【妊娠糖尿病】インスリン投与&食事療法…頑張っているのに悪化?! 気持ちどん底の妊娠後期
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順調な経過をたどっていた第3子妊娠25週目、中期に受けた血液検査が発端となり、いきなり「ハイリスク妊婦」宣告を受けた私(当時33歳)。そこに待ち受けていた壁は【妊娠糖尿病】でした。
【妊娠糖尿病】確定からインスリン治療への序章
この病気、“何となく聞いたことはあるが、実はよく知らない病気”というイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか? 私も「自分がまさか!」という心境でしたので、この病気に対する予備知識はありませんでした。
しかし、不安を感じる暇もなく急転直下の転院を経て、即日入院(検査のため)の措置がとられました。前回は、この部分を中心にご紹介しましたので、今回は検査入院後の自宅での生活について詳しく書いていきたいと思います。
厳格な血糖コントロールができる【インスリン投与】
私の場合は検査入院中、試験的に行った食事療法があまり良い結果を出してくれませんでした。そこで退院後はインスリンによる治療を自宅で行い、出産まで厳格な血糖コントロールを達成するようにと、医師から指示を受けました。
私が行ったインスリンによる血糖コントロールとはどんなものか?
●食前・食後、就寝前の血糖値を自己測定器にて測定
方法は、1日7回、測定用に使う1滴の血液をとるために、専用の針で指の先を「パッチン」と刺します。回数を重ねていくうちに慣れますが、始めは痛いと感じました。
●決められた量・決められたタイミングでインスリンを投与
とても怖いイメージがある、「自己注射」で行います。ペン型の注射器に極細タイプの針をセットし、ダイヤルを決められた数字まで回します。注射するインスリンの量は血糖値のデータを元に決めていますので、決して間違えてはいけません。そして、太ももか腹に注射します。
頑張っているのに悪化?! 気持ちどん底の妊娠後期
妊娠29週目で退院した時のインスリン投与の頻度は、「朝食前:なし、昼食前:なし、夕食前:1回、就寝前:なし」という具合でした。自己注射の回数は1度で量も少なかったので、私の気持ち的にもまだ余裕がありました。
しかし、次第に血糖コントロールがうまく運ばずインスリン投与の回数も量も増していきました。この時期、私の心はとても沈んでいました。結局、妊娠30週後半には「毎食前の自己注射が必須」というレベルになってしまったのです。
長男の運動会でお昼のお弁当の前、1人で物陰に隠れて注射をしなくてはならなかったこと、七五三のお祝いの席でもトイレでこっそりインスリンを投与した記憶が、今も鮮明に残っています。
いつも「大丈夫!」と家族を心配させまいと頑張っていましたから、悪化していくような状況はとてもつらかったのです。
食事療法では、最高の食材との出会いも!
インスリンの治療と並行して、自宅では食事療法も行いました。実際には、
●1日に摂取する白米・パン・うどんなどの量をコントロールする
●砂糖の入った飲み物・お菓子禁止
●果物は食べ過ぎない
●料理に使う砂糖を、代用品(例:甘味料「ラカントs」など)に変える
これを自宅で厳守し、血糖値の異常な上昇が起こらないよう常に気をつけていました。そんな中、大変すばらしい食材に出会いましたのでご紹介します。
それが“全粒粉パン”。これがパン好きの私の食事療法で、強い味方になってくれました。独特の歯ごたえと、小麦の胚芽・表皮・胚乳までまるごとしっかり味わえて、血糖値が上昇しにくいという最高のパン。「治療中でも、こんな小さな楽しみを見つけながら頑張ろう!」と思うきっかけにもなりました。
次回は、【妊娠糖尿病】を抱えて迎えた第3子の出産の話をお届けします。(次回につづく)
[あしださき*プロフィール]
高校の担任からも「楽観的な性格」と評され、とにかく楽観思考の3児の母です。物事はあまり複雑に考えず、元気なわが子に会えればそれが安産だと思うタチ。主にママ業、時々在宅ライターを兼務中。
※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。