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「カミカミ」は、子どもの体の成長と脳の発達に大きくかかわります【専門家】

ベビーフェース笑う
写真はイメージです
quintanilla/gettyimages

かむことは、食べ物をかみ砕き、吸収をよくするばかりでなく、唾液(だえき)の分泌を促して消化を助ける、あごの発達や口の筋肉を強化する、脳を刺激する、言葉の発達を促す、肥満を防止するなど、子どもの成長にあらゆる影響を及ぼします。
子どものかむ力の育て方と、カミカミの練習に合う幼児食メニューの調理のポイントについて管理栄養士の太田百合子先生に聞きました。

かめばかむほど出る唾液が成長に大切な働きをします

食べ物が口に入ってきたとき、かめばかむほど出てくる唾液。この唾液は単に食べ物を食べるためだけのものではなく、子どもの成長に欠かせない大切な役割をいくつも持っています。
おいしい食べ物が口の中に入ってきたときの唾液は酵素を多く含んでいて、栄養の消化・吸収を助ける働きをします。そして、歯ですりつぶされた食べ物と混ざって、飲み込みやすいなめらかな状態にしてくれます。それが口の隅々まで行きわたることによって、味を感じることができるのです。
さらに、むし歯菌が作り出す酸を中和したり、口の中に入った細菌などの毒性を減らすなど、口の中や体を守る重要な役割を果たしています。このように、唾液はとても大切な役割を持っているのです。
そんな唾液をたくさん出すためには、モグモグとよくかんで味わうことが必要です。リラックスした楽しい気持ちで食事することも大事です。緊張すると唾液があまり出なくなって、口の中が渇いてしまうことも…。食卓の楽しい雰囲気づくりも大切にしましょう。

よくかんで食べることは脳の活性化につながります

歯の根のまわりには、歯根膜という組織があり、食べ物をかんだときの衝撃を和らげたり、食べ物の状態を脳に伝えるセンサーのような働きをします。歯根膜からの情報を受けた脳は、その食べ物に合ったかみ方をするように指令を出すのです。
いろいろな歯ごたえや形状の食べ物を食べると、歯根膜のセンサーが敏感に働き、脳への刺激が増えて活性化します。また、かむことで血流量が増え、栄養や酸素がたくさん脳に運ばれるのです。子どもの成長にとって、かむことはとても重要。でも、よくかんで食べる習慣は大人になってからでは身につきません。子どものうちにしっかりと習慣づけておいて。かんで食べるのが楽しくなるよう、上手にサポートしてあげましょう。

本当にかんで食べているかを見分けるために、ほっぺの動きに注目を

かんで食べる習慣をつけるために、まずは子どもの歯の構造やかむ力を知っておきたいものです。以下の口の動きができているかどうかポイントをチェックしてみましょう。

【Check!1】前歯だけで食べていない?

前歯は食べ物をかみ切るのが役目。前歯だけで食べていてはすりつぶすことができないので、なかなか飲み込める状態にできません。歯ぐきでつぶせる程度のかたさのものを与えて、奥歯のあたりの歯ぐきでかむ体験をさせましょう。

【Check!2】奥歯のあたりでモグモグしている?

子どもの食べている様子から、口の中でモグモグしているかどうかを見分けるのはなかなか難しいもの。でも、食べ物が口に入ってから、ほっぺが2~3回程度でも動いていれば、奥歯でかもうとしているサインです。

【Check!3】モグモグしないでゴックンしていない?

ほっぺがほとんど動かないうちにゴックンと飲み込んでいるようなら、かまずにまる飲みしているということ。食材を小さく切りすぎていたり、やわらかすぎるのかもしれません。調理のしかたを見直してみてね。

【Check!4】口を閉じて食べている?

食べ物は口を閉じてモグモグしないと、きちんとかんで飲み込めません。鼻呼吸ができない場合は、鼻詰まりを起こしていないか確認しましょう。「食べるときは口を閉じてね」と声かけをしましょう。

ちょっとひと手間かけるだけでかむ練習につながるカミカミメニューに

カミカミメニューは、子どもが食感だけでなく、味も存分に楽しめるもの。よくかんで食べると、食べ物が唾液と混じり合って口の中に広がり、味がよくわかるようになります。そのためには、かたすぎず、やわらかすぎない食べ物でかむ経験を積むことが必要なのです。だから、ちょっとひと手間かけて。子どもが「かむって楽しい!」と思ってくれたら、大成功です。かんで食べるのが楽しくなる料理にしてみましょう

【ポイント1】「切り方」指でつぶしやすいかどうかで判断

食材には、加熱するとやわらかくなるものと、そうでないものがあります。加熱すると指で簡単につぶせるじゃがいもやにんじんなどの根菜や葉もの野菜、ほぐれやすくなる魚などといった食材は、ある程度形のある大きさに切るといいでしょう。反対に、加熱しても指でつぶしにくい薄切り肉、きのこ類やえびなど、そのままの形ではかみにくいものは、繊維を断つように切ったり、こまかく刻む工夫が必要です。第1乳臼歯が生えそろうまでは、飲み込める大きさか、歯ぐきでつぶせる大きさを目安に。

【ポイント2】「食材」1つの料理に使う食材の種類を増やして

食材によって、かたさや弾力、歯触りなど食感はさまざま。1つの料理に数種類の食材を使うと、脳が歯触りや味の違いを感じ取ろうとして、自然にかむ回数が増えます。また、口に入れたときにいろいろな食感を体験して、子どもが食事を楽しむことにつながっていきます。食べるという行為は口だけでなく、目や鼻の機能も一緒に働くもの。だから、食事の見た目や香りを大切にして、彩りも栄養バランスもよい食卓を心がけて。

【ポイント3】「加熱時間」大人よりも少し長めに火を通しましょう

カミカミメニューのコツは、子どもが無理をしないでかめるやわらかさにすることです。子どもはかむ力が未熟なので、かたいとかむのが嫌になることも。わざわざ別に作るのは大変ですが、親子分を一緒に作って、子どもの分だけもう少し長く加熱してやわらかくしましょう。ただし、野菜類は加熱すればするほどやわらかくなりますが、肉や魚は加熱しすぎるとかたくなることがあるので注意が必要です。

【ポイント4】「味つけ」調味料ではなく、だしのうまみを利かせましょう

人間はエネルギーにつながるうまみ(アミノ酸)や甘みを感じると、よくかんでたくさん唾液を出し、栄養を吸収しようとします。といっても、子どものうちから濃い味つけにするのはNG。食材の微妙な味を感じることができなくなります。いろいろな食材の味を体験させるためにも、だしを利かせたり、野菜や肉や魚のうまみを利用しましょう。かんだときのうまみを体験すると、食事が楽しくなってカミカミ促進につながります。


監修/太田百合子先生 取材・文/ひよこクラブ編集部

かむ力=咀しゃく力は、歯の成長に伴って少しずつついていきますが、同時に練習も必要です。やわらかいものばかりでも大人と同じようにかたいものばかりでもかむ力はつきません。
子どものかむ様子を見て、料理や食材を工夫しましょう。

太田百合子先生
Profile
管理栄養士。東京・こどもの城で長きにわたり乳幼児の栄養指導を行う。現在は大学、専門学校などの非常勤講師のほか、講演会などでも活躍。

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