高齢出産・持病・妊娠高血圧症候群も。“無痛分娩”を選んだ私の出産体験記
benkayam/gettyimages
ママライターの“みこと”です。結婚して長い間、夫婦2人だけの生活をしていた私が、初めて妊娠したのは37歳のとき。持病があるため普通分娩はむずかしいと考え、無痛分娩で出産ができる病院をえらびました。
はじめての妊娠で妊娠高血圧症候群に。即入院へ
本当は「実家に戻って出産できればいいな」と思っていたのですが、地元では無痛分娩ができる病院がみつかりません。里帰り出産はあきらめて、産後1ヶ月は母に手伝いにきてもらうことになりました。
妊娠初期は、つわりもそれほどひどくなく、定期健診でも特に異常はみられませんでした。ところが、中期になり、適度な運動をしようとウォーキングをはじめると、赤ちゃんが下りてくるような感覚が。医師からは安静の指示が入るようになり、家で静かに暮らす日々がつづきました。
それでも、妊娠9ヶ月の健診では血圧が高く出てしまい、妊娠高血圧症候群のために入院することに。なんとか退院できたものの、37週目の定期健診でも血圧が高かったため、出産予定日を待たずにそのまま入院して、次の日に出産することになりました。
子宮口がようやく開いた夜遅くに、無痛分娩で出産
計画出産の前日は、麻酔をして子宮口を開くための器具をいれ、そのまま就寝しました。
次の日は朝から麻酔を止め、陣痛促進剤を使用。麻酔は陣痛を弱めるため、ある程度、子宮口が開くまでは麻酔を止めるとのことでした。少しずつ生理痛のような痛みが増してきて、これが陣痛か、と思いながら1~2時間ほど耐えました。
本来ならこのまま子宮口が5センチ開くまで待つのですが、血圧が上昇しはじめたため、早めに麻酔を投入。痛みが一気に和らいでリラックスできるように。立ち合いのためにきてくれた夫と2人で、数時間そのまま待ちました。
子宮口が開いて、やっと分娩室に呼ばれたのは22時ごろ。30分ほど分娩台の上でいきみを繰り返し、23時になる少し前に出産しました。
その後、看護師さんから「赤ちゃんが少し低体温なので、あたためてから連れてきますね」と言われ、ドキドキしながら待ったのをおぼえています。わが子を抱けたのは、深夜の1時ごろ。しばらくの間、はじめて親子3人だけの時間が持てました。
なれない授乳に苦戦する日々がはじまった!
出産翌日から3時間ごとの授乳がはじまりました。私は母子同室ではなく、そのつど新生児室に通わなくてはいけません。しかも、なれない授乳に時間がかかり、1回の所要時間は1時間以上。終わってベッドへ戻っても、またすぐに次の授乳時間がきてしまいます。
また、その合間には授乳指導や沐浴指導もあり、ゆっくりしている暇はほとんどありませんでした。特に早朝の授乳はかなりつらかったです。ベッドに戻っている間はなるべく睡眠をとるようにしていました。
退院後は母のおかげで、赤ちゃんのお世話に集中することができました。ただ、やはり夜中の授乳はきつかったです。私の場合は母乳だけでは足りず、ミルクも飲ませる必要があったので、授乳の後には必ずお湯をわかしてミルクを作らなければいけませんでした。手間も時間もかかるので、なれるまでは苦労しました。
それでも、少しずつ授乳や育児のコツがつかめるようになり、私の母親としての自覚もより強いものになっていった気がします。
あとになって、私と同じ持病の人から、「この病気のせいで出産をあきらめた人もいる」と聞きました。「私は無事に出産ができて幸運だったのだな」と改めて思いました。
無痛分娩には賛否両論ありますが、私は持病のある人やリスクの高い妊婦さんには、ひとつの選択肢だと思います。
今ではやんちゃざかりの息子。少し生意気な口をきくときもあるけれど、あの日生まれた小さな姿を思い出すと、「あの赤ちゃんがこんな子どもになったのだなぁ」と、なんだかほほえましく思えたりします。
■その他のママライター体験談はこちら
[みこと * プロフィール]
結婚して長らく夫婦だけの生活が続いていましたが、38歳で男の子を出産。大人中心の生活が一変しました!
なれない育児に右往左往の連続ですが、少しずつ成長している息子に、最近ちょっと頼もしさを感じています。
※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。
●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。