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3日で完了!?米国流おむつはずれのスゴ技

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iStock.com/deucee_

1才代から準備して2才代で本格的に進めるママが多い日本の“おむつはずれ”。海の向こうのアメリカでは、3日で進めるというウワサも…。その真相を、アメリカ・サンフランシスコにあるプレスクール(幼稚園)『日本町リトルフレンズ』で教諭をする吉川真矢先生に伺いました。聞き手は、アメリカの大学院に通いながら、大学付属のプレスクールでアシスタントティーチャーをした経験のある駒谷真美先生です。

万全な“子どもの心の準備”が成功のカギ

個人差はありますが、“日中のおしっこ”は、3才ごろをゴールの目安として進める日本のおむつはずれ。おうちのトイレで「おしっこできた~!」と思っても、おむつに逆戻りすることもありますよね。では、アメリカの子たちは、どのような様子で、どう進めていくのでしょうか。まずは、アメリカの“おむつはずれ”の実態を、駒谷先生と吉川先生のやりとりから探っていきます。

アメリカのおむつはずれ、その進め方とは

駒谷先生―――アメリカの子どもたちは、何才ごろを目安におむつはずれを進めますか?

吉川先生―――「アメリカのプレスクール(幼稚園)は、2才6カ月から入園できるのですが、保育料の相場が日本円で16~21万円と高額なんです。おむつをしている子が入園できる園もありますが、その場合の相場は21~27万円程度に…。収入額によっては控除もありますが、控除対象となる家族は、決して多くはありません。
プレスクール側から見ても、おむつをしている子を預かることは、スタッフ数の事情などで難しいので、ほとんどがおむつを卒業した子が入園対象です。そのため、働くママが多いサンフランシスコでは、入園を目標におむつはずれを進めるというのが実態。生後3カ月ごろからデイケアー(※)に入園した子は、保育士さんが主に進めてくれるので、ママは自宅でフォローするといった感じですね」

※日本では保育者の自宅などで子どもを預かる“家庭的保育(保育ママ)”に似た施設のこと

駒谷先生―――日本では、おむつはずれの準備として、1才代からトイレが題材の絵本を読み聞かせたり、ママの様子を見せたり、自宅のトイレに興味を持つように飾りつけをするなど、イメトレから進めるのが一般的なようです。アメリカのママたちはいかがですか?

吉川先生―――「アメリカの図書館には、おむつはずれに関するビデオが視聴できたり、絵本がずらっと並んでいるコーナーがあって、それを利用するママは多いです。2才6カ月を目標としたら、子どもがどれほどトイレに興味を持っているのかを見極め、その半年前の2才ごろから、おむつはずれのイメージを子どもに伝えるために見せていきます。この、子どもの心の準備に時間をかけるんです。そして、3カ月くらいかけて、『おにいちゃん(おねえちゃん)になると、おしっこやうんちはトイレでするんだよ』などと、子どもの意識が向くように少しずつ話し始めます。子どもがおむつはずれのイメージをつかみ、自分から『ぼくはおにいちゃんだから、おむつはいらない』などと意思表示ができるようになると、おむつは3日ではずれるんです」

駒谷先生―――子どもの心の準備がきちんと整い、おむつはずれを受け入れていれば、3日ではずれるということなんですね。

吉川先生―――「3日間でおむつはずれを成功させるためには、その前の段階で、ママが子どもにプレッシャーをかけずに、いかに心の準備をしていくかにかかっています。子どもの心の準備がしっかりとできていれば卒業する。うちの娘も3日間の儀式ではずれましたから」

アメリカ流おむつはずれ、3日間の儀式って?

駒谷先生―――その3日間は、どのように過ごすんですか?

吉川先生―――「うちの子どもたちのときは、『3日で子どものおむつをはずす方法』というのが大ブレークして(笑)、ママたちは、ネットでの情報収集に余念がありませんでした。その情報を参考にして進めていましたね。

その3日間には儀式があるんです。
まず1日目は、『今日からおむつとるよ! バイバイできるかな?』と子どもに聞くんですね。それでOKなら、まずは、子どもと買い物に出かけ、自分の好きなキャラクターがついた厚地のパンツを選ばせて買います。
『これからはおむつじゃないよ。おにいちゃん(おねえちゃん)になったから、パンツだよ』と声をかけるんですね。これによって、子どもは、“自分の好きなキャラクターをぬらしたくない”と思うんです。
そして、『これからはこのパンツをはくよ。だから、おむつに今までありがとうと言ってバイバイしよう』『おむつの中のうんちもバイバイしよう』と伝え、子どもの目の前で、おむつのうんちをトイレに流したり、家にあるすべての紙おむつをゴミ袋に入れます」

駒谷先生―――その次は?

吉川先生―――「『おしっこやうんちは、小さいおまるにするんだよ』と声かけします。1日目は30分ごとに座らせないと、パンツをぬらしてしまうこともありますね。ただ、1回でも成功すれば、2日目と3日目はまるで魔法にかかったように、うまくできるようになるんです。
でも、心の準備の段階で、トイレやおまるに座ることをママが強調しすぎてしまうと、子どもにプレッシャーを与えます。そうすると、パンツの中でうんちをしてしまうことも。これは、なぜトイレに座ることが重要なのかを、子どもに説明しきれていないからだと思います。言い換えれば、子どもの心の準備がきちんとできていないということ。
おむつはずれは、“だれのためにするのか”“何のためにするのか”という目標の立て方によって、子どもとママの気持ちにゆとりがなくなり、きちんとおむつはずれができないこともあるような気がします。ママ友同士の競争のためのおむつはずしは、決してうまくいかないようです」

3日でできる“おむつはずれ”のポイントに迫る!

