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産まない選択はない、けれど2回目の双子出産では家族に遺書を書いた【ダブル双子育児体験談】

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いとちゃん&うたちゃん3歳、ももちゃん&はるたくん生後3カ月のころ、自宅にて。

愛媛県在住のみやこさん(32歳・フリーデザイナー)、夫の涼平さん(33歳・会社員)には、4歳の女の子の双子いとちゃん&うたちゃんと、さらに1歳の男女の双子ももちゃん&はるたくんがいます。家族はさらに猫2匹と、とってもにぎやか。ダブル双子は自然妊娠で授かったのだそうです。妊娠・出産のときのことについて、みやこさんと涼平さんに話を聞きました。

不思議なことに、双子妊娠の予感が的中

2回の妊娠がわかったときのエコー写真。左がいとちゃん&うたちゃんのときのもの、右がももちゃん&はるたくんのとき。

大学のダンスサークルで知り合ったみやこさんと涼平さん。在学中から交際を始め、みやこさんが25歳のときに結婚。Web制作会社で働いていたみやこさんは結婚と同時にフリーランスデザイナーに。半年ほどたったころに体調の変化を感じ、妊娠検査薬で陽性が出たために産婦人科を受診すると、なんと双子を妊娠していることがわかりました。

「私も夫も親族に双子はいないんですけど、私にはなぜか『双子かもしれない』という予感がありました。初めての健診で『双子です』と言われ、『やっぱり!』とつぶやいたら先生も驚いていました。双子妊娠はハイリスクとは説明されましたが、夫も大喜びしてくれたし私もとってもうれしくて、双子の赤ちゃんの様子やベビー服をSNSで調べては楽しみにしていました」(みやこさん)

ところが、みやこさんは妊娠28週のころに切迫早産(せっぱくそうざん)で入院となり、絶対安静となりました。

「入院中はずっと早産予防の点滴を打っていました。しかし、副作用で腎臓などの働きが悪くなってしまったために、点滴を中止せざるをえなくなってしまいました。
点滴を中止したらその日に陣痛がきて破水。双子のうち1人がさかごだったので緊急帝王切開での出産となりました。妊娠32週のときです。おなかにメスが入ることがこわくてこわくて、でも手術の準備はどんどん進んでいくので、逃げられない状況の中手術室に運ばれ、出産となりました。

こわくてしかたがなかったけれど、双子が生まれた瞬間のかわいい産声を聞いたら、胸がいっぱいになりました。『ふにゃあー』って、予想していたより小さくてかぼそい赤ちゃんの声。その声を聞いて勝手に涙がポロポロと流れました。手術室から病室に戻るとき、夫と、その日ちょうど面会にくる予定だった友人たちの顔を見てほっとしたのを覚えています」(みやこさん)

2018年9月、長女のいとちゃんは体重1145g・身長38cm、二女のうたちゃんは体重2059g・身長44cmで生まれました。小さく生まれた2人はNICUに入院しました。1カ月ほどして体重が2500gを超えたころ、先に二女のうたちゃんが退院し、その1週間後に長女のいとちゃんが退院。家族4人の生活が始まりました。

2回目の妊娠もまさかの双子!

ももちゃん&はるたくんを妊娠時、臨月になったみやこさんのおなかは今にも破裂しそうな大きさに。

初めての子育て、しかも双子。みやこさんも涼平さんも実家が遠方で手伝いを頼めなかったため、みやこさんは寝る間もなく育児に奮闘しました。当時は涼平さんは育休を取れない状況でしたが、帰宅後や休日にはできるだけ家事や育児に協力していたそうです。いとちゃん・うたちゃんの子育てが落ち着いて、みやこさんと涼平さんがそろそろ下の子を・・・と考え始めた2021年12月、双子が4歳を迎えようとするころに、みやこさんは再び妊娠します。

「夫と冗談で『まさかまた双子だったらどうする?』なんて話していたんです。最初の妊娠のときには何となく双子な気がする、と思っていた私の感覚が的中しましたが、今回はさすがに双子はないだろうと思っていました。
1回目の妊婦健診でエコー画像を見せてもらったら、なんだか胎のうみたいな影が2つ・・・見覚えがあるな・・・と思ってはいました。そして、2回目の健診で双子とわかり、心底驚きました」(みやこさん)

「2回目の健診の日の夜に妻から『双子だった』と聞いたときには、驚きとうれしい気持ちがいちばんにありました。ただ、喜びの感情とともに、具体的にこれからどうしようという現実問題への責任感、二つの気持ちが同時にありました。産まないという選択肢はみじんもなかったし、愛情を持って育てようと決めていましたが、家族がさらに2人増えて、経済的なことやマンパワーのこと、どうやって生活していこうかと、妻とたくさん悩んで話し合いました」(涼平)

双子の心拍が確認できたのは妊娠7週目の健診でのこと。それからお互いの父母にも双子の妊娠を報告しました。家族はとにかくみやこさんの体の心配をしてくれたそうです。

「私自身も、1回目の妊娠で切迫早産になった経験が身体的にも精神的にもとても苦しかったので、2回目の双子妊娠に不安はありました。切迫の予防には動かないことがいちばん、と言われるけど、双子育児中は動かざるを得ない状況です。気をつけてできるだけ休むことを意識しながら過ごしたのがよかったのか、2回目の双子妊娠は前回よりも順調で、切迫早産にならずに済みました。

