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娘の夜泣き対応に心が折れ…その経験からママたちに伝えたいこと・3児のママ小児科医

更新

36日の赤ちゃん - 父に抱かれた人間の年齢
Mitsuo Tamaki/gettyimages

3児を子育て中のママ小児科医・藤井明子先生が、子育てを通して感じた「赤ちゃんの夜泣き」をテーマに、先生の体験談をお届けします。
藤井先生が、診療の中でママ・パパたちから寄せられたお悩みについてのアドバイスや、日々の子育てに頑張っているママ・パパに伝えたいさまざまな情報を発信している連載の第6回目です。

赤ちゃんの夜泣きが不安になり、救急外来を受診したお母さん

今から10年以上も前、私が小児科医なりたてのころの当直中の話です。

「夜中に赤ちゃんがずっと泣きやまないから、どこか具合いが悪いのではないか」と心配し、お母さんが赤ちゃんを抱っこして受診されました。
私が救急外来で拝見すると、赤ちゃんは、すやすやと気持ちよさそうに寝ています。お母さんに話を聞くと、救急外来を受診するためにタクシーに乗り、その車内で寝始めたというのです。
赤ちゃんには身体的には異常所見は問題なく、そのまま帰宅となりました。お母さんもホッとした顔をされ、「夜泣きで来てしまってすみません」と言われました。

そのとき、まだ母親になっていなかった私は、「赤ちゃんだから何も言葉にできないし、心配ですよね、大丈夫ですよ」とだけお返事しました。

長女の夜泣き対応に心が折れ、親のほうが泣きそうに…

その後私も親になって、そのときのお母さんの気持ちが痛いほどわかるようになりました。わが家の子どもたち3人それぞれに、何をやっても泣きやまない夜があったからです。

長女のときは3~4時間ほどでしょうか、何をしても泣きやまない日がありました。当時はマンション暮らしだったので、ご近所に迷惑にならないか、あせりながらあやして、うちわであおいだり、ポリ袋のカシャカシャする音を鳴らしたり、オルゴールの曲を鳴らしたり…。
長女を泣きやませるためにあらゆる手段をつくしました。その翌日の保育園の日記には、こう書いてあります。「昨夜は娘が3~4時間も泣いて、とても大変で、親の私たちが泣きそうになりました」

長男と二男の乳児期は、地方の一戸建てに住んでいたのは幸いでしたが、ほかのきょうだいを起こしてしまうのではないか?と気になりました。
夜泣きで泣きやまないときには、おんぶして近くの川辺をお散歩したことを覚えています。3人目の夜泣きのときには慣れたもので、お散歩しながら、「こんな夜もあるよね。いつかはご機嫌に過ごせる日がくるから大丈夫」と自分に言い聞かせることができ、長女のときのようにあせる気持ちは減っていました。

そんなわが家の子どもたちも、今では寝かしつけをせずに1人で眠れるようになりました。
夜泣きを連日くり返しているときには、「いつになったら、ゆっくり眠れる日が来るのだろうか」と途方にくれるかもしれませんが、その日はいつか来ます。
その日までは、お母さんもお父さんも、赤ちゃんが寝ているときには一緒に休むなどして、無理をせずに、夜泣きにつき合っていけたらいいと思います。
そして、その夜泣きのきつい時期、かつての私が保育園の先生に育児の悩みを話したように、悩みを1人でかかえないで、過ごしてほしいと願います。
私も子どもと一緒に泣きたい夜があったけれど、気づいたら子どもたちだけで眠る日が来ました。
あなたにもいつかゆっくり眠れる日が来ますよ、大丈夫ですよ。

文・監修/藤井明子先生 構成/ひよこクラブ編集部



藤井明子先生(ふじいあきこ)

Profile
さくらキッズクリニック・院長 小児科医。東京女子医科大学病院や長崎大学病院、長崎県立こども医療福祉センターで研さんを積んだ後、現職。専門は小児神経。“病気に限らず、子どものすべてを診るクリニック”をめざし、ママ・パパの子育ての悩みに寄り添う診療を行っている。現在3人のお子さんを子育て中。

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