二児のママになった、女優・美馬アンナさん。長男との時間を作るために「ねんねトレーニング」を開始!家族との合言葉は、“上の子ファースト”で。
今年8月、長女となるひめっちを出産し、二児のママとなった、女優・美馬アンナさん。千葉ロッテマリーンズで活躍するプロ野球選手・美馬学さんと、4歳になる長男・ミニっちと4人家族になり、忙しいながらも穏やかな日々を送っています。ミニっちは先天性欠損症により右手首から先がない障害をもって生まれてきたこともあり、次のお子さんを望むまでにはさまざまな覚悟をされてきたそうです。今回は、二人目育児について、またアンナさんが描く未来の家族についてお聞きしました。
一人目の反省を活かして、妊娠中にねんねトレーニングをイメトレ!
――二人目育児がはじまって、毎日の暮らしはどうでしょうか。大変なことはありますか?
アンナさん(以下敬称略):実は、二人目を考えはじめてから、次の子はねんねトレーニングをしてみたいなと思っていたんです。ねんねトレーニングというのは、赤ちゃんが本来もっている、自分で寝る力を育むトレーニングすることなんです。
一人目の時、何が一番辛かったか考えると、子どもは寝てくれないし、自分も眠れないことだったんです。長男の時は、はじめての子育てということもあって、「なんじゃ、この泣きは〜」「なんで寝ないんじゃ〜」と、息子が泣き続けると軽くパニック状態(笑)。そして本当に、2〜3時間おきに起きていましたね。
私は寝ないとダメなタイプだし、赤ちゃんが生まれて、上の子ときちんと向き合うために何が大事だろうと思った時に、自分自身がきちんと寝ることだなと思ったんです。それで、妊娠中にはねんねトレーニングに関する書籍を読んで、イメージトレーニングをしていました。
今、実際に二人目育児がはじまって、常に考えていることは、下の子をどうやって寝かせて、上の子とどういう時間を過ごそうかということ。さらに自分もしっかり睡眠を取って元気でいられるように、ねんねトレーニングを実践している最中です。
――実際に、ねんねトレーニングではどんなことをするんですか?
アンナ:まずは環境をしっかり整えて、愛情表現をしたり絵本の読み聞かせなど、寝る前のルーティンの中で母乳やミルクを飲ませます。母乳やミルクを飲ませたまま寝かせるということはしません。それから、赤ちゃんが起きた状態のまま“おくるみスリーパー”で包んで寝床に置いて、部屋は真っ暗にし、親は部屋を出てベビーモニターで見守るやり方を実践しています。あまりにもひどく泣き続ける場合や、泣きすぎて吐いてしまうなど危険を感じる時以外は、なるべく見守るやり方です。
ねんねトレーニングに関しては賛否両論あるのですが、私は書籍やSNSでしっかりとした知識をつけてから、自分に合うやり方を見つけて実践しています。
赤ちゃんをお布団に置いたら、見守りながら必要以上に介入はしません。泣いてしまっても、心を鬼にしてそのまま泣かせておきます。最初の頃は、1時間泣きっぱなしということもあって、その泣き声を聞くと苦しくなっていました。
まだまだトレーニングの途中ですが、昨日は8時間も寝てくれたんです。夜に赤ちゃんが自分で眠れるようになると、それが朝寝・昼寝・夕寝でもできるようになるそうです。
うちのように二人目育児の場合は、まずは下の子を寝かせます。我が家の場合は、「ひめっちを寝かせてくるから、ちょっと遊んでいてね」と言って、おもちゃで遊んでいてもらいます。普通に寝かしつけるとなると、母乳やミルクをあげて、抱っこしたりトントンしながら寝るまでそばにいたりと、かなり時間がかかりますよね。それが、ねんねトレーニングを取り入れると、その分、上の子との時間をたっぷり取ることができて、上の子の心のケアにもなっていると思うんです。
徹底した“上の子ファースト”で、心配していた赤ちゃんがえりもなし
――二人目育児がはじまってから、うれしかったことはどんなことでしょうか。
アンナ:長男が赤ちゃんがえりをしていないことですね。これは、夫や両親、そして友人たちが、長男ファーストで接してくれているからだと思うんです。生まれたばかりの小さな赤ちゃんがいると、どうしてもみんな、赤ちゃんの方に行ってしまいがちじゃないですか。でもそこで、「ミニッち、遊ぼう!どこに行きたい?」「ミニッち、お兄ちゃんになったんだね。おめでとう!」というように、みんなが長男ファーストを徹底してくれています。
そんな環境にいられるからか、息子の口から、「妹ばっかりずるい!」なんて言葉は一切聞きません。むしろ、「ひめっちが泣いているよ」「ひめっち、おなか空いたんじゃない?」というような、優しい言葉しか出てこないです。私は、息子のそんな様子もうれしいですし、上の子のサポートをしてくれる夫や両親、友人たちにとても感謝しています。こういう環境にいられるから、息子は寂しくないんだと思うし、赤ちゃんがえりもしないのかなと思っています。
――それは、ご自身の考えで意識されてきたんですか?
