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おむつはずれでもトイトレでもない“トイレチャレンジ”を提案。親が気をつけたい大切なことって?【ママ泌尿器科医】

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トイレトレーニング女の子
●写真はイメージです
yamasan/gettyimages

たまひよONLINEでも連載を持つ、泌尿器科医 岡田百合香先生は、「子どもがトイレで排せつできるようになるには、『本能』と『習慣』の両面を考えることが大事」と言います。4才の男の子と1才の女の子を育てるママでもある岡田先生に、子どもの排せつについて詳しく話を聞きました。

“トイレチャレンジ”という呼び方を提案したい

――幼児期の「おむつはずれ」や「トイレトレーニング」について、泌尿器科医である岡田先生はどのように考えていますか?

岡田先生(以下敬称略) 排せつ自体は教えなくても生まれたときからできる「本能」ですが、トイレで排せつする「習慣」は教えられないとできません。子どもがトイレで排せつできるようになるためには、この「本能」と「習慣」の2つが大事だと考えています。本能だけに任せていてもトイレで排せつできませんし、習慣づけだけ頑張っても、排泄自体の内容である本能が追いつかなければ成立しません。

子どものおむつを取ることを「おむつはずれ」や「トイレトレーニング」と呼ぶことがあります。「トレーニング」という言葉だと、習慣をつけることのほうに重きを置くイメージがあり、うまくいかないとやり方が悪いとか、子どもや保護者に原因があるようなイメージになりやすいのかな、と感じています。また、「おむつはずれ」は、本能に重きを置いておむつが自然に取れるイメージですが、やはり習慣づけなしにはおむつは取れないと思うのです。
そこで、子どもの体の成長に合わせて、ダメでもともとのチャレンジをしてみるという考え方で“トイレチャレンジ”という言葉を使ってみるのはどうだろうと考えました。


――そもそも、子どもが自分の意志でおしっこができるようになるにはどのような発達段階があるのでしょうか。

岡田 まず、おしっこが出るしくみについて説明します。腎臓で作られた尿は、尿管を通って膀胱にたまり膀胱から尿道を経由して、体の外へ出されます。膀胱と尿道をつなぐ部分には尿道括約筋(かつやくきん)という筋肉があり、水道の蛇口のような役割をしています。大脳から「おしっこを出していいよ」と指令が出ると、膀胱が収縮し、尿道括約筋がゆるんで、尿が体の外に押し出されます。

このように膀胱で尿をためたり出したりする機能には、脳・神経・筋肉が緻密(ちみつ)に作用し合っています。さらに排尿には、自分ではコントロールできない自律神経や不随意筋(ふずいいきん)が関与しています。自律神経は自分の意志とは無関係に、体が自律的に調節する働きのこと。不随意筋は、心臓や膀胱のように、自分の意思で動かしたり止めたりできない筋肉で、自律神経によって調節されています。

一般的には2才半〜3才くらいに脳・神経・筋肉の準備が整います。それでようやく子どもは「おしっこがしたい感じ」を自覚して、「おしっこ、出る」と伝えられるようになり、少しならおしっこを我慢できるようになってきます。ただ発達は個人差が大きいので、“トイレチャレンジ”を始める時期は子どもそれぞれの状況に応じて考えましょう。

――男性のほうが尿道が長いから排尿間隔が長い、というようなことを聞いたことがありますが、本当ですか?

岡田 男性のほうが尿道が長いために、尿道括約筋の筋肉が分厚いんです。つまり、蛇口の締まり具合が強力というイメージです。なので女性のほうがくしゃみやせきなど膀胱に力がかかると尿がもれやすいといった違いはありますが、排尿間隔とは無関係です。
そのほかの排尿のしくみについては、男女での違いは基本的にはありません。また、子どもの場合は男女関係なく作られる尿の量に対して膀胱の容量が少ないので、おしっこの回数は多くなります。

排せつのことをしかると、子どもの自尊心に影響する

――“トイレチャレンジ”を始めるときに、親が気をつけることはどんなことでしょうか?

岡田 “トイレチャレンジ”をするときに、うまくいかなくても絶対にしかったり、感情的に怒ったりしないことが大切です。
私はトイレに限らず、子どもに何か新しい習慣を身につけさせるときや、社会で生きるために必要なことを教えるとき、2つの方法があると考えています。
1つは「これができるとこんなにいいことがあるよ」というポジティブな動機を伝える方法。もう1つは「これができないとこんなに怖いこと、困ることがあるよ」とネガティブな理由を伝える方法。

たとえば「道路に飛び出したらいけない」といった命にかかわるようなことは、「すごく痛くて死んじゃうこともあるよ」とネガティブな動機を伝えて、してはいけないことを教えます。ただ、“トイレチャレンジ”に関しては、ネガティブな動機で目標達成させるべきではないと思います。

――それはなぜでしょうか。

岡田 「おしっこがもれた」「うんちがトイレでできなかった」など排せつに関することを注意されたり怒られたりするのは、そのほかのことよりずっと子どもの心にダメージを与えることだと思います。なぜなら、注意されたり怒られたりしても、子どもにとってはコントロールができないし、どうしていいかわからないことだからです。子どもの努力ややる気のなさが原因でないことを責められたら、自尊心が低下するだけです。

また、排せつについてしかられたり怒られたりしてストレスになると、排せつ自立にも悪影響があるともいわれています。“トイレチャレンジ”を始めるときに「育児において、怒ったりイライラしたりしないことは不可能だけど、“トイレチャレンジ”についてだけは何がなんでも怒らないぞ!」と心に決めるといいんじゃないかな、と思います。私も実際そうしました。

“トイレチャレンジ”はダメでもともと!

――とはいえ、育児中は何かとイライラすることも多いし、何度も何度もパンツを洗うのも大変です・・・

岡田 そうですよね。私も子育てでは穏やかで優しくいたいと思いますが、とくに自分が疲れているときは、ついイライラしたり、子どもに強い言い方をしてしまうこともあります。“トイレチャレンジ”に関しては、洗濯物や掃除が増えるし、雨の日は乾かないし、実際のタスクが増えるイライラもあると思います。なんとか、便利アイテムで解消するとか、実務的な負担を減らす方法を考えたいですね。

多くの大人は自分が幼少期にトイレで排泄できるようになるまでの過程を覚えていません。大人を基準にして「できて当たり前のこと」と考えてしまうと、うまくいかないときに「なんでできないの!」って思ってしまうのかも。
たとえば、スイミングを習い始めた子に「なんで泳げないの!」って怒ることはないですよね。排泄も同じ。「できて当たり前」ではなく、「こんなに高度ですごいことにチャレンジしている最中なんだ」と保護者の排泄への意識を変えるだけで、あせりやイライラを感じにくくなるんじゃないでしょうか。

お話・監修/岡田百合香先生

取材・文/早川奈緒子、たまひよONLINE編集部

どんなことでも、何度も挑戦と失敗を繰り返して上手になるもの。それはトイレでの排せつも同じこと。「トイレでおしっこやうんちをする」ための子どものチャレンジを、温かく守ってあげたいものです。

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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