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プレイデートって何?アメリカの【ママ友事情】プレスクールの先生に聞きました

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iStock.com/alexandr_1958

ママ友の「つくり方がわからない」「つき合い方が難しい」。日本では、ドラマ化するほどのインパクトと話題性がある“ママ友事情”。でも、アメリカのママたちは、このキーワードにピンと来ないとか…。それはなぜなのか? アメリカ・サンフランシスコにあるプレスクール(幼稚園)『日本町リトルフレンズ』で教諭をする吉川真矢先生に、アメリカの大学院に通いながら、大学付属のプレスクールでアシスタントティーチャーをした経験がある駒谷真美先生がインタビューしました。

ママ友づくりのチャンスがいっぱいのアメリカ

「アメリカには、ママ友トラブルがないってホント?」
かつて、ママ友とのつき合いに、頭を抱えた経験がある筆者も気になるところ。人種も家族のスタイルもさまざまなアメリカのママたちは、ママ友をどう捉え、どのようにつき合っているのでしょうか。その真相をじっくりと見ていきます。

ママ友の必要度はママによってさまざま

駒谷先生―――まず初めに、アメリカに「ママ友」という交友関係はあるのでしょうか?

吉川先生―――「日本人のママが集まるコミュニティ、たとえば、アメリカ駐在の家族間では、ママ友というコトバを使い、おつき合いはありますね。
でも、第二次世界大戦前に移民した日系アメリカ人ママは、“意思表示”が明確で、自身を含めてみんなの『個』を大事にします。そして、1人1人がアイデンティティをしっかり持つ、アメリカ的な考えなんです。そのため、ママ友は、“たくさんいる友人の一部”という感覚に見えます。“日本のママ友関係”のような間柄がなく、その必要性も感じていないように思います。近隣におじいちゃんやおばあちゃんが住み、困ったときはサポートを得やすい環境にいることも大きいでしょう。

一方、『新一世家族(※)』と呼ばれる核家族がほとんどの日本人のママは、育児サポートをしてくれるおじいちゃんやおばあちゃんなどが近くにいないため、ママ友が必要だと感じているように思えます。

※第二次世界大戦後にアメリカに移民した日本人のこと。祖父母は近隣に在住していないケースがほとんどの家族形態。

中国系やラテン系アメリカ人ママや、アフリカ系(黒人系)アメリカ人のママたちは、子だくさんで大家族なケースが多く、おばあちゃんやきょうだいなど、家族みんなで子育てしています。孤独を感じにくく、アドバイスをもらう機会が多い環境にいるので、『ママ友をつくらなきゃ!』という意識はないかもしれませんね」

アメリカならではのママ友のつくり方って?

駒谷先生―――最近のアメリカのママ友づくりはどんなふうに行われていますか? 主な連絡手段は?

吉川先生―――「日本の産休や育休のように、アメリカにも“マタニティリーブ制度”と言って、産前1カ月から産後3カ月は仕事を休める制度があります。
多くの働くママは、生後3カ月ごろからデイケアー(※)などに子どもを預け、そこでママ友をつくる人が目立ちます。LINEでつながったり、メアドや電話番号の交換をする方もいますが、Facebookでお互いの情報交換や近況報告などもしています。そして、週末に子連れで遊びに出かけたり…。働くママ同士、生活スタイルなどが似ているので、つき合いやすいのでしょう。
あと、子ども服メーカーが主催する親子の音楽教室や、公立図書館の読み聞かせ教室などもあるんです。専業主婦のママに限らず、そこでもママ友ができますね。

核家族がほとんどの日本人ママの間では、週1回程度集まって遊びや子育て相談などができるグループがたくさんあり、そこもママ友をつくるチャンスです! 育児にかかわる専門家などの講演会があったり、ディスカッションなども行うんです。アメリカの働くママは、生後3カ月ごろから預けられるデイケア―か、2才6カ月から入園できるプレスクールに子どもを預けるため、グループは2才5カ月ごろまでの子を対象としたものがメインです」

※日本では保育者の自宅などで子どもを預かる“家庭的保育(保育ママ)”に似た施設のこと

駒谷先生―――日本でも、児童館が主催する遊びの場や子育て講習会などがありますが、同じようなものですか?

