「遊具で遊ばない…」「ママ・パパからは離れない」公園遊び こんなときどうすれば?【3児のママ小児科医】


3児を子育て中のママ小児科医・藤井明子先生が、診療の中でママ・パパたちから寄せられたお悩みについてのアドバイスや、日々の子育てを頑張っているママ・パパに伝えたいさまざまな情報を発信している連載です。第19回は、「公園遊び」をテーマにお届けします。
「公園に行くと遊んでくれない」というママ・パパからの相談
ようやく靴を履いて外を歩くことができるようになり、期待して近所の公園まで連れて行ったのに、遊んでくれない。これは、1才6カ月~3才ごろの子どもがいるママ・パパたちからよく聞かれる相談です。
だれもいない公園だとのびのびと楽しそうに遊ぶのに、ほかの親子が現れたとたんに、ママ・パパから離れられないということもあります。離れられないだけでなく、公園から帰りたがる子もいます。一方で、ほかの親子がいてもいなくても、のびのびと遊ぶ子もいます。せっかく公園に来たのに遊ばない姿を見ると、残念に思うこともあるかもしれません。
ママ・パパと離れられないときの子どもはどんな様子でしょうか。ママ・パパに抱っこされながら、ほかの親子が遊ぶ様子を見たり、景色を見るだけで楽しんでいたりすることもあります。その場合は、子どもが見ている景色を一緒に楽しんでみてはどうでしょうか。目の前にある景色を実況中継する形でもいいので、言葉にして伝えてみると、さらにいいと思います。抱っこと言葉かけで安心することで、公園で過ごす時間が楽しいものになっていくと思います。
一方で、公園に来ると、ほかの子どもたちの声や走るスピード、視線などを気にして動けなくなる子どももいます。抱っこをしていても、帰りたがるかもしれません。そういう場合には、無理をせずに、公園がすいている時間などに来て、まわりの環境が変わると慣れていくのかどうかを見ていきましょう。最初はだれもいない公園でないと遊べなかったとしても、少人数なら大丈夫、小さい子どもたちなら大丈夫と、子どもが安心できるペースで慣らしていけるといいと思います。
「子どもが遊んでくれない」と残念に思う自分たちを責めないで
相談を受けたときはお話をじっくり聞いて、「子どものペースを見守りましょう」と伝えていますが、「のびのび遊んでほしい」というのがママ・パパの素直な気持ちだということも伝わってきます。親だからこそ、子どものペースを見守りたいけれど、見守れないときがあるのもよくわかります。
「『のびのび遊んでほしい』というのは期待しすぎなのでしょうか」と質問されることもあります。確かに、過度の期待はしてほしくないですが、ママ・パパが自分たちの素直な気持ちを否定したり、自分たちを責めたりする必要はありません。ママ・パパにも考えやペースがあると思うからです。
時には、「ママ(パパ)はこう思ったよ」と、言葉にして子どもに伝えてもいいと思います。それで子どもがママ・パパのイメージ通りの行動をとるかどうかは別の問題であるということは理解しておきたいものです。
子どものペースを見守りながら、ママ・パパ自身の考えやペースも大切にし、公園遊びの時間がお互いに楽しいものになることを願っています。
文・監修/藤井明子先生 構成/ひよこクラブ編集部
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