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妊娠中~産後に気になるむくみ(浮腫) 今すぐできる改善テク&予防法 

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IK Photoart/gettyimages

むくみとは、体の中に余分な水分がたまっている状態。妊娠中はホルモンの影響で生理的に体に水分をため込みやすくなり、とくにおなかが大きくなる妊娠中期以降、足がむくみやすくなるのが特徴です。妊娠中のむくみは生理的に起こることが多いのですが、妊娠高血圧症候群などのトラブルが原因の場合も。むくみの原因や改善&予防法について、東峯婦人クリニックの松峯寿美先生に聞きました。

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妊娠中に体がむくみやすくなるのは、どうして?

私たちの体は、血液の循環が悪くなると、水分が血管や細胞の外に出てきやすくなります。その余剰な水分がうまく排出されず、体内の組織にたまってしまうのが「むくみ」。妊娠すると、ホルモン分泌や体の循環機能、体形が大きく変化します。こうした生理的な変化がむくみの原因となり、とくにおなかが大きくなる妊娠中期以降、下半身がむくみやすくなります。まずは妊娠中から産後にかけて、むくみやすくなる原因について知っておきましょう。

妊娠を維持するためのホルモンバランスの変化がむくみを呼ぶ

妊娠中にむくみやすくなるのは、ホルモンバランスが変わるのが原因のひとつ。妊娠を維持するために多量に分泌される女性ホルモンのプロゲステロンには、皮下組織に水分をためる働きがあるのです。そのため、足や手の指がむくみやすい状態に。

妊娠中期以降、ぐんぐん大きくなる子宮が大静脈を圧迫します

妊娠後期になると、大きくなった子宮が太もものつけ根にある太い血管を圧迫するため、下半身から心臓に戻る血液の流れが滞って、むくみやすい状態に。とくに、足がむくみやすくなります。

ふくらはぎのポンプ作用が低下するのも一因

妊娠しているかどうかを問わず、重力の影響もあって、下半身はもともとむくみやすいもの。血液は重力によって上から下に流れるため、重力に逆らって心臓へと戻る下半身の静脈血が滞りやすくなるのです。下半身の静脈の血流は、筋肉の収縮の働きで心臓へと戻っていきますが、妊娠中は非妊娠時よりも活動量が減る傾向にあります。そのため、ふくらはぎの筋肉収縮が低下して、むくみやすい傾向にあるのです。

静脈瘤(じょうみゃくりゅう)ができている人はむくみやすくなる

ふくらはぎのポンプ作用が低下して、足がむくみやすい人の場合、静脈瘤を併発しているケースが少なくありません。これは、むくみが静脈瘤を招くという意味ではなく、静脈瘤が出やすい人はむくみやすいということ。つまり、「静脈の弁が弱い人はむくみやすい」といえるでしょう。静脈の弁が弱い人は足のむくみとともに、足のつりも起こしやすい傾向にあります。

体の部位別 むくみの注意ポイントを知っておきましょう

むくみは血行が悪くなるのが原因。手の指、足の指などの末端は血液が心臓に戻りにくくなるため、疲労するとむくみやすくなります。とくに夕方以降は、重力の関係で下半身にむくみが出やすくなりますが、一晩寝て治まるようであれば、それは生理的なむくみなので心配ないでしょう。また、朝、起きぬけなどに、手のむくみやこわばりを感じやすい人もいますが、起床後に体を動かすことで治まるようなら心配いりません。
一方、顔のむくみは病的なむくみと考えられます。もともと腎臓や心臓に病気がある人は要注意。どんな症状が出やすいのか、部位別にチェックしていきましょう。

●顔のむくみ
起きているときは重力の関係で水分が下に流れていくので、顔がむくむことはないでしょう。顔のむくみは病的なむくみと考えられます。もともと心臓や腎臓に持病がある人は要注意。専門医に妊娠経過を見守ってもらう必要があります。
<症状>
・朝起きると、顔がパンパン
・目が腫れぼったい

●足のむくみ
大きな子宮を支えるために、いちばん負担がかかるのが下半身。とくに夕方以降、足のむくみやだるさを感じやすくなり、ふくらはぎ、足の甲、足首、足の指などがむくみやすくなります。また、静脈瘤ができている人はむくみやすい傾向に。立ちっぱなし、座りっぱなしなど、ずっと同じ姿勢で過ごすのも、むくみを悪化させる原因になります。
<症状>
・足が重く、ふくらはぎがパンパン
・足の甲がクリームパンのようにぷっくりする
・靴がきつくて履けない
・ふくらはぎに静脈瘤ができている

●手のむくみ
血流が悪くなると、指先まで行きわたらなくなって、むくみがちに。とくに、朝起きたときにむくんで手が握れなかったり、こわばりを感じる人も。妊娠30週以降には指輪をはずしておくほうがいいでしょう。
<症状>
・起きぬけに手を握ることができない
・指輪が入らなくなる
・グローブをはめたような感じがする

