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出生前診断ってどんなもの? 検査を受ける時期と流 れ、注意点は?

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dmf87/gettyimages

出生前診断について、さまざまなメディアで取り上げられることが増えていますが、正しい情報がなかなか伝わりにくくなっています。出生前診断ですべての病気や障がいがわかるわけではありません。また、病気や障がいがわかったとしても、治療に結びつくものとそうでないものもあります。
出生前診断とはどのようなものなのか、日本赤十字社医療センターの笠井靖代先生に聞きました。

関連:出生前診断のいろいろ〜新型出生前診断、クアトロテストってどんなもの?

出生前診断ってどんなもの?

おなかの赤ちゃんについて生まれつきの病気の有無を調べるのが出生前診断です。
本来は、妊娠中に病気を見つけ、安全な分娩方法を考え、出生後の治療や育児の準備につなげるためのものです。そういった意味では、妊婦健診で行われる超音波検査もある種の出生前診断です。
ただ、現実には「染色体異常」を調べる検査を指すことが多いです。

どんな検査方法があるの?

monkeybusinessimages/gettyimages

出生前診断には、異常があるかどうかの可能性を知る「非確定検査」と、正確な診断がつく「確定検査」があります。
非確定検査には通常の妊婦健診で行われる「胎児超音波検査」と、血液検査によって染色体異常の確率を出す「母体血清マーカー検査(クアトロテスト)」があります。
また確定検査には、おなかに針を刺して羊水を調べる「羊水検査」と、胎盤の絨毛組織を調べる「絨毛検査」があります。ただ、絨毛検査は通常、特定の遺伝子疾患がある人が受けることが多い検査で、染色体を調べる目的であれば羊水検査が一般的です。
2013年より日本で実施されているのが、新型の出生前診断である「母体血胎児染色体検査(NIPT)」です。こちらも血液で調べる非確定検査で、分娩時に35歳以上が対象者の主な条件となっています。

検査を受ける時期と流れはどんな感じ?

検査にはそれぞれ適した時期があり、結果が出るまでにも一定の時間がかかります。妊娠が確定したら、すぐにどうするかを夫婦で話し合っておかないと、間に合わないことがあります。

「羊水検査」の時期と流れ

検査を受ける時期は妊娠15〜18週ごろ。
おなかに針を刺すので、約0.3%の確率で流産につながる可能性があります。確定診断できるのは、染色体異常のみです。結果が出るのに約2週間かかります。

「母体血清マーカー検査(クアトロテスト)」の時期と流れ

染色体異常や神経管の形態異常の確率を出す検査です。採血による検査で、時期は妊娠15〜17週ごろ。約10日で、「何分の1」という確率で結果が出ます。
結果により羊水検査を希望するかどうか、夫婦で決定します(これ以降の流れは「羊水検査」と同じです)。

「母体血胎児染色体検査(NIPT)」の時期と流れ

13番、18番、21番の3種類の染色体異常の可能性を判断する検査です。採血による検査で、受ける時期は妊娠11〜16週ごろ。約2週間後に、「陽性」「陰性」という形で検査結果報告が出ます。
「陽性」と出たら確定診断ができる羊水検査を受けます(これ以降の流れは「羊水検査」と同じです)。

検査を検討する前に必ず知っておいてほしいこと

silverkblack/gettyimages

出生前診断は、「やっておいたほうがいいかも」「安心のために」というような安易な気持ちで受けると、
あとで悩んでしまうことも。検査を検討するときは、夫婦で十分に話し合う必要があります。それでも迷ったら、周産期センターなどに併設された遺伝相談外来、出生前相談外来で遺伝カウンセリングを受けましょう。出生前診断を受けた後、次のステップに進む際の時間はあまりありません。
結果により妊娠継続も含めてどうするのか、検査を受ける前に夫婦でよく話し合っておきましょう。

出生前診断に関するママたちの体験談

「41歳で2人目を妊娠しました。今回は40歳を過ぎたためか、産院から羊水検査か母体血胎児染色体検査(NIPT)の説明をされ、受けることに。染色体異常があったらどうするかを、夫ともよく話し合って決めました」

「妊娠10週、40歳の初産です。出生前診断の案内をもらいましたが、不妊治療の末にやっと授かった命なので、検査を受けるかどうか、夜も眠れないほど悩んでいます」

「母体血胎児染色体検査(NIPT)を受けるかどうか悩んでいます。検査でわかる障がいはごく一部ということも理解しています。夫は私が安心するなら受けてもいいと言ってくれていますが、陽性でも妊娠を継続してほしいと言います。陽性のときに、自分が決断をできるかどうか不安です」

「出生前診断を受けたいと思っていますが、検査のリスクや金額なども気になります。検査を受けるにしても、結果を知ってからの覚悟も必要ですよね。また検査の種類もいろいろあるので、わかりづらいです」

出生前診断は非常にデリケートな検査です。当事者以外が簡単に受けたほうがいい、受けないほうがいいといえる問題ではありません。いちばん大切なことは、ご夫婦であらゆる可能性を想定して十分に話し合い、お互いの気持ちを理解することです。検査をしてもしなくても、授かった命を真剣に考える機会にできるといいですね。
(文/たまごクラブ編集部)

監修/笠井靖代先生

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■文中のコメントは口コミサイト『ウィメンズパーク』の投稿を再編集したものです。

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