卒乳してもおっぱいを触ってくる子ども。そんな時はどうするのがいいの?【ママ泌尿器科医】


ママであり泌尿器科医でもある岡田百合香先生の連載第27回。今回のテーマは、子どもがおっぱいを触ってくるときの対応について。体調や気分によって触ってほしくないとき、どんなふうに子どもに伝えるべき?「お母さんのためのおちんちん講座」ママ泌尿器科医#27です。
子どもにおっぱいを触らせてあげる?それとも断る?
以前、「ママのためのおちんちん講座」に参加したママたちと「卒乳した息子がおっぱいを触ってくる」ときの対応について話が盛り上がりました。
「母乳を飲むのをやめる=おっぱいへの興味をなくす」ではないんですよね。
息子は2才で授乳をやめましたが、その後も寝るときや寂しいとき、甘えたいときなど、日常的におっぱいを触っていました。娘が生まれてからは、授乳シーンを目にすることが増えたからか、おっぱい熱が再燃。スキをねらって触ろうとしたり、偶然当たっちゃった風を装ってタッチを試みたり(笑)
ママたちの対応も「自分でやめるときが来るまで、好きなだけ触らせてあげる」「3才過ぎたころから、触られるのが生理的に嫌だと感じるようになって、ビシッとお断りしてる」などさまざま。
模範解答というわけではありませんが、参考までにわが家での対応を紹介します。
触りたいときはママにも「いい?」と聞いてから
名づけて「プライベートゾーン理論」作戦。わが家では、息子が3才になったころから、「プライベートゾーン」について教え始めました。
プライベートゾーンは、自分だけの大切な場所で、
・触る前に「触っていいか」を言葉で確認する必要があること
・触らせるかどうかは自分が決めていいこと
・嫌なときは「嫌」って言っていいこと
を伝え、家庭内で実践することも大事にしています。
私が身体を洗うのを手伝うときや、トイレでおしりをふくときなども「お手伝いするから、プライベートゾーン触っていいかな?」と聞くよう意識していますし、
早く着替えさせたいときなども無理やり下着を脱がせたりはしません(極力)。
同様に、息子が私のおしりや胸を勝手に触ろうとするときには、「あれ?そこはママのプライベートゾーンなんですけど…」と言って、同意を取るよう促します。
そのかいあって、おっぱいを触りたいときは「おっぱい触らせて」「触ってもいい?」と聞いてきます。
ママが触られたくないときは断っても大丈夫
さて、それに対してどう答えるか。
今日は触られたくないなというときには、「今日は触ってほしくないから嫌だよ」と断るし、ちょっとならいいかなというときは「少しならいいよ」と言います。
「子どもからの触りたいという要求を断るなんて、かわいそう・・・」と思う方もいるかもしれません。
親子のスキンシップは大切ですが、親だからといって子どもの欲求にすべて応えなくてはいけないわけではありません。胸(乳首)は大好きな子どもからであっても「触られると嫌な感じ」がすることもありますよね。
プライベートゾーンを触らせるかどうかの決定権はいつだって自分にあります。嫌なときは相手が子どもであっても「嫌」と言って大丈夫です。また、「触られるのが嫌だからといって、あなたのことが嫌いというわけではないよ」というメッセージを同時に伝えることも大切。
「今日はおっぱいは触ってほしくないけど、代わりに手をつなぐのはどうかな?」
という代替案の提案もしてみてください。
「OKな日とダメな日があると子どもが混乱するのでは・・・」という意見もあるかもしれません。ただ、恋人や夫婦など大人同士のスキンシップでも、「今日はなんか触られたくない」というときってありますよね。
「同じ関係同士でも、触っていいときもあれば嫌なときもある」という至極当たり前のことなので、日によって回答が違っても全然問題ありません。
触ることは否定せず、相手の同意が得られればOK
そもそも、「おっぱいを触りたい」という欲求自体は、悪いことでも恥ずかしいことでもありません。大人も、やわらかくてふわふわしたものを触ると、何だか癒やされたり幸せな気持ちになります。赤ちゃんのおしりなんて、ずっと触っていたい・・・。
なので、「赤ちゃんじゃないんだから」「もう〇歳なのに、恥ずかしいよ」と、触ることをNG指定するのではなく、あくまでも「プライベートゾーンだから、相手の同意が必要だよね」という考え方をベースにしてみてはいかがでしょう。
その上で、OKするのかしないのかは、触られる側のママが自由に決めればいいのです。親子でお互いのプライベートゾーンを尊重するやりとりを重ねることで、大人になってからの「性的同意」のベースをつくることにもつながると考えています。
構成/たまひよONLINE編集部
子どものことは大好きだけど、おっぱいを触られたくないときはあるもの。親子の間でもプライベートゾーンを尊重するやりとりが当たり前になると、自分の体も、相手の体も大事にする考え方が、自然と身につくのではないでしょうか。次回も子どもの性や、性器、排せつ、性教育など、ママ・パパが気になるお話をお届けします!お楽しみに。
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