●外陰部の腫(は)れはむくみではなく、静脈瘤です
大きな子宮に圧迫されて外陰部がうっ血し、ぼってりすることがあります。これはむくみではなく、静脈瘤ができていることが原因。腟(ちつ)の壁、小陰唇など、静脈がたくさんある場所は静脈瘤になりやすいのです。

妊娠時期別むくみ度チェック あなたもむくみ予備軍!?

yavdat/gettyimages

「下着がきつい」「手の指でグーパーができない」というときは要注意。日常生活を送るうちにだんだん治ってくるなら、それは生理的なむくみですが、「ずっとむくんだまま」というときは、むくみの度合いが強すぎると考えられます。下着や服、靴のサイズを見直したり、たまに鏡の前で姿勢をチェックすることが、むくみ予防につながりますよ。

<妊娠初期> 下着や靴下のサイズは問題ない?

まだおなかが目立たず、体重の変化はないかもしれませんが、ホルモンの影響で体がふっくらとしてきます。
きつい下着をつけたり、きつい靴を履くと血行不良の原因に。体形に合うマタニティ下着や、楽な服装、履き心地のよい靴を心がけましょう。

<妊娠中期~後期以降> おなかを突き出して歩いていない?

おなかが大きくなるにつれ、重心が変わって、腰をそらせる姿勢をとりがちです。これは、無意識のうちにおなかを支える姿勢をとってしまうため。でも、骨盤がゆがんで腰痛の引き金になったり、周囲の筋肉に負担がかかって、下半身のむくみを招いてしまいがちです。たまに鏡の前で姿勢をチェックしてみましょう。

全身のむくみを防ぐ3つのコツを知っておきましょう!

「朝は何ともなかったのに、夕方以降、足がパンパンにむくむ」という場合も、一晩寝て治まるようなら、それは生理的なむくみです。シムスの体位で休んだり、セルフマッサージをするといいでしょう。また、毎日の食生活で塩分をとりすぎないようにコントロールすることが大事。むくみを予防する3つのコツを試してみてください。

塩分のとりすぎに注意&適度な水分補給を

●水分補給をしっかり
「むくみを防ぐには、水分を控えるほうがいいのでは?」と単純に考えてしまいがちですが、それは間違い。水分の摂取量が減っても、血管から水分が漏れ出るしくみは変わらず、むしろ血液循環が悪くなってしまいます。口の渇きは水分不足のサインなので、我慢しないこと。糖分の高い清涼飲料水は避けて、カフェインレスのお茶や常温の水などで意識的に水分を補給しましょう。

●塩分摂取は控えめに、バランスよく食べる
塩分をとりすぎると体内に余分な水分をため込みやすくなるため、とりすぎないように注意しましょう。妊娠中の1日あたりの塩分摂取量は7g未満。まずはしょう油の使い方を工夫してみてください。しょうゆをポン酢しょう油に変えたり、レモンをしぼったり、しょうがや大葉などの香味野菜を上手に使って、塩分控えめを心がけて。味つけする際は味が濃くならないように、具材がやわらかく煮えてから、仕上げにしょう油を加えるのがポイント。加工食品は意外に塩分含有量が多いので注意が必要です。
そして、水分代謝をスムーズにする豆類、りんご、バナナ、海藻などを意識的にとって、バランスのよい食事を心がけましょう。

首や手足、足首などの軽いストレッチを

足の指や手の指など、体の末端の血流をよくして心臓へと循環させるには、適度な運動で筋肉を動かすことがポイント。おすすめは、首や手首をまわしたり、壁やテーブルなどにつかまって体を支えながら、つま先立ちをするなどの簡単ストレッチ。妊娠経過が順調で医師から許可が出ているなら、ウォーキングや、マタニティヨガ、スイミングなども効果的な方法です。

入浴やマッサージで血行を促進しましょう

寝る前にゆっくり入浴したり、マッサージすると、リラックス効果とともに血流がよくなります。妊娠後期になって、肩までじっくりと湯船につかるのが苦しいときには、ぬるめのお湯におへそのあたりまでつかる半身浴がおすすめ。腰まわりを温めることで、便秘の改善にも役立ちます。
おなかが大きくなると自分で足のマッサージをするのは難しいので、パパにお願いしてもいいですね。心地よい力加減で、ふくらはぎや足の甲などをマッサージしてもらいましょう。

