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アイドルグループ誕生!? 新しい雑誌の創刊ビジュアル 「たまひよ6」が生まれるまで――千原徹也さん(れもんらいふ)インタビュー

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創刊29周年を迎えた「たまごクラブ」「ひよこクラブ」は2022年4月、妊娠期3誌+育児期3誌の計6冊の雑誌に生まれ変わります。その新創刊のポスターなどビジュアルを担当したのが、今最も注目を集めているアートディレクター、れもんらいふ代表の千原徹也さんです。3人のお子さんのパパでもある千原さんに、前編では新創刊ビジュアル制作の裏側や、仕事への考え方を、たまひよ編集統括ディレクターの米谷明子が聞きました。

人気アートディレクターも驚いた、攻めの6冊新創刊

米谷:たまひよにとって「赤ちゃん」と「かわいい」は絶対に外せないキーワードです。新創刊のプロモ―ションを考えたとき、数々のかわいいアートディレクションを手掛けているれもんらいふさんなら「れもんらいふのかわいい」×「赤ちゃんのかわいい」の相乗効果で最上級のかわいいになるのでは?と、千原さんにお願いしました。

千原さん(以下敬称略):赤ちゃんはデザインしたことがないジャンルでした。れもんらいふは、かわいいをベースにデザインをしていますし、かわいいかどうかを基準に物事を選ぶところもあって。初めてのジャンルだったけれど、僕らがしてきたことが活かせるんじゃないかなと思いました。

米谷:千原さんの著書『これはデザインではない「勝てない」僕の人生〈徹〉学』にも書かれていますが、かわいいの持つ力をどうお考えですか?

千原:広告は美しいとか、抜けがいい、シズル感など、いろいろな目的に向かって制作しますが、人が直感的にいいと感じるものは「かわいい」だと信じています。そしてかわいいがあると、クリエイティブが身近に感じられます。距離が近くなる。だから、れもんらいふのデザインには必ずかわいさを取り入れています。

千原さんが手がけた「たまひよ6」のビジュアル

米谷:今回たまひよは、妊娠してから1才代までの約1000日間を6つの時期に分けた雑誌に生まれ変わります。6冊になると聞いたとき、どう思われましたか?

千原:おもしろい!と思いました。10年くらい前、雑誌って今の3倍くらいの数がありましたよね。雑誌が減っていく中、2誌から6誌に増やすのは単純にすごい話だな、と。想像できなかったし、この時代に真逆の精神で(笑)。僕自身、子どもがいて、妻とたまひよを読んでいましたが、6冊になることでお母さんお父さんは本当に使い勝手がよくなると思います。今みんなYouTubeをするじゃないですか。みんながYouTubeをしているからやるんじゃなくて、「違うものを見つけられる」のが「新しいことをできる人」。新しいことって、メジャーの逆をいかに発想するかってことですから。

米谷:日本は少子化のうえ、コロナ禍でその傾向が加速しています。そんな中で6誌のリニューアル創刊は各所からすごい!とびっくりされました(笑)。

千原:少子化って、若い世代より高齢者が多い逆ピラミッド型になるのがよくないってことですよね。政治的にはそうかもしれないけど、子どもの教育だけ見れば、少数の方がいいと思うんですよ。僕は1学年8クラス、しかも1クラスに40人も50人もいる団塊ジュニア世代です。あの人数の生徒を担任一人では見られないですよ(笑)。自分に置き換えると、れもんらいふは社員10人くらいですけど、これ以上増えたら、全員の将来まで考えて見ていくのなんて無理です。うちの子どもが通う小学校は全校生徒が100人くらいで、1学年10数人です。1学年1クラスで、6年間同じメンバー。先生もずっと一緒で、いい意味で濃い。そのくらいの人数だと先生もしっかり子どもに向き合えると思います。教育って人生でとても大事じゃないですか。だからその点では少数の方がいいような気がする。

米谷:少子化を憂うばかりではなく、いい部分にも目を向けるということですね。

千原:そんなに悪いことばかりではないんじゃないかな。

米谷:生まれてくる赤ちゃん一人一人を手厚く迎えたいですよね。そういう思いは新創刊のテーマにも反映しています。最近、自己肯定感という言葉をよく耳にします。今回「おめでとう」をテーマにしたのは、誕生と成長をちゃんと祝福されることが最初の肯定なのかな、と考えたからです。

千原:人間が誕生するのは「おめでとう」だけでは言い表せないくらい大きなこと。人それぞれ言葉はあると思いますが、僕が親になったときは「ありがとう」の気持ちもあったし。「おめでとう」と言われてうれしかった。当たり前だけど、言葉や態度で示すのは大事です。

6冊になるたまひよを、6人の赤ちゃんでキャッチーに表現

米谷:プロモーションのキービジュアルは「たまひよ6(シックス)」というコピーと6人の赤ちゃんです。このアイデアが出たいきさつを教えてください。

千原:僕は新商品に関わるときにはネーミングとロゴを最初に作ります。そうするとその商品に対する関係者の理解が深まって、みんな同じ旗のもとに向かっていけるんです。象徴としての名前をすごく重視しています。しかも音として言いやすくて、愛称っぽい名前がいい。そんな名前だと世の中の人とも意思統一がしやすい気がします。

