妊婦9ヶ月までつわり、出産では夫に噛みつく&気を失いかけ…でも幸せな出産
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在宅ワーカーの”てんてんママ”です。初めて見たわが子は小さい卵で、「まだ2ヶ月くらいで安心は出来ないので安静にしていなさい」と先生に言われ、実家で過ごす事になりました。常に気持ち悪く憂鬱な日々を過ごしていた私。妊娠3ヶ月に入った頃、急に夫の沖縄への長期出張が決まりました。
つわりで苦しみ、淋しい妊婦生活
一緒について行きたかったのですが、ごはんの炊けるにおいを全く受け付けず、おまけに桃しか食べることができない。日々吐き気と戦う生活をしていた私がついて行ける訳もなく、夫は単身で沖縄へ。
お医者さんの「つわりが終わればどこへでも行けますよ!」との言葉に励まされ、のんびり夫と沖縄で暮らすことを夢見て、ジッと耐えていましたが、結局つわりは9ヶ月まで続き、沖縄生活は夢と消えました。
おなかの中でエイリアンが動いた?!
初めて胎動を感じたのは7ヶ月目に入った頃。胃の辺りで何かが動いているのを感じました。先生は「つわりも胎動があるからだ」と言っていました。いつもただ気持ち悪いだけで、何かがおなかの中で動いていると感じたのはこの時が初めて。
言葉にするのは難しいのですが、何か得体の知れないエイリアンがグニョっと動く感じ。気分が悪い生活は変わりませんでしたが、赤ちゃんが「元気だよ!」と私を励ましてくれているような気がして、「おなかに赤ちゃんが居るんだ!頑張らなくちゃ」とひたすら頑張っていた気がします。
激痛と戦った陣痛から出産 いざ分娩台へ
9ヶ月に入り単身赴任していた夫も帰って来て、ようやくつわりも治まったそんなある日。“ズッキン!!”と激しい痛みに襲われて不安になり、病院に電話をすると「1時間おきに痛みが来るようになったら病院に来てください。」と言われました。それが陣痛の始まりでした。
翌朝、いよいよ入院。陣痛はおなかを何かでえぐられるような激痛で、様子を見に来た夫に「もう嫌!痛い~!」と叫び、挙げ句の果てには夫の腕に噛みついたそうです。そして、陣痛が3分おきになり分娩室へ移動。1歩1歩足を動かす度に痛みが走り、隣の分娩室までの道のりが長くて何度も途中で動けなくなったのが今でも忘れられません。
分娩室で始まる、壮絶な戦い
分娩台に上がった後も先生にどんな説明をされたのか、痛みで全然覚えていませんが、妊婦教室で教わった「ヒーヒーフー」という呼吸法だけを考えていました。
助産師さんに「いきんで」と言われても“いきむ”の意味が解らず、いきむタイミングを間違えて叱られたり、途中で気を失いそうになり諦めかけた時に、助産師さんや看護師さんに励ましてもらったりしながら、無事出産することができました。
生まれてきた子どもを寝ている横に連れてきてもらった時、一生懸命握りしめた小さな手を見て涙が溢れ、やっと会えた喜び、一生この子を守り続けて幸せにしたい!と思いました。今はその子も16才。思春期で反抗的な時もありますが、やっぱりこの世で一番大切な可愛い存在です。
つわりや陣痛の辛さと常に戦った妊婦生活ではありましたが、生まれた子どもと出合えた瞬間、これまでの苦しさや痛みはすっかり忘れ、ただ愛おしく幸せな思いに包まれました。
苦しくて辛くて不安ばかりの毎日でしたが、今ではとても良い思い出になっています。つわりで苦しんでいる人へ、その苦しみはやがて幸せに変わります。そして夫へ「噛みついてごめんなさい」。
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[てんてんママ * プロフィール]
ワイヤーアクセサリーを作るのが好きで、仕事は在宅ワーカー。16才の息子と7才のワンコを愛して止まないバカ母ライターです。そろそろ子離れしなくては…と思ってはいるものの実行に移せない今日この頃です。
※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。
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