深刻な食品ロス問題。「ゴミ清掃員の日常」読んでほしいエピソード7選
お笑い芸人でありゴミ清掃員としての顔も持つ、お笑いコンビ「マシンガンズ」の滝沢秀一さん。そんなマシンガンズ・滝沢さんの二足のわらじ生活を支え続けているのが、妻の滝沢友紀さんです。最近は夫のゴミ清掃員としての体験を友紀さんがわかりやすく漫画にした著書「ゴミ清掃員の日常」が話題になっています。
夫婦2人で作り上げた漫画「ゴミ清掃員の日常」「ゴミ清掃員の日常 ミライ編」から、滝沢友紀さんがオススメするエピソードを教えてもらいました!
プロフィール /滝沢友紀
お笑いコンビ「マシンガンズ」の滝沢秀一さんの妻であり、7歳の息子と4歳の娘の母。お笑い芸人とゴミ収集員の二足のわらじで活動する夫のゴミ収集員としての体験を綴った漫画「ゴミ清掃員の日常」「ゴミ清掃員の日常 ミライ編」の漫画制作を担当している。
ギニア出身の清掃員から教わった「モッタイナイ」
「ギニア清掃員」(『ゴミ清掃員の日常』より)
友紀さん「“ギニア清掃員”はギニアから見た日本のゴミのもったいなさについての話。なぜまだ履けるくつを捨てるのか、なにを見ても『もったいない』と言うギニア人のことが描かれています。
その方は『でも日本人大好き、水を引いてくれてその技術を教えてくれる』と言っています。物を使い切ることについて考えさせられました」
ペットボトルのラベルは手作業ではがしている!!
「ペットボトル工場」(『ゴミ清掃員の日常』より)
友紀さん「“ペットボトル工場”は手作業でペットボトルの蓋やラベルを取っていることに驚きました。ちゃんとそれらを外してから出すことが多くの人に広まり、それが当たり前になってほしいと思います」
ガンに侵されながらも最期まで働くひとりの清掃員
「桜」(『ゴミ清掃員の日常』より)
友紀さん「“桜”ではガンに侵されながらも、最期までゴミ清掃員として働く内山さんの生きざまに胸を打たれました。子を残していく親の気持ちになるとなんとも言えず胸が詰まりました。思いが伝わるようひとつひとつ気を付けて丁寧に描きました」
仮死状態で生まれてきた息子と2人目出産後の“産後うつ”
「生きる 出産編・決意編」(『ゴミ清掃員の日常 ミライ編』より)
「ゴミ清掃員の非日常前編・後編」(『ゴミ清掃員の日常』より)
友紀さん「“生きる”と“ゴミ清掃員の非日常”は、仮死状態で生まれてきた息子の話と、私が産後うつになったときの話です。当時の心境を思い出し、少しつらくなるとともに今では元気に成長している子どもたちに感謝の気持ちが湧きます。
この2つはほかの漫画よりも描くのに時間がかかりました。妊娠出産は奇跡の連続であること、日常は当たり前ではないこと、産後うつは身近にあるということ、これらのことは自分の経験としていつかお話しする機会があればと考えていましたので、まずはこの漫画で描けたことに感謝しています」
ゴミ清掃員が日々目の当たりにする深刻なゴミ問題
「食べ物のゴミを回収して思うこと①②」(『ゴミ清掃員の日常 ミライ編』より)
「最終処分場①②③」(『ゴミ清掃員の日常 ミライ編』より)
友紀さん「“食べ物のゴミを回収して思うこと”や“最終処分場”は、夫が特に伝えたいことだろうなと思いながら描きましたし、内容を見て私も驚きました。
“最終処分場”については何回も夫と話しました。自分自身も勉強になりましたし、ゴミ出しについてより一層と気をつけようと思いました」
“産後うつ”についても、もっと広めていきたい
――最後に、友紀さんの今後の抱負をお聞かせください!
友紀さん「とにかく元気な日々をすごすことが一番です。来年50代に突入するのもあり、今年は食べ物に気を付けたり、運動を始めました。体調も良くなり以前より動けるようになったので、それが維持できるといいなと思っています。
お仕事に関しては、漫画に限らずですが“産後うつ”についても発信できる場が多くあれば良いなと思っています。引き続き夫の仕事に協力できたらと思っています!」
「ゴミ清掃員の日常」発売中!
漫画「ゴミ清掃員の日常」から友紀さんのおすすめのエピソードをご紹介しました。食べ物のゴミについて考えさせられる話、ゴミ清掃員をしていて出会った人々との話など胸を打たれるエピソードばかりでした。まさに見れば見るほどゴミの分別したくなる本です!
また、夫・マシンガンズ滝沢さんの目線で描かれた、仮死状態で生まれた息子くん・友紀さん産後うつのエピソードも、友紀さんが辛い記憶を辿って描いた大作です。ぜひ夫婦や親子で漫画をお手にとってみてくださいね。(文・清川優美)