子どもはそれぞれ優れた個性があり、同じ年令でも個人差があるもの。アメリカのおむつはずれにも、それらを踏まえた進め方のコツがあるようです。ここでは、そのポイントや注意点に目を向けていきます。

その1:子どもの心の準備ができているか

駒谷先生―――アメリカ流のおむつはずれで注意点などはありますか?

吉川先生―――「目標の年令に近づいたからといって、子どもの心の準備ができていなければ、おむつはずれを進める適正な時期とは言えないと思います。年令の問題ではないということですね。日本では、『なるべく早い時期にはずれたほうがいい』などと思うママもいるかもしれませんが、たとえ1才でおむつがはずれたとしても、それがすばらしいことではないと思います。戻る確率が高い場合もあります」

その2:1回の成功をママが大喜びしているか

駒谷先生―――アメリカのママは、子どもの1回の成功をものすごく喜びますよね。

吉川先生―――「そうなんですよね。ママの中には、その1回の成功を子どもに経験させようと、手を替え品を替え模索しますね。たとえば、子どもにトイレの流水音を聞かせると、自分からトイレに行きたくなるとかね(笑)。いろいろとアイデアを出してトライしています」

駒谷先生―――確かに! 流水音を聞けば、子どもは条件反射のようにトイレでおしっこをするかもしれないですね。

吉川先生―――「子どもによって違うかもしれないけれど、わが家の場合は、初めに『このタイマーが鳴ったらトイレに行くんだよ』と言って進めました。
子どもは、目で見たり、耳で聞いてわかるようなものが効果的だと思うんです。だから、アラームなどをセットしておくのはおすすめですね。そして、1回でもできたら、ものすごく喜んであげる。これはポイントだと思います」

その3 失敗したら「ママの悲しい気持ち」を伝える

駒谷先生―――もし、パンツをぬらしてしまったときは、ママはどうするんですか?

吉川先生―――「ちょっと悲しい顔をするんです。でも、怒るのとは違います。『悲しい』と『怒る』はまったく違うものですから、子どもに伝えるメッセージは明確にするといいですね。『ママは、パンツをぬらしてしまったことを悲しく思っているけれど、○○ちゃんのことは“I LOVE YOU”なのよ』などと伝えてあげると、子どもは『次は頑張る!』と思えますから」

その4:子どもの気質や成長に合った進め方をしているか

吉川先生―――「ママが1人で進めていると、子どもはママの求めに対してプレッシャーを強く感じがち。膀胱炎(ぼうこうえん)になる子も多いんです。子どもには、“のんびり”“神経質”などの生まれ持った気質がありますが、“頑固”な子どもは、『おしっこはおまるでするのよ』とママが言えば言うほどしないものです。
おむつはずれでいちばん大切なのは、子どもの気質や心の成長に合わせて進めること。アメリカでは、子どもの気質や心の準備ができているかを見ながら進めます。それを実践し、2才6カ月ごろに3日でおむつを卒業した子は、そのあとになっておねしょをすることもありません」

駒谷先生―――おむつはずれは、その子に合った時期というものがあるのでしょうね。

「ママ友グループの子はおむつがとれているのに、うちはまだ…」。ほかの子と比べて、うまくはずれないとあせったり悩んだりするママもいるかもしれませんね。でも、いちばん重要なのは、その子の性格や心の状態に合わせて進め、1回の成功をママが心の底から喜んであげること。それは、おむつはずれに限らず、親子のかかわりの中でとても大切なことだと感じました。(聞き手/駒谷真美先生 取材・文/茶畑美治子・ひよこクラブ編集部)

■監修・取材協力/
Profile●吉川真矢先生(日本町リトルフレンズ プレ・アフタースクールマネージャー)
チャップマン大学大学院修士号を取得後、ロサンゼルスの小・中学校でスクールカウンセラーの経験を経て、現在サンフランシスコ日本町にある「日本町リトルフレンズ」で、プレ・アフタースクールのマネージャーを勤める。2才6カ月から11才までの子どもたちの教育に携わりながら、教員のコーチングに従事。サンフランシスコ在住。11才の女の子と5才の男の子のママ。

Profile●駒谷 真美先生(実践女子大学人間社会学部人間社会学科教授) 
お茶の水女子大学大学院博士(学術)取得後、昭和女子大学人間社会学部初等教育学科准教授などを経て現職。NHK放送文化研究所 NHK放送文化研究委員、ベネッセ次世代教育研究所「小さな子どもとメディア」 親と子のメディア研究会委員を歴任。専門はメディア情報リテラシー、メディア社会心理学、ICT教育。最新メディアを活用した実践研究、新旧のメディア様相、乳幼児期から老年期までのメディア意識行動など、生涯発達の観点からメディアの「よろづ」研究に従事。

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