30年前、趣味で撮っていた娘の写真が雑誌に。今は孫の成長にカメラを向ける日々【30年の子育てhistory#3】
『たまごクラブ』『ひよこクラブ』は今年で創刊30周年を迎えます。30周年に向けて、1993年に創刊した『たまごクラブ』『ひよこクラブ』に登場してくれた赤ちゃんとその家族を募集したところ、50組を超える応募がありました!その中から、何組かの親子に登場してもらい、たまひよ30周年特別企画『30年の子育てhistory』をリポートします。
今回は『ひよこクラブ』に投稿した娘・舞さんの写真が掲載された木下三千代さんと、たまひよと同じ30歳になった娘の舞さんに、これまでの歩みを振り返ってもらいました。
当時から写真が趣味。雑誌に掲載されたときは、本当にうれしかった
――三千代さんが撮影した舞さんの写真が、1994年5月号『ひよこクラブ』「柴田先生の赤ちゃん写真誌上添削道場」に掲載されました。その経緯を教えてください。
三千代さん(以下敬称略)妊娠がわかったとき「子どもが生まれたら写真を撮りたい!」と思い、出産前にカメラを購入していました。出産したあとは、娘の写真をとにかくたくさん撮りました。
29年前のある日『ひよこクラブ』の「柴田先生の赤ちゃん写真誌上添削道場」を見ていたら「うちの子の決定的瞬間」というお題が出ていて。その当時、舞はおなかがすいたときに、よくへの字のような口をすることがあって。その顔がおもしろくてかわいくて撮った写真のことを思い出したんです。そしてすぐにその写真を投稿しました。
採用の連絡が編集部からきたときは本当にうれしくて、娘が大きくなったら見せてあげようとその雑誌を大事に残しておきました。
――『ひよこクラブ』はいつから読んでいましたか。
三千代 創刊のころから読んでいました。当時は単行本のような育児書が多く、マ ニュアル本のようなものしかありません でした。「子どもの成長はこうあるべき」といった雰囲気で、比較すると不安にな るときもありました。
娘が7カ月のときに『ひよこクラブ』が創刊され、今までの育児本とはまったく違う内容にわくわくしたことを今も覚えています。『ひよこクラブ』がマニュアル本と違うと感じたのは、同じ立場や先輩のママの経験や声が掲載されていたからです。「これでいいんだ」と安心したり、逆に反省したりすることもありましたが楽しく読んでいました。
初めての育児はわからないことだらけで不安でいっぱいでしたが、『ひよこクラブ』は育児を教えてくれる母のような存在であり、同時に育児の喜びや不安を共有、共感できる友だちのような存在だったと思います。『たまごクラブ』は出産後に創刊されたので、読む機会がなく残念です。
――舞さんは、自分の写真が『ひよこクラブ』に載ったことはいつ、どのように知りましたか。
舞さん(以下敬称略) 最初は高校生のころ、「そういえば昔、舞の写真がたまひよに載ったで」と母から当時の『ひよこクラブ』を見せてもらいました。母は雑誌に投稿するようなタイプではないと思っていたのびっくりしましたが、そのときは「おもしろい顔の写真だな」ぐらいにしか思っていませんでした。
その後、私も自分が妊娠して『たまごクラブ』を読もうと思い立ったとき、そういえば自分も載っていたなと思い出し、引っ張り出して見ました。自分も母親になってみると、子どもの写真をみんなに見せたくなる気持ちがわかるようになりましたね(笑)。
育休制度が一般的でなかった30年前。1歳までは一日一緒にいたかった
――舞さんはどんなお子さんでしたか。
三千代 予定日の2週間前に破水をして早めに出産しました。体重が2500gを超える程度で少し小さめだったからか、授乳をしても飲みが悪く、小食だったと思います。
私は当時会社勤めをしていましたが、当時はまだ育児休暇制度はありませんでした。それでも勤めていた会社では産後の時短勤務制度があり、私は時短勤務しないかわりに産後4カ月まで休みをもらい、休み明けからは、日中は私の父に舞を見てもらっていました。
今のような育休があれば1歳ごろまでずっと一緒にいたかったな、と思います。娘も私がいなくて寂しいときがあったと思いますが、よく、「おかあさん、おしごとがんばってね」と手紙を書いてくれました。とてもうれしかったです。
とても活発な子で、活発過ぎてこれまで部活のけがで3回も入院したくらい(笑)。でも、病院でお世話になるうちに、看護師さんにあこがれるようになったのですから不思議なご縁ですね。わが家には医療関係者はこれまでいなかったので、高校生のときに「看護師になりたい」と言われたとき、最初は心配しました。
舞 母にはいろいろ心配をかけました。最初は「本当に看護師さんなんてできるの?」と心配されましたが、私が本気で看護師をめざしていることをわかってもらえてからは応援してくれました。
三千代 看護師専門学校に通ってからも授業がないとき病院へアルバイトに行っていましたね。一生懸命勉強していたので、これは応援しないと、と思いました。
――三千代さんはどんなお母さんでしたか。
舞 私が決めた道を否定せずに応援してくれる母でした。いつでも私を信じてくれる姿勢がうれしかったです。