下半身や手の指のむくみ対策&スペシャルケア

Manuel-F-O/gettyimages

妊娠中~産後のむくみの症状のほとんどは、日常的な対策の中で軽減できます。症状が出ていない人も、日ごろからセルフケアすることが予防につながります。

むくみ防止に弾性ストッキングを着用

むくみ防止ストッキングは弾性ストッキングとも呼ばれ、足のむくみや静脈瘤を予防&緩和できる医療用ストッキングです。特別な編み方で作られているため、ふくらはぎの筋肉に適度な圧力がかかり、ストッキングを着用することで、心臓への血流の戻りをよくしてくれる効果があります。さまざまなメーカーから発売されていますが、圧が低すぎると効果がないため、圧迫力が19hPa(ヘクトパスカル)の低圧タイプから27hPaの中圧タイプを選ぶといいでしょう。
初めて履くときにはコツがいるので、まずはひざ下までのハイソックスタイプを試すのがおすすめ。

抱き枕などを利用して、足を心臓と同じ高さにして横になる

足の静脈血が心臓へと戻るのを促すには、足を心臓と同じ高さにするか、またはそれよりも高い状態にするのがコツ。疲れがたまると血液循環が悪くなるので、時間を見つけて横になるなど、小まめな休憩を心がけましょう。ひざの下や、ふくらはぎから足首の下にクッションを置き、足首が15㎝程度持ち上がるような態勢がおすすめです。あお向けになるのがつらい時期になったら、体の左側を下にした「シムスの体位」で横になるといいでしょう。

足浴&ツボ押しでむくまない体づくりを

<下半身には…>
●足浴しながら、足指じゃんけんを
深めのバケツにお湯をはり、ふくらはぎの真ん中あたりまでお湯につかりましょう。足を温めながら、足
の指を丸めてグーにしたり、指の間隔を開いてパーにしたり、親指を上下させてチョキにするなどの足指ストレッチをすると、血行促進に効果的です。

●そけい部→ひざ裏→ふくらはぎへとマッサージ
左右の手でグーをつくり、リンパの流れに沿って、そけい部を心地よい強さでさすってみましょう。その後、ひざの裏、ふくらはぎを下から上にさすり上げます。あぐらで行えば、おなかへの負担がありません。温めたタオルをあてるのも効果的です。
また、安定期以降、三陰交(内くるぶしの中心から指4本分上)をやさしくさすると、下半身の血流をよくして、足の冷えを予防してくれます。

●ツボや心地よい場所を押す
妊娠前からむくみやすい人は、足のすねや甲など、心地よく感じる場所をさすってみましょう。手でグーを作って、強すぎない程度に行うのがポイント。また、肌から10㎝ほど離れたところからドライヤーの熱をあてて、三陰交を温めてもいいでしょう。

※足の裏や足の指は、子宮にかかわるツボが集まる場所なので、自分で強く押すのは避けて。マタニティ向けの治療院などで、専門家に施術してもらいましょう。上記のケアをしているときも、おなかが張ったらすぐに中止してください。

<手には…>
●グレープフルーツの香りで手浴を
洗面器に42度ほどのお湯をはって、両手をじんわりと温めましょう。その際、体液の流れを調節するグレープフルーツの精油を1滴落とすと効果的。頭からバスタオルをかぶって手浴すると、アロマの蒸気を吸い込む芳香浴もできて、リフレッシュ効果が。

●わきのした→腕へとマッサージ
リンパの流れに沿うように、まずは、ひじのほうから胸のほうに向かって、わきのしたをさすりましょう。そして次に、手の先からをわきのしたまで一気にさすります。手の先の血流をよくして心臓に戻すことで、手の指のむくみが軽減されます。

産後直後の一時的なむくみは、あわてなくても大丈夫です

お産のときに出血が多かった場合、一時的な貧血状態に陥って、産後にむくむことがあります。これは体が低たんぱく状態になることによって組織間液の水分量が増えたり、循環血液量が減るために、毛細血管から組織間液へと水分が流出しやすくなるのが原因です。お産入院中に治ることがほとんどなので、心配しないでくださいね。
また、産後は、授乳をはじめとした赤ちゃんのお世話で、ママは猫背の姿勢になりがちです。実は、この姿勢の悪さが血流を悪くして、むくみを招くことがあるのです。授乳クッションを使うなどして、姿勢に注意しましょう。産後のむくみは自然に改善されていくことがほとんどです。

<むくみを予防するには>
・疲れをためない
・同じ姿勢を続けない
・下半身を冷やさない
・きつい下着を避ける
・バランスよく食べて、塩分をとりすぎない
・便秘を予防して代謝のよい体に

関連:【妊娠中期~後期】脚のむくみは、ふくらはぎでなく「太もも」をもんで解消!

妊娠中から産後にかけてのむくみは、生理的なものがほとんど。日常的な対策の中で予防&軽減できることが多いので、入浴や足浴、手浴、マッサ―ジ、軽いストレッチを行うなどして乗りきりましょう。ただし、むくみが続くときは、病気が隠れている可能性も。心臓、腎臓の病気が隠れているケースもあるため、医師に相談を。
(文/大石久恵、たまごクラブ編集部)

■監修/松峯寿美先生(東峯婦人クリニック院長)

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