「ずっと泣きやまない」「いつも同じところで大泣き」3児の保育士パパ・でんちゃん先生に聞く年齢別の声かけとは?
「子どもは泣くのが仕事」とはいえ、何をしても泣き止まない我が子を目の前にすると、つい気持ちがイライラしてしまうことも。そんなとき、ママやパパはどんな心持ちで接すればよいのでしょうか。
今回は3児の保育士パパ・でんちゃん先生に、「泣いている子どもとの接し方」を教えてもらいました。
<プロフィール>
でんちゃん先生
3児の保育士パパ&ベビーシッター
大学卒業後、保育職に就き、保育園・幼稚園・障害児支援施設にて10年間勤務。2021年4月より、ベビーシッター業を開始。同時期に始めた育児ノウハウを紹介するインスタグラム(@denchan_family_)では、フォロワー数3.9万人越えの人気インスタグラマーに。プライベートで7歳の長女、5歳の長男、2歳の二男を育てる。
「泣きやまない」に悩んでいるママやパパは意外に多い!?
子どもが泣きやまず困った経験があるママやパパから、どんな悩みがあるのか聞いてみました。
「新生児なのに4時間も寝ないで泣いていることがあります。夜中に覚醒して泣きやまない赤ちゃんを落ち着かせる方法はありますか?」
「授乳をやめようと決めたのに、大泣きされてしまうとつい与えてしまいます。泣きやまないときは、どうやってあやしたらいいですか?」
「チャイルドシートに乗せるときや夕方の忙しい時間帯など、いつも同じようなタイミングで大泣きします。泣くだろうと予想はしていても、余裕がなく受け止めてあげられません。そのようなときでも、笑顔で接するための気持ちの切り替え方を教えてください」
子どもに泣かれると、胸をギュッと締め付けられるような気持ちになったり、時間帯や場所によっては焦りが生じたりして、泣きやませることに必死になってしまうことがありますよね。
解決のポイントは、ママやパパが「子どもが泣くのを恐れない」!
子どもが泣き続けると、つきっきりで泣きやませようとしますが、でんちゃん先生は、「子どもから離れることに罪悪感を持たなくてもいい」と言います。
「どんな子どもでも、泣くときは泣きます。どんな親でも、イライラするときはあります。だから大泣きする子どもと向き合って心が疲れ果てたときは、子どもから離れる時間を作ることも必要です。たとえ数分でも子どもの泣き声から解放されると、イライラや不安が軽減しますよ」(でんちゃん先生)。
泣いているからとずっと抱っこをしたり、声をかけ続けたりして育児ノイローゼになるまで悩むくらいなら、一人になる時間を取ることを優先すべきとでんちゃん先生。ワンクッションおくだけで気持ちが切り替えられたり、そのあとは子どもに優しく接したいと思えるようになる人も多いようです。ただし、子どもの安全確保はお忘れなく!
ここからは、泣きやまない我が子にお手上げの、ママやパパに試してもらいたい「年齢別・対応術」をでんちゃん先生に聞いてみました。
言葉を話せない「0歳~3歳」は、泣き方に注意!
子どもの泣き方は、性格や気質によってさまざまですが、明らかにいつもと違う泣き方をしているときは注意が必要です。
「長時間、激しく泣き続けたときは、病気やケガの恐れが考えられます。頭を打っていないか、手や指を挟んでいないか、発熱やおなかの調子など、何か異変がないかをよくチェックして、速やかに医療機関へ受診をしましょう。泣き方に異常がなければ、たとえ泣いている理由はわからなくても、『嫌だったんだよね』『悲しかったんだよね』など、子どもの気持ちを代弁してあげるといいですよ」(でんちゃん先生)。
卒乳のタイミングでの大泣きに関しては、やめると決めた以上、一貫した対応を貫く方が、子どもにとってもあきらめがつきやすいと言います。でんちゃん先生の場合は、片耳だけイヤホンをして好きな音楽を聴きながら、精神的にも体力的にもつらいこの時期を乗り越えたと教えてくれました。
「4歳~6歳」は、子どもの気持ちを最優先する!
泣いた理由を言葉で説明できる年齢になってきたら、ママやパパが上手に声かけをして「子どもの気持ちを引き出してほしい」と言います。
「子どもが泣いているとき、無理やり理由を聞き出す必要はありません。子どもが話したいと思ったタイミングで、『どうしたかったの?』『何があったの?』と耳を傾けてあげてください。話しているうちに、気持ちが落ち着いてくるはずです」(でんちゃん先生)。
その際に注意してほしいのが、ママやパパが「泣いたら鬼がくるよ」「泣く子はうちの子じゃない」など、否定的な言葉を口にすることだそう。泣いて感情を表現するのは悪いことではありませんし、信頼の証ともいえます。子どもの素直な気持ちを肯定し、受け入れてあげましょう。
泣くパターンを想定した行動で、対応がスムーズに!
チャイルドシートに乗せるときや夕方の忙しい時間帯など、大泣きするタイミングがパターン化されている場合は、「練習あるのみ」だとでんちゃん先生は言います。
「スポーツや料理、車の運転など、上手になるには練習が必要ですよね。育児も同じです。“泣くときの子ども”を想像して、どう対応したらいいか、ママやパパがイライラした態度を取ると、子どもはどういった言動を見せるのか……あらゆるパターンを想定して日頃から意識した行動を心がければ、いざというときスムーズに対応できるでしょう」(でんちゃん先生)。
冷静に客観視できるときに対応策を考えておけば、いざ子どもが泣き出したときも、焦らずベストな声かけや対応が取れそうですね。
子どもに限らず、人は言葉では表現できない感情があふれだしたときに涙を流します。そんな抑えきれない思いが込められた子どもの大粒の涙に、戸惑いや焦り、苛立ちを生じさせないためにも、でんちゃん先生のアドバイスを意識して接してみてはいかがでしょうか。
でんちゃん先生の格言
取材・文/佐藤 文子
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