という気づきがありました。

ひとり親になるまでの人生、わりと計画通りに、よい人に囲まれて、好きなように生きてきたので、ほんとにショックだったのですが…人生も実はそーなのかもな、、と思えるようになってきて。

ステレオタイプにとらわれず、大事なものを大切に、でも時には自由に軽快に、起こった事件を笑い話に変えて、人生を楽しめるんだよってことを、子どもに伝えられたらいいなあと…。それこそが「両親揃った家庭」の代わりに、私が息子にプレゼントできるものなのかなと、いまはそう思っています。

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