~担当さんとの打ち合わせ(?)~その③ゲイバー【御手洗直子のコマダム日記 #151】
一大センセーションを巻き起こした「婚活コミック」著者、御手洗直子さんが結婚して2児の姉妹の母に。あいかわらずのつっこみどころ満載の日々、渾身のひとコママンガ&エッセイでお送りします。
「つっこみが止まらないコマダム日記」#151
今回は打ち合わせで行ったゲイバーにまつわるお話です。
田村由美と秋里和国を語る会
今はコロナでだいぶ少なくなってしまったが、編集さんと打ち合わせする際はファミレス等の飲食店ですることが多く不思議な所へ連れていってくれる担当さんも多かった。コロナ史よりはるか以前、15年以上前に取材と称してゲイバーに連れていってもらったことがある。行ったことないので行ってみましょう!とのことで、担当さん二人に都内のゲイバーに連れていってもらったのである。
そこは初見の女性客でもOKのお店で、いらっしゃいませ~ゲイバー初めてなんですね~。という会話からお仕事どうですか?等、あたりさわりのない会話からお互いを探り合っていたのだが、次第に私たちは出版社の編集と漫画家で~という話から私たちも漫画好きなんですよ~という流れで話は漫画の話にシフトしていった。
僕も漫画好きなんですよ~。と言っていただいたは良いが、漫画が好きすぎて漫画編集&漫画家になってしまったオタクがどこまで本気でオタ話をしていいのだろうか…と思いつつ無難そうなメジャー漫画の話から始めたのだが、最終的に僕も漫画好きなんですよ~と言ってくれたお兄さんに至っては不思議のたたりちゃんのコミックス未収録漫画を少女フレンドから切り抜いて大事にとってあるのにいまだコミックスに収録されない(2000年初頭当時)という話をしていて、よもやゲイバーに来てマジモンの漫画好きとたたりちゃんのオタ話になるとは思わなかった。ガチじゃん。
テーブルについてくれた3人のお兄さんのうち二人がそのレベルの漫画好きで、担当さんたちとデトロイト・メタル・シティやら医龍やらマジガチ漫画話で盛り上がっていたのだが、もう一人のお兄さんがまったくついていけておらず私はそのお兄さんとふんわりとした世間話に終始するという、初めて行った接客のお店でスタッフさんをフォローするという状態になったのである。私の高校も便所サンダル履いてました!(※私の学校も指定スリッパがトイレにおいてあるサンダルのようなデザインだった。という意)
ゲイバーも初めてだしキャバクラもホストクラブも行ったことが無いので『どんな感じの男性が好みなんですか?』とかどのあたりのセリフからがスタッフさんへのセクハラになってしまうのかがわからず、私たちはひたすら中高の時の部活とか当時の得意科目とかの話で終始したのであった。楽しみ方、わからね~~~~!しばらく虚無の世間話をしてたのだが、その後は他テーブルへ移ってたNotオタクスタッフさん以外の5人でほぼ朝までオタ漫画話でしゃべり続けたのであった。やってることが漫研の部室と変わらない。ガラスの仮面は無事完結するのであろうか…?
めちゃくちゃ有意義ではあった。が、ゲイバーであった必要は、おそらく、無い。(おわり)
御手洗直子
Profile pixivで大人気。累計閲覧数1100万を誇る爆笑コミックエッセイスト。なんでそんなにネタ満載人生を・・・という謎の人。既刊に「31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる」「31歳ゲームプログラマーが婚活するとこうなる」(共に新書館)、「腐女子になると、人生こうなる!~底~」(一迅社)、「つっこみが止まらない育児日記」「さらにつっこみが止まらない育児日記」(ベネッセコーポレーション)など。たまひよのサイトで、数話限定公開中。
御手洗直子twitter:@mitarainaoko