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【医師監修】陣痛を誘発・促進するとき【出産のための基礎知識】

ferlistockphoto/gettyimages

お産が始まらないときや、進まないときに行われる処置です。

【記事監修】

東京大学医学部産婦人科学教室 主任教授

藤井知行 先生

Profile

1957年東京都生まれ。東京大学医学部医学科卒業。東京大学医学部附属病院産科婦人科研修医、米国フレッドハッチンソン癌研究所ヒト免疫遺伝学部門への留学を経て、東大医学部に戻り現在に至る。厚生労働省が行う「母子感染の実態把握及び検査・治療に関する研究班」の代表として、全国の医師・一般の妊婦さんへの啓発活動に尽力。日本産婦人科学会理事長を経て、現監事。『週数別妊婦健診マニュアル』『流産の医学』など著書多数

[誘発]卵膜剥離

お産が始まらないとき卵膜をはがして刺激を与えます

なかなかお産が始まらず、子宮口もかたくて、開かないときに、陣痛を誘発する目的で医師が内診をして赤ちゃんを包んでいる卵膜を子宮壁から少しはがします。この処置を卵膜剥離といいます。
はがすことが刺激になって陣痛が始まったり、子宮口が開き始めることがあります。

[促進]人工破膜

お産が進まないとき人為的に破水を起こします

内診のときに、赤ちゃんを包んでいる卵膜を破って、人為的に破水を起こさせる処置を人工破膜といいます。破水することで、頭が下降し、その刺激でお産が進行することがあります。
子宮口が開いてきて、陣痛も来ているのにお産の進展があまり見られないときに行われる処置です。

[誘発][促進]陣痛促進

誘発と促進、2つの目的があります

陣痛促進薬には、まだ陣痛が始まっていないときに陣痛を誘発する場合と、弱い陣痛を促進するために使う場合とがあります。
陣痛を誘発するのは、破水したあとになかなか陣痛が始まらず、感染の恐れがあるときや、妊娠42週近くなっているのにいっこうにお産が始まる兆候のないときなどです。
お産を促進するケースは、子宮口の開きが進まず、明らかに陣痛が弱いと思われるとき。そのままだと体力ばかり消耗してしまい、ますます陣痛が弱くなってしまうことも。そのようなときに陣痛促進薬を使用して有効な陣痛に変えてきます。

使用方法や量は定めれられています

陣痛促進薬は医師の監視の下で慎重に投与する必要があります。
点滴をするときは、自動輸液装置といって投与量を正確に調節できるインフュージョンポンプが使われます。分娩監視装置で陣痛の状態や赤ちゃんの心拍を確認しながら調節します。1日使っても効果がない場合はいったん中止し、翌日また分娩誘発を計画します。
陣痛促進薬を使うことのできる産婦は、基本的に経腟分娩が可能な産婦ですが、中には陣痛促進薬が使えないケースもあります。

どんな種類があるの?

プロスタグランジンとオキシトシンの2種類があります。
錠剤と点滴がありますが、錠剤は血中濃度のコントロールが難しいので最近は点滴が主流になっています。

プロスタグランジン

経口薬のプロスタグランジンE2と、点滴のプロスタグランジンF2αがあります。子宮頸管をやわらかくしながら陣痛を誘発します。

オキシトシン(アトニン)

点滴薬のみで、分娩につながる強い子宮収縮を起こす効果があります。ある程度お産が進んだ段階で使用される薬です。

陣痛促進薬の使い方

医師が使用するかどうか判断してママに説明

陣痛促進薬を使うタイミングは、母子の状態と産院の方針にもよりますが、事前に必ず医師から「なぜ必要なのか」の説明があります。わからないことはこの段階で医師に質問しましょう。

母子の状態をモニターしながら投与

点滴の際は、医師が分娩監視装置で陣痛の間隔や強さをチェックしながら、1分当たりの投与量を決定します。少しずつ量を増やすなど、調節をしながらお産に有効な陣痛につなげていきます。

有効な陣痛がつき、出産へ

2~3分おきの陣痛が来て、モニターのグラフに陣痛曲線がくっきりと現れるようになれば、お産が進み始めた証拠。これ以上点滴増量の必要がないと判断されれば、点滴はその量で続けられます。

効果がなければいったん中止

朝から夕方まで点滴を行っても効果がなければ、いったん中止します。翌朝からまた再開します。ただし、それでも効果が出ない場合や、それ以上の続行が危険と判断された場合は、帝王切開分娩に切り替えます。

陣痛促進薬を使うとき・使えないケース

陣痛促進薬を使うのはこんなとき

・微弱陣痛……弱い陣痛が続き、お産がなかなか進まないとき。
・前期破水……破水後24時間経過してもお産が始まらないとき。
・過期妊娠……出産予定日を2週間過ぎてもお産が始まらないとき。
・合併症がある……産婦に妊娠高血圧症候群や糖尿病などの合併症があり、妊娠が長引くと危険と判断されたとき。
・遷延分娩(せんえんぶんべん)……初産で30時間以上、お産に時間がかかっているとき。
・軟産道強靭(なんさんどうきょうじん)……軟産道がかたくてお産が長引いたとき。

陣痛促進薬を使えないケース

・児頭骨盤不均衡……ママの骨盤よりも赤ちゃんの頭が大きいケース。
・前置胎盤……胎盤が子宮口を覆ってしまっているケース。
・過去に子宮の手術をしている……帝王切開分娩や子宮筋腫の手術などを過去に受けているケース。
・ぜんそくなどの持病がある……プロスタグランジン(陣痛促進薬)には気管支を収縮させる作用があるため。

陣痛促進薬 Q&A

Q.出産予定日を過ぎると、必ず陣痛促進薬を使うの?
A.予定日を1~2週間以上過ぎ、胎盤機能が低下するとき使用

予定日を過ぎると、胎盤機能が低下して赤ちゃんの状態が悪くなる心配があるため、予定日を1~2週間過ぎたころから、分娩を誘発する必要があります。分娩誘発には(1)薬(陣痛促進薬)と(2)物理的な方法(卵膜剥離、浣腸、ラミナリアなど)の2つを状況によって使い分けます。

Q.微弱陣痛の場合、陣痛促進薬を使うと聞きましたが、使う基準がありますか?
A.分娩の進行が非常に遅かったり、止まってしまったときが目安

ママの体力的・精神的な疲労が増え、赤ちゃんも苦しくなるので、お産の間に2時間経過しても、分娩が進まなかったら、使われることが多いようです。また、破水が先に起こり、子宮の中に感染を起こす危険が高い場合は、破水から約24時間が目安です。

初回公開日 2017/8/16

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