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産後うつを経験したママがオンライン交流サイトを立ち上げた理由

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年々増えているといわれる産後うつ。新型コロナウイルス拡大での影響でさらに増えるという懸念もある中、自身の産後うつの経験からその予防のための子育てコミュニティーを立ち上げたママがいます。ひよこクラブがその上条厚子さんに産後うつの体験と今の活動について聞きました。

受診した2つの病院に心療内科をすすめられて

「産後うつ、と心療内科の医師から診断されたとき、2人の娘は7才と2才でした。まったく無自覚だったので、強い衝撃を受けました」と語るのは、ママ向けオンライン子育てコミュニティーを主宰する上条厚子さん。
上の写真は5年前の上条さん。この3カ月後、産後うつと診断されます。

「過活動膀胱(ぼうこう)と不安神経症の症状があり、それぞれ検査をしたのですが、異常はありませんでした。そこで、強いストレスがかかっているのでは、と泌尿器科と呼吸器科の医師それぞれに診療内科の受診をすすめられました。すると、ストレスの原因は育児…。

下の子を出産してからは、たしかに寝不足で疲れていましたし、やる気が出なくて部屋は荒れ、下の子の泣き声にいつもイライラしていました。とくに私は泣き声が苦手で、泣かれると頭がおかしくなりそうになっていました」(上条さん)。

精神のバランスを崩しかけていた上条さんですが、これくらい母親なら当たり前、みんなも同じ、と思い込んでいたために、「無自覚」で過ごしていたと言います。そのため、周囲にも相談せず、孤立を深めていった結果、体調不良としてあらわれたのです。
しかし、そのころ、上条さんに転機が訪れます。

「次女がプレ幼稚園に通うようになり、日中1人の時間がとれるようになったんです。もともと化粧品販売の営業をしていたので自宅でエステサロンを始めようと、いろいろ情報収集しているうちに、たくさんのママと交流することができました。

そこには、私の知らない世界があったのです。子どもがいても、自分がしたいことを実現しているママがたくさんいて、自分はすごく偏った価値観の中で暮らしているんだ、ということに気づきました」(上条さん)

産後うつの原因は「情報弱者」だったからかも

上条さんの場合、いろいろな価値観のママたちと交流をするうちに自然と産後うつはなおっていったと言います。

「自分が産後うつになったいちばんの原因は、情報がなく、偏った価値観しか知らず視野が狭かったからだったと思います。いわゆる、情報弱者だったのです。

住んでいた地域は昭和の育児が色濃く残る地域で、同世代のママも、母親が自己犠牲を払うのは当然、という人が多かったと思います。

きっと私のような人はまだまだたくさんいるはず。そう強く感じ、情報弱者を減らせば産後うつに悩む人を減らせる、と思いました」(上条さん)

ママである自分と、大人の女性としての自分を大切に

「情報弱者を減らしたい…」という上条さんの思いから生まれたのがオンライン子育てコミュニティーサイト「#ママバラ(ママライフバランス)」です。

「私はまだ産後うつが軽症のときに、多くのママと交流できたことで復調することができました。でも、その機会がないままうつの症状が悪化して、虐待やママの自死など悲しい結末につながることもあると思うのです。

ちょっと疲れた、つらい、という産後うつの入り口に無自覚でいるママたちに、自分の不安をうちあけたり、いろいろなママの実体験を聞いたり、という同じ境遇のママ同士がゆるく“つながる”場所を提供したい、わが子のためについ頑張りすぎてしまうママの力になりたい、という思いで活動しています」(上条さん)。

参加するママからは「家族以外の大人と話せるのは久しぶり」「みんなはどうしてるの?と気軽に聞ける場所が欲しかった」という、喜びの声が届いていると言います。

「母親業はとてもすてきな仕事。でも、母親としてがまんを続けすぎると、昔の私のように、知らずうちに自分のバランスを崩していることがあります。もともと自分が持っていた個性や女性としての人生も大切にしながら、ママライフも楽しむことで、産後うつは予防できる、と思っています」(上条さん)。

お話/上条厚子さん 取材・文/岩崎緑、ひよこクラブ編集部

育児にも広い視野が必要、という上条さんのお話が印象に残りました。産後うつの大きな原因は孤立ですが、ひきこもりになりがちな昨今。オープンな気持ちでいろいろなママと交流できる機会を探ってみてはいかがでしょうか。


●『♯ママバラ』
0才~高校生のお子さんを持つママ向けオンライン子育てコミュニティーサイト。今年の10月には「つながるに加えて「読む」と「学ぶ」のコンテンツを追加、リニューアルされました。申し込みは公式HPから。

ママライフバランス

上条厚子さん(かみじょうあつこ)

Profile
ママライフバランス株式会社・代表取締役。7才と12才のお子さんのママ。2018年に母親向けオンラインコミュニティーサイトを立ち上げ、産後うつ予防のために日々活動中。

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