育休ではなく育業、まさにその通り!「私たちは2人とも新人バイト」のエピソードがお気に入り【人気漫画家 おぐらなおみさんインタビュー】
「育休」の新しい愛称として東京都より発表された「育業」。たまひよでは東京都とタッグを組み、「#我が家の育業ストーリー」を募集しました。ママ・パパから寄せられた投稿数は約1100件‼ そのなかから、人気漫画家のおぐらなおみさん・宮川サトシさんによって6つのエピソードが選ばれ、漫画化されました。今回はおぐらなおみさんに、寄せられた投稿を読んだ感想や、「育業」についての思いを聞きました。
おぐらなおみさんProfile
イラストレーター&マンガ家。
長女26才、長男20才のふたりの母。2011年『働きママン1年生』(メディアファクトリー)にて仕事と育児に奮闘する毎日を描き、話題となる。著書多数。
「育休」ではなく」「育業」。まさにそのとおり!
東京都が「育児休暇」を「育業」と名付けたのは、「育児のための休暇は、休みではなく、将来の日本の担い手となる子どもを育てる大切な仕事である」という意味があると聞きました。まさにそのとおりだと思います。考えてみれば全然「休暇」ではないですよね、育児中って。下手したら仕事をしているほうが楽だ…という声も聞きましたし。「育業」という新しい言葉によって、当事者も周りの人々も意識が変わっていくといいですね。
「夫婦ふたりで何とか頑張っていこう」という投稿を選びました
今回のキャンペーンで約1100件もの「我が家の育業」の投稿が集まり、みなさん関心が高いのだな、と思いました。私自身の子育て時代(20数年前)には男性の育業はまだまだ「絵にかいた餅」だったのでよい方向に変わってきたことを感じます。最近は「結婚しても共働き」という意識が強くなってきていて、それが前提なので、結果的に「子育ても2人で平等に」という考えを持っている人が、男女ともに多くなってきているのではないでしょうか。
今回はたくさんの投稿のなかから3つのエピソードを選びました。選考にあたっては、「夫が妻に育児を教えてもらう」「やっぱり女性ってすごい!」というストーリーよりも、夫婦ふたりで何とか頑張っていこうね、対等なパートナーだもんね、という面が出ているものを選びました。育業ではそれがいちばん大切かなあと思ったので。
「私たちは2人とも新人バイト」の エピソードが心に残りました
投稿のなかで最も印象深かったのは、「私たちは2人とも新人バイト」というエピソード。すごくわかりやすいし、ユーモアもあって素晴らしいと思いました。女性は妊娠中に母親になる…みたいな話をよく聞きますが、実際はそうじゃないですよね。赤ちゃんを産むのも育てるのも「新人」なんです。ママとパパは同じ新人同士、試行錯誤していく覚悟があるかないかで全然ちがうと思います。それと「自分の家をお店にたとえる」ってなんだか楽しそうでいいなあと思いました。私もいつか使いたいですね、うーん、親の介護の場面とかかなあ…。
夫婦で協力して「育業」すれば、その後も感謝し合えるふたりに
私も自分が子どもを産むまで、「新生児期は赤ちゃんも寝てばかりだし、それほど大変ではないだろう。」と思っていましたが、今までいなかった人間がひとり増えることは本当に劇的な変化で、感情フル活動!という感じで毎日ドキドキしていましたし、加えて産後の体のダメージもひどく毎日つらかったです。そこに夫の協力があったらどんなに助かったのだろうと思います。また、その後の人生でも夫に感謝していけるのでしょうね。「ふたりで子育てしたなあ」と思える人生、いいですよね。
「育業」は夫婦2人の絆が深く結びつく最大の機会
今、育業するかどうか迷っている方には、ぜひぜひ育業して育児を経験してみてほしいです。話に聞くのとやってみるのは大違いということがわかるだけでも素晴らしい経験だと思います。そして夫婦ふたりの絆が深く結びつく最大の機会だとも思います。頑張ってくださいね!
おぐらさんご自身の2人のお子さんの育児経験もふまえて、育業への思いを語っていただきました。「私も子どもを持って、子連れの苦労が多いこと、そして楽しみだっていっぱいあることを知り、人生が豊かになりました。またそれと同時に「ほかの人のいろいろな人生」を考えることが多くなりました」。とのこと。この「育業キャンペーン」を機会に、育業する人が増え、思いやりにあふれる社会につながりますように。(取材・文/ひよこクラブ編集部)
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