パパ必読! 妻を産後うつから守るためにしてほしい4つのこと【専門家医】
妊娠中や産後、妻の心は不安定になりやすいとき。こじらせて「うつ病」を発症してしまう場合もあります。妻が精神的に不安定になってしまったら、まず、いちばん身近にいるパパが異変に気づいてあげたいもの。周産期メンタルヘルス研究にも熱心で、産後うつなどの周産期カウンセリングも行っている、「白金高輪海老根ウィメンズクリニック」院長の海老根真由美先生に、パパが気をつけてほしいことを教えてもらいました。
妊娠中~産後のママは心が不安定になりやすい状態です
妊娠中は体調の変化がある上に、胎児の成長のこと、今後の出産・育児・働き方に対する不安など、心配ごとも増えるとき。これまでできていたことができなくなることへのストレスを感じる人もいます。
そして、赤ちゃんが生まれると、妊娠中に増えた女性ホルモンが一気に減少するため、心身のバランスが崩れやすくなります。その上、慣れない育児への不安や緊張、眠れない環境、疲労の蓄積など、さまざまな要因が重なることで、イライラしたり落ち込んだり、精神的に不安定に。この状態を「マタニティブルーズ」といい、産後多くのママが経験をします。
でも、中には、妊娠中や産後に「うつ病」を発症してしまう人も。うつ病は重症化すると、無気力になったり、判断力がにぶったりして、「死にたい」という願望まで出てしまう怖い病気です。
発見が遅れがちなので、パパが気をつけて見てあげて!
うつ病になると、何をするにもやる気が出ず家にこもりがちになりますが、妊娠中や産後は外に出る機会が減ることから、発見が遅れてしまうことも。
だからこそ、いちばん身近にいるパパがふだんから妻の精神面を支え、ちょっとした異変に気づいてあげてほしいのです!
「大変だね、ありがとう」というパパからの言葉でママは救われる!
パパ自身も、仕事が忙しくママをサポートする余裕がないときもあるかもしれません。でも、「大変だね、いつも頑張ってくれてありがとう」という言葉だけでも救われることがあるので、なるべくママの話に耳を傾けて、感謝の言葉を口に出して伝えるようにしましょう。
また、産後、妻は常に赤ちゃんのことを最優先する生活になるので、週に数時間でもいいので、妻が1人になってリフレッシュできる時間をつくってあげてください。
妊娠中~産後の妻を、パパはこうしてサポートしよう!
妊娠中~産後の妻の負担やストレスを解消するために、パパにぜひやってほしいことをまとめてみました。できることから実践してみて。
妻の話をよく聞く
コロナ禍ということもあり、妻は愚痴を吐き出したり、気がかりを相談したりする機会が減っていることも。妻が話したそうにしているときは、なるべくつき合い、「そうだよね」などと共感をしたり、「大変な中頑張ってくれてありがとう」などと感謝の言葉を伝えるようにしましょう。
妻の“やりたい”を一緒に
コロナ禍で活動に制限があり、ストレスがたまっていることも。妻の“やりたい”で実現可能なことはなるべくつき合ってあげて。仕事の帰りに妻が食べたがっていたものを買って帰る、休みの日は一緒に散歩をするなど、できることをやってみて。
妻に1人の時間をつくる
産後、妻は赤ちゃんのお世話が最優先になり、自分のことは後回しの状態が続きます。なるべく、家にいるときは積極的に赤ちゃんの面倒を見て、1時間でもいいので、妻が1人でリフレッシュできる時間をつくってあげて。
妻に感謝やねぎらいを忘れない
産後、妻はまだお産のダメージが残っている状態で家事・育児をしています。たとえ、パパが多く分担していたとしても、まずは、産後大変な妻をねぎらい、ささいなことでも「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。
イラスト/德丸ゆう 取材・文/渡辺有紀子、たまごクラブ編集部
「妊娠中~産後の女性は、生活が一変し、これまで普通にできていたことができなくなるというストレスもあります。パパたちには、妻が”自分らしさ“をとり戻す時間もぜひつくってあげてほしいです」と海老根先生。パパも余裕がないときもあるかもしれませんが、できるだけ妻のことを気にかけてあげてくださいね。
参考/『たまごクラブ』2021年5月号「妊娠中、心が不安定になったら…」
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