吉川先生―――「ママが自発的に催しを企画してグループを立ち上げるんです。新聞などの広告欄で参加者を募るのですが、『働くママの〇〇』『専業主婦ママの〇〇』『1才半までの子の〇〇』など、活動目的を明確にして告知するので、参加者は、自分に合ったグループを選びやすい。
日系アメリカ人が多く暮らす地域では、開催場所を快く貸し出してくれるから、活動もさかんです。中国系アメリカ人の在住地域は、コミュニティセンターがたくさんあり、そこで週1回程度、遊びなどのイベントが開催されます。国からの援助で参加費は無料。仕事があるママに代わって、おじいちゃんやおばあちゃんが孫を連れて参加するケースが多いんですよ」

駒谷先生―――サンフランシスコのママ友づくりは、いろいろなスタイルがあるんですね。

アメリカのママ友、そのつき合い方や関係性に注目!

アメリカのママ友は、どのような関係性でつながっているのでしょうか。普段のつき合い方や、かかわり方の特徴にクローズアップしていきます。そこには、アメリカならではの、ママへのサポート体制も影響しているようです。

助け合いの気持ちでつながるアメリカのママ友

駒谷先生―――アメリカのママ友は、普段どのようにつき合っていますか?

吉川先生―――「アメリカのママがママ友に求めることの多くは、用事があるときに、子どもの預ける・預かるなどする、助け合いの気持ちだと思います。だから、『明日、うちは○○に行くけど、□□くんも行くなら一緒に連れて行ってあげるよ』というようなつき合い方をしていますね。あとは、子どものかかわり方を相談し合うことでしょうかね。たとえば、子どもがおむつを卒業したくなるような気持ちにさせるかかわり方を話し合ったり…。
サンフランシスコは、日本の町内会のようなコミュニティがしっかりしていて、そこでの育児サポートも手厚い。子どもはコミュニティでも大事に育てられているんです。たとえば、ベビーベッドを卒業したら、『○○さんが妊娠したから、譲るわ』などのやりとりは日常の光景です。

アメリカには、『子どもが3才になるまでは、ママは子育てに専念すべき』という“3才児神話”のような考えも、ママと赤ちゃん2人きりの生活が中心の“密室育児”というものもない。『ママがハッピーじゃないと子どももハッピーじゃない』という認識が強いんです。働くママが多いので、子どもとママがしっかりと向き合って遊んだり対話をする、“クオリティタイム”と言う質の高い育児が推奨されています。ママが無理をして、ストレスをかかえながら3年間一緒にいるよりも、1日1時間、きちんと向き合うことを大事にしたほうがいい。だから、ベビーシッターなどの手も上手に借ります」

駒谷先生―――「育児はみんなでする!」という意識が強いのでしょうね。

吉川先生―――「そうですね。『大変なときは言って。お世話を手伝うよ』という感覚がコミュニティにもあって、“子育てはママ1人でするものではない”というメッセージを、保育園やプレスクールなども絶えず発信します。そして、ママのストレスは子どものストレスになると繰り返しアドバイスします。
私が在籍する『日本町リトルフレンズ』では、ママとパパがデートする機会が持てるように、年6回、22時30分まで子どもを預かる“レスピットケア”(※)という保育もしているんですよ。パパとママがデートに行くというと、日本では驚くかと思いますが、夫婦の関係を大事にしているところを子どもに見せることは、とても大切な教育の一つ。“レスピットケア”は、親が自分たちの関係を見直して、ストレスを発散すると同時に、子どももお友だちと長い間一緒にいられるワクワク感がある楽しいサービスです。

