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赤ちゃんよりもスマホゲームに夢中なパパ…育児に支障が。効果的な伝え方とは?【専門家が解説】

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子供の世話をする人
Manmarumaki/gettyimages

パパに「赤ちゃんを見ていてね」と言ったら、赤ちゃんと遊ばずにスマホゲームをしていた!という経験があるママはいませんか?
または、逆のケースもあるかもしれません。スマホゲームが好きなことはいいのですが、子育てよりも優先してしまうのは困りもの。ゲーム依存は男性に多いということで、今回はパパのゲームに関して久里浜医療センターの名誉院長・樋口進先生に話を聞きました。

ゲームがパパとママのけんかの種になる

――「パパがスマホゲームに夢中で赤ちゃんと遊んでくれない」「泣いている赤ちゃんをほったらかしにして、パパはスマホゲームに熱中していた」というママの声を聞きます。
パパがゲームばかりして育児に支障をきたしている家庭は多いのでしょうか。

樋口先生(以下敬称略) ゲーム依存になるのは中・高校生の男の子が多く、20~40代の子育て世代の男性が受診するケースはごくわずかです。けれど、受診した男の子の父親がゲーム好きというケースが少なからずあります。ゲーム好きの父親が子どものゲーム依存を助長し、父親と母親がいつもけんかをしているというような家庭が想像できます。中には受診している子どもよりも父親のほうがゲームに依存しているというケースもありますが、なかなか父親のほうは受診に至らないのが現状です。

――ゲームに熱中しすぎて、赤ちゃんに注意が向かないということは考えられますか。

樋口 その可能性はありますね。アルコールやギャンブルも同じですが、ゲームは脳に快感やわくわく感を引き起こします。それが過剰になると依存という状態になるわけですが、快感やわくわく感には限度があります。だんだん感受性が鈍くなってくるのです。おそらくゲームだけではなくて、ほかの楽しいことに対しても鈍感になっていることが考えられます。ゲーム依存になるとネグレクト(育児放棄)を引き起こすことがあるのですが、子育ての楽しさや充実感にも影響するといえます。

「Iメッセージ」でポジティブに気持ちを伝える

――パパにスマホのゲームを少し控えてほしいとき、どのように伝えるのが効果的でしょうか。

樋口 よくある伝え方が「あなたはゲームをしすぎていて、育児をまったくやってくれない」というような、「あなたは」から始まる「YOUメッセージ」。この伝え方だと相手を責めることになり、話がネガティブな方向にしかいきません。
「私は」から始まる「Iメッセージ」にすると、自分の気持ちを率直に伝えられます。「私はゲームを控えてほしい」「私はゲームの時間の半分を育児に充ててくれるとうれしい」など、ポジティブに伝えるといいでしょう。「赤ちゃんのおむつを替えてくれてうれしい」など、父親の行動のポジティブな面を積極的に伝えていくことも効果的です。

――怒りの感情に任せてパパに伝えてしまいがちな人は、どうしたらいいでしょうか。

樋口 たまには感情的になるのも必要だと思います。けれど、いつも感情的だと話が前に進みません。相手も感情的に返してきますよね。本人の気持ちを変えていくには、冷静になって話をするのがいいのではないかと思います。
それと、くどくどと同じようなことを何度も繰り返すのではなく、できればわかりやすく簡潔に話したほうがいいでしょう。ゲーム依存の場合は1回言ったからといって、すぐにはやめないでしょうから、そこであきらめないで、何回も粘り強く話をしてみてください。

■パパへの効果的な伝え方■
・「Iメッセージ」で伝える
・簡潔に、わかりやすく話す
・ポジティブな行動を伝える
・感情をきちんと言葉に表す
・粘り強く何回も話をする

まずは地域の精神保健福祉センターで相談を

――パパが明らかにゲームに依存していて、受診をすすめたいときはどうしたらいいでしょうか。

樋口 受診に至るゲーム依存の20~40代男性が少ないことからもわかるように、実際に受診となるとかなりハードルが高いといえます。受診することはゲーム依存だと認めることになるので、強く抵抗されることが考えられます。すぐに受診が難しい場合は、地域の精神保健福祉センターで相談にのってもらうといいでしょう。
依存症患者を診ている病院で、家族専用のプログラムを行っているところがあります。久里浜医療センターでは「ネット依存家族ワークショップ」という名前で、家族向けに講義やアドバイスを行っていますので、このようなプログラムを利用する手もあります。

――実際にどのような治療が行われるのでしょうか。

樋口 受診すると強制入院させられたり、スマホやゲームを取りあげられたりするのではないかと思う人は多いのですが、そんなことはありません。よりよいスマホやゲームの使い方を一緒に考えていくのが治療の中心になります。
ゲーム依存の場合、心や体の健康が損なわれていることがあります。ゲーム依存と一緒に、それらの治療も行います。

ゲーム依存は、ゲームをする時間を自分でコントロールできない、生活の関心事や日常の活動よりもゲームを優先するという症状が1年以上続くことをいいます。症状が重い場合は1年以内でも診断されることがあります。心配な場合は、地域の精神保健福祉センターで相談してみましょう。

取材・文/一乗梓、たまひよONLINE編集部

お話・監修/樋口進先生

本来なら育児の楽しさや充実感は、ゲームの快感に勝るもの。家庭での過ごし方について気になることがあったら、まずはママ・パパが率直に話し合うことから始めてみるといいのかもしれません。

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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