ただ、妊娠後期は本当につらかったです。おなかは今にも破裂しそうなほど大きくなって、坐骨神経痛のような痛みで立つことも座ることも横になることもつらい状況。はいはいのような姿勢でかたまって動けなくなることがよくありました。3歳だったいととうたも当時の私の様子を覚えていて『ママ、よく動けなくなってたよね』と今でも言われます」(みやこさん)

出産でもしものことがあったら・・・と遺書を書いた

ももちゃん&はるたくんは生後2時間で母子同室に。

そして妊娠34週を迎えたある日、みやこさんは頻回におなかの張りを感じ入院することに。コロナ禍のため、一度入院すれば出産後に退院するまでいとちゃん&うたちゃんと会えません。双子を妊娠・出産することのリスクを知っているからこそ、みやこさんは何かあったときのためにと、遺書を書き残したそうです。

「私は1回目の帝王切開で出血量が多かったようで、先生からは2回目も出血が多い場合に母体が危険な状態になる可能性や、輸血が必要になる可能性があるなどの説明をされました。
それを聞いて、入院中は、万が一このまま2人に会えなくなったらどうしよう、と不安な気持ちがとても強かったです。コロナ禍の出産で万が一のことがあったら、子どもたちにも、夫にも、自分の親にも会えないままになってしまうんだろうか・・・、死んでしまったらどうなるんだろう・・・と。もし私に何かあったらだれかが気づくように、スマートフォンのメモ帳に子ども、夫、両親にあてた遺書を書いてお守りがわりにしていました」(みやこさん)

2022年8月、入院後1週間ほどたったある日、みやこさんは予定帝王切開で再び双子を出産しました。妊娠36週のときでした。

「はるたが2659g・50cm。ももが2445g・47cmで生まれました。先に生まれたはるたは、とっても元気な強い産声をあげてくれました。次に生まれたももは、いとやうたとおんなじ『ふにゃあ』とかわいらしい産声。2人が無事に生まれてくれて、ただただ感動しました」(みやこさん)

1回目の出産の際はいとちゃん&うたちゃんはNICUに入院となり、みやこさんはある意味母体の回復に専念することができましたが、今回は2人とも2500g前後の赤ちゃん。元気に生まれてくれたために、感動の余韻にひたる間もなくあわただしく育児が始まりました。

「病室に戻った2時間後に、看護師さんが双子を私の病室に連れてきてくれました。そして、授乳のスタートです。麻酔が切れてからは、帝王切開の傷がひどく痛むし、おっぱいも痛いし、赤ちゃん2人はなかなかうまくおっぱいを飲めないし・・・私も赤ちゃんと一緒に泣きながらの育児がスタートしました。

できるだけ動いたほうが傷の回復が早くて体が楽になるというのは1回目の帝王切開出産でわかっていたので、歯を食いしばって、自力で立ってトイレまで歩いたりしていました。ただあまりにも痛すぎて、2時間おきに双子を授乳に連れてきてくれる看護師さんたちが鬼に見えました(笑)」(みやこさん)

3歳なりにママがいない寂しさを我慢していた2人

みやこさんが出産入院中には、いとちゃんうたちゃんと毎日ビデオ通話していました。

みやこさんが入院している間は、涼平さんが1人でいとちゃんうたちゃんのお世話をしていました。

「いととうたの幼稚園は朝8時半から14時までですが、朝は7時半ごろから、夕方も19時ごろまで預かり保育をしてくれるんです。妻の入院中から、僕が朝2人を幼稚園にお願いし、仕事へ行って、仕事のあとに2人をお迎えに行って、帰宅して家事をする、という毎日でした。双子の髪を結うのも一つ結びしかできないし、食事も簡単なものばかりになってしまいましたが、2人はそれも我慢していてくれたようです」(涼平さん)

産後1週間で、みやこさんとももちゃん&はるたくんは無事退院。自宅でダブル双子・4人の育児が始まりました。

「僕と過ごしている間は、2人とも寂しいそぶりは見せずにいつもと変わらない元気いっぱいな様子でいました。ところが、はるたとももと一緒に妻が退院したら、顔を見るなり『ママ!』と抱きついて泣き出したんです。3歳なりにパパに心配かけないように気をつかったり、ママに会いたい思いを我慢していたんだな、と2人の成長を感じて胸がじーんとしました」(涼平さん)

いとちゃん&うたちゃん生後21日のころ

小さく生まれ、NICUに入院していた2人。右がいとちゃん、左がうたちゃんです。

ももちゃん&はるたくん生後31日のころ

こちらは生後すぐに母子同室となった下の2人。右がはるたくん、左がももちゃんです。

お姉ちゃんたちがお世話!

お姉ちゃんたちがバウンサーを揺らして妹と弟をあやしてくれています。

家族みんなでお宮参りへ

ももちゃん&はるたくんが生後1カ月のころ、家族6人で神社へお宮参りへ。

お話・写真提供/みやこさん、涼平さん 取材・文/早川奈緒子、たまひよONLINE編集部

一度の多胎妊娠・出産も大変なことですが、それが2回目ともなればリスクを知っているからこその不安があったことでしょう。夫婦2人でダブル双子の育児に奮闘しているみやこさんと涼平さん。2人の子育ての様子はYouTubeチャンネルでも配信されています。

ちむほげちゃんねる / ダブル双子

●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●記事の内容は2023年7月当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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