米谷:「たまひよ6」というコピーに衝撃を受けました。すごくシンプルな発想で意外でした。未来に向けてとか、祝福とか、よりママとパパにフィットした内容とか、雑誌を制作する私にはいろんな思いがあって頭でっかちになっていたけれど、原点に戻してもらえました。

千原:すごく長いコンセプトこそ端的に伝えないと、いつの間にか相手と方向性がずれていくことってありませんか? たまひよが6冊になる、僕が最初に衝撃を受けた部分に立ち戻る意味で「たまひよ6」というメインコピーが決まりました。

プロモーション撮影時の様子

米谷:ビジュアルは6人の赤ちゃんで「6」の形を作っています。

千原:たまひよが6冊になることをキャッチーに表現するとみなさんも手に取りやすいかなと思って。赤ちゃんの雑誌が6冊になるから、6人の赤ちゃんを起用する。ここまではどのデザイナーも早い段階で考えます。商品を追って、調べて、考えていくとキーワードが必ず見つかります。そのキーワードにはみんなたどり着くから、デザインの仕事って到達点は同じになりがちなんです。キーワードをテーマにするのは正解ではあるけれど、れもんらいふにとっては不正解。今回は6人の赤ちゃんがいるのは第1段階での正解。そこからいかに印象づけるか、たまひよと千原徹也が掛け算したらどうなるのかっていうのを突き詰めると、「6」の形になりました。6人いるところまでは行けても、6の形にするにはもう一段階必要で、そこがれもんらいふらしさかなと思います。

米谷:撮影現場ではみんなが自然と笑顔になりました。千原さんは6人の赤ちゃんとママそれぞれに話しかけていましたね。

千原:撮影中の僕は監督の立場で、空気をよくするのが仕事。今回、モデルの赤ちゃんを抱っこしながら出番まで待つお母さんって、いろんな不安があったと思うんです。急に泣き叫ばないかな、うんちしないかな、とか。少しでもリラックスしてほしくて、お母さんたちには積極的に話しかけていました。

米谷:スタイリングは、東京事変やきゃりーぱみゅぱみゅさんの衣装も手掛ける飯嶋久美子さんに担当いただきました。

千原:色や光沢感、サイズ感など、飯嶋さんと話し合って、6人の赤ちゃんに新しいコスチュームを制作してもらいました。飯嶋さんはさらにアイデアを膨らませて、それぞれの衣装の襟元にひよことたまごの刺しゅうをしてくれています。飯嶋さんもお母さんなので、「懐かしくて、うれしくなっちゃって」と徹夜で刺しゅうしたと言っていました。

米谷:ふだんはファッションのお仕事が多いれもんらいふの若い女性たちと、たまひよのスタッフが一緒に撮影現場を仕切ったのもおもしろかったです。

千原:若い未婚のスタッフばかりですが「赤ちゃん、かわいい」と言っていましたし、楽しかったみたいです。

「たまひよ6」が誕生した撮影現場

米谷:泣いたり、笑ったり、様々な表情の赤ちゃんのビジュアルは圧巻です。お揃いのカラフルな衣装を身に着けた赤ちゃんは、かわいくて、クスっと笑ってしまう、ちょっと脱力系な印象もありますよね。見た人にはどんな風に思ってもらいたいですか?

千原:それぞれ自由に「かわいい」を感じてもらえれば。

米谷:思わず自分の子どもや、友人の子どもに似た赤ちゃんを探したくなります。人によっては、自分が赤ちゃんのときに似ているとか、同僚のあの人に似ているとか、いろんな見方ができますね。

千原:赤ちゃんたちのかわいさを身近に感じてほしいと、僕が育児で感じたことを表現した部分はあります。このビジュアルを通して、「たまひよ6」が話題になってほしいですね。余談ですが、たまひよの撮影前日と翌日が、それぞれアイドルグループの撮影でした。撮り方が同じだったせいか、撮影中の赤ちゃんたちが6人組アイドルグループのように思えてきて。「たまひよ6」って6人組アイドルグループが生まれた気がしました(笑)。

たまひよ 新創刊「たまひよ6」特設サイト

▼たまひよ 新創刊「たまひよ6」special movie

後編では千原さんご自身の子育てについて聞いています。近日公開予定です。お楽しみに。

PROFILE

千原徹也
アートディレクター/株式会社れもんらいふ代表
広告、ブランディング、CDジャケット、装丁、雑誌エディトリアル、ドラマ、CMなど、アートディレクションするジャンルは様々。 その他に、テレビ東京 水ドラ25「東京デザインが生まれる日」監督、「勝手にサザンDAY」企画主催、J-WAVE「Lypo-C DESIGN ENERGY」ナビゲーター、東京応援ロゴ「KISS,TOKYO」発起人、富士吉田市×れもんらいふのコミュニティ「喫茶檸檬」運営など、活動は多岐に渡る。 れもんらいふは2022年、新たな展開として映画制作を進めている。 https://lemonlife.jp/

撮影/柳原久子(water fish)
文/津島千佳


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