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コロナ禍で育つ赤ちゃんへの影響 大人の顔が区別できない!?【専門家】

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国内で初めて新型コロナウイルスの感染が確認されて1年以上がたち、マスク着用の習慣は当たり前となっています。周囲の大人がマスクをしていることで、赤ちゃんの発達にはどのような影響が考えられるか取材しました。

日本人の赤ちゃんはママの目元に注目している

「新しい生活様式」が提言されてから生活にマスクが必須となっています。欧米に比べてマスクへの抵抗感がそれほどない日本では、毎日マスクを着用する人は多いでしょう。

ママやパパ、保育士さんなどがずっとマスクをつけていると、赤ちゃんに影響はあるのかな、と心配になります。赤ちゃんの視力や認知発達を研究している、中央大学文学部心理学研究室教授の山口真美先生に話を聞きました。

「近年の研究から、東アジア人の表情は目元、欧米人の表情は口元に出やすく、相手の表情を見るときも、東アジア人は目元、欧米人は口元に注目することがわかってきています。日本のママやパパは赤ちゃんに話しかけるとき、口元を大げさに動かすというより、ニコニコとほほ笑みかけることが多いでしょう。

生後7カ月の日本人とイギリス人の赤ちゃんが、お母さんの表情のどこをよく見るかを、視線の向きを追うアイトラッカーという装置を使って調べました。すると、日本人は目元、イギリス人は口元に注目しているということがわかりました。お母さんの表情の特徴が表れる場所をよく見ているんですね。

実は生後6カ月ごろまでの赤ちゃんは人以外の猿や羊の顔も区別でき、さまざまな言語もヒアリングする能力を持っています。ところが10カ月くらいになると自国の文化に適応するためこのような特性は消えていきます(知覚的狭小化)。赤ちゃんは大人の世界を学習して、周囲の環境に適応しようとしているんです」

マスクの習慣化で大人の顔を区別できなくなる可能性も

日本人の赤ちゃんはママやパパの目元を見ることが多いからといって、マスクをしていても安心ということではないそうです。

「赤ちゃんは新生児のころから『トップヘビー』という両目と口の逆三角形に反応し、一生懸命見ようとする特性があります。何度もトップヘビーの形を見ることでお母さんの顔を学習し、記憶します。

ところが、マスクをすると口が隠れてしまいますよね。生まれたばかりの赤ちゃんにとって、周囲がマスク顔ばかりだと、顔が見つけられなくて困ってしまう可能性があります。新型コロナが落ち着きマスクをはずす生活に戻ったときに、なかなか顔が覚えられなくなるなどの影響は心配です」

マスクは言語獲得に影響するのか?

また、顔を認識できないこと以外に、言語発達にも影響するのでは、という懸念もあるそうです。

「言語獲得の時期、つまりこれから言葉を発するくらいの1才半〜2才ごろの赤ちゃんは、話す相手の口元を見て学習しています。口元の動きを見ると同時に音声を耳にして、言語を学習しているんです。ということはマスクで口元を隠すことは、言葉の遅れに影響を与える可能性があります」

お話・監修/山口真美先生
イラスト/福士陽香 文/早川奈緒子、ひよこクラブ編集部

大人と違って、赤ちゃんにとっての1年はたくさんのことを学ぶとっても大切な1年だといわれます。一度しかない大事な時期だからこそ、ママやパパなど身近な大人は、感染対策をしっかりしながら、できるだけおうちではマスクをはずしてかかわりましょう。

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