私が15歳のときから女手一つで一生懸命育ててくれ、たくさん苦労もかけたと思います。昔から一緒に出かけるなど遊びに行くことも多く、今は、私のことを何でも理解している親友のような存在になっていると思います。
30年後の今、舞さんは母に。忙しい看護師の仕事と育児を両立
――舞さんは今、1歳1カ月の男の子のママだそうですね。妊娠・出産を振り返ってみていかがですか。
舞 妊娠中の経過は順調で、産休ギリギリの6週間前まで仕事をしていました。出産時、パパが感動して泣いていたのが印象に残っています。
赤ちゃんのころ小食だった私とは真逆で、息子のそうすけはおっぱいもミルクもとにかくたくさん飲む子でした。体重が増えすぎて健診ではチェックを受けるほど。本人は欲しがって大泣きするけれど、体重が増えすぎと言われるし、どうすればいいのか迷っていましたね。
さらに私が乳腺炎になってしまい、40度の高熱が出て熱でしんどい体のまま頻回授乳せねばならず、パパも休みをとれなかったので本当につらかったです。途中から双方の母が来てくれて本当に救われました。
――育児でいろいろ迷ったときも、舞さんはたまひよのアプリを活用してくださっているとか。
舞 母のときは妊娠や出産、育児の情報が少なかったということですが、今はあり過ぎますよね。ネットや SNS もあって、どの情報が正しいのか選ぶのが難しい時代だと思います。その中でも私の中で「たまひよ」は「ちゃんとした」イメージがあります。実績がありますし、間違った情報は載っていない、という信頼感があります。今のキャンペーンもアプリで知りました。妊娠中から毎日見ていて、育児アドバイスも参考にしています。
―――舞さんはそうすけくんが10カ月のとき職場復帰をされたそうですね。
舞 復帰から約3カ月たって、これから夜勤も始まります。これまでも何度か保育園から呼び出しがあり、仕事と育児の両立は本当に大変だな、と感じます。でも、勤めている病院がパパの休日である土日にシフトを入れないように配慮してくれているので、土日は家族の時間が持てています。
パパは、平日は仕事で忙しくあまりかかわれませんが、土日は一日を通してそうすけにかかわっています。おむつ替えやごはんを食べさせたりおふろに入れたり、寝かしつけも積極的にする、いいパパです。
三千代 看護師になってから、びっくりするくらい毎日本当に頑張っています。子どもが生まれてからは子育てと仕事を一生懸命両立していて、わが子ながらすごいな、と感心しています。
舞 自分も今、母になり1人の命を産み、育てるというのは本当に大変なことだと実感しています。これから、そうすけは病気もまだたくさんするし、けがもするかと思うと心配でたまりません。
母も、私のことでいっぱい不安や悩み、心配があったのだろうな、とわかるようになりました。看護師になるという夢をかなえる応援もしてくれて、感謝しかありません。普段は恥ずかしくて言えないですけど(笑)。今は子育ても、介護も終わって仕事に、趣味の写真にと毎日を楽しんでいる母を見ているととてもうれしくなります。
三千代 今はカメラ仲間と一緒に、気ままに写真を撮るのが楽しいです。とくに、孫を撮るのはとても楽しいです!本人に嫌がられるまで、ずっと撮り続けていきたいと思います(笑)。
三千代さん・舞さんの30年の子育てアルバム
出産を目前にして産院に入院していたころの三千代さん。おなかには舞さんが
舞さんが1カ月のとき、お宮参りに
舞さんが妊娠8カ月のころ。三千代さんのカメラ仲間が撮影してくれたという、 2人の笑顔も花咲く風景も美しい1枚
そうすけくんが産院を退院した日。舞さんのウエディングドレスをベビードレスに仕立て直しました
1歳になったそうすけくんを囲んで、母と娘の笑顔のスリーショット。こちらも三千代さんのカメラ仲間が撮影してくれたそう
お話・写真提供/木下三千代さん、舞さん 取材・まとめ/岩﨑緑、たまひよONLINE 編集部
仕事と育児を両立するための制度がまだ整っていなかった時代に、母になっても仕事を続けてきた三千代さん。それから 30年。舞さんはその背中を見て育ち、今は看護師として母として、パパとともに初めての育児に奮闘しています。そうすけくんが30歳になるころ、働く女性の妊娠・出産・育児の環境はどのように変化しているのでしょうか。
カメラが趣味の三千代さん。孫のそうすけくんの「決定的瞬間」も三千代さんが撮影できたら、ぜひ今のたまひよにも投稿していほしいと思います!
●記事の内容は 2023 年7月当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
「たまひよ」創刊30周年特別企画が続々!
『たまごクラブ』『ひよこクラブ』は、2023年10月に創刊30周年を迎えます。感謝の気持ちを込めて、豪華賞品が当たるプレゼント企画や、オリジナルキャラクターが作れる「たまひよのMYキャラメーカー」など楽しい企画が目白押しです!たまひよ30周年特設サイトをぜひチェックしてみてください。
「たまひよ」では初めて孫が誕生する祖父母向けの無料マガジン特別創刊! 今どきの育児の常識・非常識のお役立ち特集や、孫の誕生をきっかけに家族の絆が深まるお楽しみ提案などをお届けします。