危険サイン 気になる「出血」「破水」「おなかの張り・痛み」Q&A
妊娠中に起こる「おなかの張り・痛み」「出血」「37週未満の破水」などのトラブルは、危険が迫っているという、おなかの赤ちゃんからのサインであることも。よくあるケース別の対処法をQ&A方式で紹介します。
おなかの張り・痛み
おなかの張りは、子宮の収縮によって起こります。「子宮がキューッとかたくなる」「おなかの中で風船をふくらませた感じ」「痛みがある」などが特徴です。
30分ほど安静にして治るようであれば生理的な張りですが、妊娠37週未満で「強い」「数分おきに感じる」ような張りは陣痛につながることがあり、流産・早産になってしまう恐れがあります。
Q1 出血や破水などはないけれど、張りや痛みがつらい!
A1 出血や破水がなければ、基本的に産院への連絡は不要。しかし耐えられないほどの張りや痛みであれば、産院へ連絡をして相談しましょう。
Q2 張り・痛みは治まったけれど、どうしたらいい?
A2 痛みが引いている間に、家事などを済ませましょう。気構えしすぎず、普段どおりリラックスして過ごして。
出血
量が多く、鮮血の場合は、切迫流産(せっぱくりゅうざん)や切迫早産(せっぱくそうざん)、常位胎盤早期剝離(じょういたいばんそうきはくり)の可能性が高く、一刻も早い対処が必要です。出血が少量でも、ピンク色や赤褐色で、おなかの張りなどの症状があるときは、切迫流産、切迫早産の疑いが。
妊娠37週以降の少量の出血は“おしるし”といって、お産の予兆の場合も。いずれにせよ出血したら自己判断せずに、必ず産院に連絡して。
Q3 38週に内診後、少量の出血が…
A3 内診の刺激で出血することがあります。人工的なおしるしですので、少量なら心配なし。出血量が増えないかどうか様子を見ましょう。
Q4 36週のときに出血が!
A4 37週未満の出血は、少量であっても注意が必要です。切迫早産や常位胎盤早期剝離の可能性があるので産院に連絡をしましょう。
Q5 ピンク色の水っぽいおりものが…
A5 薄いピンク色の液体が出た、またはダラダラ出続けるときなどは破水の可能性があります。すぐに産院に連絡して、検査を受けましょう。
Q6 37週未満の破水
A6 破水は「バシャ」といった量があるものから、卵膜(らんまく)の小さな穴から「チョロッ」と出てくるものもあります。尿もれなのか破水なのか、判断が難しい場合は産院へ連絡しましょう。
産院で診察すればpHの測定などで破水か否かわかります。「この前行ったばかりだし…」などの遠慮は不要。赤ちゃんを守るためなら、産院に何度問い合わせてもOK。
Q7 尿もれか破水かわからない
A7 判断は難しいですが、見極めるポイントは、液体の流出が継続するかどうか。何度も続く場合は破水の可能性が高いかもしれません。
Q8 破水のようだけど量が少なくて止まった
A8 量は個人差があるので、たとえ少量でも破水の可能性はあります。また、止まったと感じてもまた出ることもあるので、生理用ナプキンを当てて、念のため放置せず、産院に連絡しておくのが◎。
監修/中川一平 先生 文/たまごクラブ編集部)
妊娠経過が順調でも、危険な症状はある日突然、起こる可能性が! 「自分は大丈夫だろう」と過信しないで、体の変化に敏感になって。これが、赤ちゃんを守る第一歩になります。
参考/「たまごクラブ」2020年9月号「おなかの張り・痛み 出血 破水 頭痛 胎動の減少 嘔吐(おうと) 新型コロナウイルス感染症 行動マニュアル」
中川一平 先生
Profile
帝京大学医学部附属病院 総合周産期母子医療センター 産婦人科 助手。