※育児をするママやパパが休息できるサービス。

駒谷先生―――子どもも慣れた場所だから、長時間いても不安がないし、普段ならいない時間帯に園にいることで喜びそうですね。

吉川先生―――「日中とはアクティビティを替えたり、11才の子まで預かるので、おにいちゃんやおねえちゃんが一緒に遊んでくれたり。我々はとくに安全管理に注視してお預かりしています」

アメリカは家族ぐるみのつき合いが基本

駒谷先生―――日本は、「でき上がっているママ友のグループには入りにくい」などの悩みを抱えたり、ママ友とのつき合いをしんどいと思うママも多いようですが、アメリカのママたちは、コミュニティなどのサポートも大きい。そういった悩みはなさそうですね。

吉川先生―――「ないとは断言できませんが、日本のニュース番組で特集されるような悩みはないように思います。アメリカは『個』を尊重する国でもありますし、家族の存在が第一で、その上でママ友との交流がある。だから、ママ同士が仲よしというよりも、パパも入って家族ぐるみのつき合いなんですね。2〜3家族でスキーやキャンプに行ったり、週末にバーベキューをしたり。ママ友同士で女子会をするときは、パパは子連れでだれかの家に集まって育児をする。アメリカのパパは、土日に仕事をしたり、接待ゴルフで出かけることもないので、家族に費やす時間も多いんです。
アメリカのママに育児ストレスがあるとすれば、第一子の子育てですかね。赤ちゃんの特性がわからず、どうしたらいいのだろうと考えてしまうことだと思います」

トラブルはしっかり話し合うのがアメリカ流

駒谷先生―――子ども同士は仲よしだけれど、ママ同士は気が合わないこともあるかと思いますが、アメリカのママたちはどう対処するんですか?

吉川先生―――「人によって対応はさまざまですが、腹を割って上手につき合うママもいれば、歩み寄るために話し合いをするママもいますね。逆に、ママ同士は仲がいいけれど、子ども同士は仲が悪いケースもあります。この場合は、ママ同士が真剣に話し合います。通園先のプレスクールなどでは、『もっとプレイデートして、やさしい心を培うためにたくさんお話をしよう』と声をかけたり、お互いをわかり合えるようなアクティビティを提案することも。アメリカは学校の終業時刻が早いので、放課後の過ごし方は、子どもの成長に大きく影響します。そのため、園や学校では一緒に過ごしても、放課後は別々に遊ばせることも大いにあるんです」

駒谷先生―――“プレイデート”って、日本では馴染みがないかもしれませんね。

アメリカのママ同士が行う“プレイデート”って何?

アメリカのママの間では、当たり前のように行われている“プレイデート”。「知ってる~!」という日本のママは少数派かもしれませんね。いったい、どのようなことなのでしょう。聞き手の駒谷先生を通じて吉川先生に詳しく伺います。

アメリカは『個』のつき合いを重視!

駒谷先生―――“プレイデート”をわかりやすく教えていただけますか?

吉川先生―――「ママが『○○ちゃんとうちの子、遊んでほしいな』と思ったら、○○ちゃんのママをプレイデートに誘って、一緒に遊ぶ機会をつくるんです。わが子の成長をサポートするための、ママの1つの手法なんですね。
たとえば、幼少のお子さんなら、朝9時ごろに集まって公園に行き、そのあと場所を変えて遊ぶなど、1日を一緒に過ごすことが多いです。小学生くらいになると、週末に誰かの家に遊びに行ったり、お泊まりすることも。子どもにしてみれば、プレスクールや学校などとは違う場所で、特定の友だちと過ごすと、その子に対して親近感が増すんです」

駒谷先生―――日本は、グループで遊ぶことが多いように思いますが、アメリカは個々につき合う感覚なんですね。『個』を大事にするアメリカと、『集団』を重んじる日本との違いですね。

“プレイデート”のメリットとポイントは?

