「母性がわかない私は母親失格…?」妊娠中に感じた苦悩に先輩ママが愛あふれるアドバイス
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「子どもを産めばだれでも自然と母性が湧く」という“母性神話”。妊娠中に周囲からそう言われて、いざ産んでみたら心にゆとりが持てず、母性がわかずにママが落ち込んでしまうケースもあるようです。
口コミサイト「ウィメンズパーク」の会員3,574名に「産後、憂鬱な気分になったり、育児に対してやる気や喜びがなくなるような症状がありましたか?」というアンケートを行ったところ、
よくあった (13.4%)
たまにあった (33.4%)
あまりなかった (25%)
まったくなかった (24.6%)
子どもはいない (3.7%)
という結果に。
「よくあった」と「たまにあった」を合わせると、4割以上という結果に。産後のホルモンバランスの崩れや子育てに必死で、ママの気持ちの浮き沈みが激しくなってしまうのは珍しくありません。
妊娠中に母性がわかなくて悩んだり、子どもを産んでから時間をかけて徐々に子どもを可愛いと思えるようになったという声も。
今回は、口コミサイト「ウィメンズパーク」に寄せられた母性に関するお悩みと、その悩みに対する先輩ママたちのアドバイスをご紹介します。
「妊娠中だけど母性がわかない」
こちらは「妊娠中だけど母性がわかなくて心配」というママのお悩み。
「現在14週で初めての妊娠です。妊娠はうれしいけど、周りのテンションについていけない自分がいます。幸せなことに、自分の家族、夫の家族、友だち、みんなが私の妊娠をとても喜んでくれます。しかし、正直に言うと、私の中ではあまり実感がなく、どことなく他人事のような気分です。
妊娠前は、妊娠すれば、母性のようなものが沸々とわいてくるものだと思っていましたが、今のところ、そういうものが全くありません。もうしばらくすると沸いてくるものでしょうか?自分には母性がないのかと少し心配になっています」
このようなお悩みに先輩ママたちは……?
母性が出てきたのは、生まれてから1カ月後
「私も1人目の時はそんな感じでした。まだ見もしないわが子に、赤ちゃん言葉でおなかに語りかけることはなかったです(笑)。ただ、胎動が出てくるとまた違うと思います。『お!なんだなんだ?』みたいに思うこと言ってみたり、『寒いからブランケットかけてあげるね~』とか言っていました。でも、本当に母性が出てきたのは産まれてからかな。しかも1カ月後くらい(笑)」
まだ会ってない“謎の生命体”
「ひどい言い方に聞こえるかもしれませんが、会ってもいない謎の生命体に、体調不良にされているのに母性なんてなかったです。産んで抱いているうちにあふれてくるので、心配しなくても大丈夫ですよ」
母性がなくても育てられる
「私も『母性って何?』というレベルです。なんだかんだやってるうちに1歳半になりました。言葉を話し始めて、日常に子どもがいることが当たり前になってきて、やっと少し母性が実感できた気がします。一緒に過ごす時間が長くなれば情もわくでしょうし、自分の感情にも変化が起きるので、焦ることはないと思いますよ」
「思うように子どもを可愛がれない」
また、子どもとすごす時間が苦痛というこんなお悩みも。
「私には母性があまりありません。子どもがインフルエンザになったら、子どもの心配より先に『仕事どうしよう』と考えてしまうし、休みの日に子どもと1対1になると苦痛で憂鬱になります。
もともと子どもは苦手ですが、やっと授かった子ども。可愛がろうと思っていますが、うまくいきません。夫には『まじめすぎるんだよ』『完璧主義なんだよ』と言われます。
カウンセリングにもかかりましたが、私が親に愛されてきた実感がないのも一因だと掘り下げられ、腑に落ちました。同じような悩みをもつ方がいればアドバイスお願いします」
子どもとの距離感は人それぞれ
「私は親に愛されてないとは思わないですが、まじめなところがあって、正解を求める、ちゃんとやらないとダメだと思ってしまうところがあり、子どもが入園するまではしんどくて、帯状疱疹になったりもしました。でも、子どもと自分(母親)の距離感って、いろいろだと思うんですよね。
うまく付き合える距離感で、楽しく過ごせたらいいのかなぁと思うようになり、少し楽になりました。楽しく遊んであげられる時間集中して遊ぶけど、土曜日は半日習い事に行ってもらっちゃうとかでも良いと思います」
子どもの良き理解者に
「“母性の多少”と“子育ての質”って一致するとは限らないのではないでしょうか。私は母親と言う人種が嫌いな母親でした。子どもからママやお母さんと呼ばれるのも嫌でした。それでも子どもは育ち、すでに社会人になっていますが、ふつうに仲の良い親子ではないかと思います。お子さんがもう少し大きくなったら良き理解者になればいいのでは? それも愛情だと思うし、いずれお子さんも理解してくれるのではないかと思います」
イライラだんだん減りました
「私も母性が足りない方だと思います。お菓子作りが好きで、子どもによく作ってあげます。でもそれは、子どものためだけでなく自分も食べたいからです。お弁当もキャラ弁をよく作りましたが、それも写真を撮って記録したかったから。今思い返せば、子どもと24時間一緒だった幼稚園に上がる前までが一番大変でした。『ママー』って言われると、いちいちイライラしていた時期もありました。今は『お母さん』って呼ばれる回数は減り、けっこう寂しいものです。これからは1年1年、楽になっていきますよ。そんなに気負わないでください」
『こうしなきゃいけない』と自分を縛らない
「結局、今となっては“盛大な独り相撲”だった感じです。こうしなきゃいけない→でもできない→なんで?→原因わかった→対策した→やっぱりできない、この無限ループです。でも、時間が経ってみたら、そもそも最初の『こうしなきゃいけない』がもう間違っていたと思います。“可愛がらなきゃいけない”とか、少しでも育児をキツイと思うと“母性がない”“母親失格”という、その前提そのものを疑ってみてもよさそうです。
ラクに育児できる人って多分、自分を許す幅がすごく広いんだと思う。自分を縛るルールがない。私も子どもが大きくなるにつれて、ちょっとずつ縛りがなくなって、2人目が生まれたら完全にキャパ越えで、自分の中の縛りがなくなりました(笑)」
母性がわかずに悩んだときは、肩の力を抜いて、そんな自分も認めてあげると少し楽になったという先輩ママのアドバイスが目立ちました。周りと自分を比べて“母性がなければ母親失格”と自分で自分を縛り付けて苦しんでいるのかもしれませんが、母性=愛情というわけではなさそうです。それぞれの親子に合った愛情のかたちを見つけて、それを大切に育んでいきましょう。
(文・清川優美)
■文中のコメントは、『ウィメンズパーク』の投稿を再編集したものです