吉川先生―――「プレイデートをすると、子どもたちは自然に仲よくなっていきます。でも、いつも同じ子とばかりしていると、気持ちの行き違いなどの問題が起こることも。そういったことが起こったら、その子とは少し距離を置いて、別のお子さんとプレイデートします。そうすることで、新しい友だち関係がつくれたり、『ブロック遊びは◇◇くんとすると楽しい』『お絵描き遊びは〇〇ちゃんが合ってる』などと、友だちとの関係性を子ども自ら学んでいけるんです。
アメリカの親は、子ども社会の人間関係がバランスよくなることを考え、プレイデートを通じてさまざまなママにアプローチをかけるんですよ」

駒谷先生―――それはいい習慣ですね。子どものほうも「この子と絶対一緒にいなきゃ!」「この子と仲よくしなくちゃ!」などと、負担を感じにくいし、「相性が合わないかな」と感じたら、ほかの子とプレイデートして、新たな友好関係が築ける。友だちや遊びなど、いろいろな選択肢をママからもらえるだけでなく、その中から自分でも選び、学ぶことができますね。

アメリカのママ友が個々につき合う理由って?

吉川先生―――「アメリカのプレスクールや学校などの先生は、グループのようなものをつくるのは、人生の後半くらいでいいでしょうと推奨しています。いつも同じ子と遊んでいると、子どもたちは息苦しさを感じたり、選択肢が制限されてしまうことがあります。
アメリカの親は、“子どもにどれだけ多くの選択肢を与えられるか”ということを大事にしていることが多い。そして、その選択肢は、すべてママやパパが子どもにやらせてあげられるものなんですね。子どもが実行に移せない選択肢を与えてしまうと、親子間に不信感が生じてしまうんです」

駒谷先生―――子どもとデジタルメディアのつき合い方でも、アメリカは親としての権威をしっかりと示して、『ペアレンタル・コントロール』や『メディア・ルール』を実践していると、以前、吉川先生に伺いました。子どもがスマホなどで何を見ているのかを親は知っている。子どもも、自分が何を見ているのかを親が知っていることをわかっている。だから、隠れて閲覧することもない。『ペアレンタル・コントロール』は、スマホなどの“メディアありき”ではなく、子どもにどれだけ多くの選択肢を与えられるか、という考え方があってのことなんですね」

グループで行動することが比較的多い日本とは違い、アメリカは個々につき合う。でも、わが子の社会性の育ちを大事にしたいと願う気持ちは、共通しているようですね。アメリカの“プレイデート”は、『個』を尊重し合い、つかず離れずのおつき合いができるすばらしい手法。アメリカのママ友づき合いで、いいところはどんどん取り入れて、「ママ友=心強い味方」となったらいいですね。(聞き手・取材協力/駒谷真美先生 取材・文/茶畑美治子・ひよこクラブ編集部)

■監修・取材協力/
Profile●吉川真矢先生(日本町リトルフレンズ プレ・アフタースクールマネージャー)
チャップマン大学大学院修士号を取得後、ロサンゼルスの小・中学校でスクールカウンセラーの経験を経て、現在サンフランシスコ日本町にある「日本町リトルフレンズ」で、プレ・アフタースクールのマネージャーを勤める。2才6カ月から11才までの子どもたちの教育に携わりながら、教員のコーチングに従事。サンフランシスコ在住。11才の女の子と5才の男の子のママ。

Profile●駒谷 真美先生(実践女子大学人間社会学部人間社会学科教授) 
お茶の水女子大学大学院博士(学術)取得後、昭和女子大学人間社会学部初等教育学科准教授などを経て現職。NHK放送文化研究所 NHK放送文化研究委員、ベネッセ次世代教育研究所「小さな子どもとメディア」 親と子のメディア研究会委員を歴任。専門はメディア情報リテラシー、メディア社会心理学、ICT教育。最新メディアを活用した実践研究、新旧のメディア様相、乳幼児期から老年期までのメディア意識行動など、生涯発達の観点からメディアの「よろづ」研究に従事。

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