アンナ:二人目を出産する前に、二人、三人ときょうだい育児をされている先輩ママたちに、「意識していることはありますか?」を聞いてみたんです。すると、「何があっても上の子ファーストにすること。でも、これが意外と難しくて、意識しないとできないよ」とアドバイスをいただいたんですね。
それで、「赤ちゃんは当たり前のように可愛くてほっとけない存在だけど、でも何があっても、ミニッちファーストにしてほしい」と、夫と両親へお願いしたんです。「おっぱいをあげていたり、赤ちゃんだけに集中してしまう時があるけど、私と下の子は放っておいてもいいからミニッちをお願いね」と。夫も両親も「もちろん!そうしよう」と言ってくれましたね。
赤ちゃんがえりをすると、下の子を育てるよりも大変だったという話も聞きますよね。こういう情報を、私の中だけで留めておくんじゃなくて、夫や両親とも共有するようにしていました。
愛をストレートに伝えることは大事。それを子どもたちにもつなげたい
――ご両親やまわりの方々、みなさんのチームワークがすごくいいですよね。
アンナ:私も夫も、家族が大好きで、家族を優先するという考えがベースにあるからだと思います。両親からもこれだけサポートをしてもらえるのも、私が小さい頃からずっと変わらず、何でも話せる友達のような家族だからかなと思うんです。隠し事もしないし、恥ずかしい気持ちもないです。きっと、両親がそういう雰囲気を作ってくれていたからかもしれないですね。
そして夫と出会って、夫ともそういう関係性を築けていると思います。とにかく、私たち夫婦はよく話します。自分の今の気持ちをお互いに“共有し合う”感じですね。両親とも夫とも、何でも話せる関係性だからこそのチームワークなのかなと思います。
そして息子にも、まだ4歳でわからないことも多いかもしれませんが、話し合いに参加してもらうこともあります。「ミニッち、どう思う?」と聞くようにしています。妹のことだったり、通っているスクールでのことだったりするんですが、「どう思う?」と問いかけてみて、息子の気持ちを引き出すようにしています。
たとえば、息子が手の障害のことでお友だちから何か言われることも実際にあります。そういうときに、自分の気持ちを共有してくれるような関係性を、息子とも、娘とも作っていきたいなと思うんです。だからまずは、私たち夫婦が話し合いをして、そういう空気感を作ってあげたいですね。
――どんなご家族になりたいかなど、理想やイメージされているものはありますか?
アンナ:理想として思い描いているのは、夕食時はテレビを観ないで、家族みんなでわちゃわちゃ話をしている、そんな家族になりたいですね。話すことが大好きな子どもたちに囲まれて過ごしたいですね。
そして、子どもは大事だし宝物ですが、やっぱり、私の中では夫が一番なんです。夫がいるから今の私がいるし、夫がいるから息子がいて、娘が生まれたんですよね。そして夫のおかげで、こうやって楽しく子育てさせてもらっている。その感謝や、夫を尊敬する気持ちだったり、愛の伝え方を大事にしていきたいと思っています。
子どもって、大人が思っている以上に、大人を観察しているんだと思うんですね。たとえばミニっちの場合だと、私たち夫婦のことをよく見ているなと感じることが多くあります。夫婦が愛をストレートに伝え合うところや、家族みんながよくしゃべるところなど、ミニっちの普段の言動に現れていて、それがとても面白いです。
今はパパやママ、友だちにかもしれませんが、息子や娘も将来出会う大切なパートナーに、愛を伝えられるようになるといいなと思います。そして愛する気持ちだけじゃなく、間違っていたら間違っているよと伝えられるようになってほしいし、そういうことが言い合える関係性が築ける人になってくれたらいいですね。
写真提供/美馬アンナさん、取材・文/内田あり、たまひよONLINE編集部
●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●記事の内容は2023年12月の情報で、現在と異なる場合があります。
<プロフィール>
美馬アンナさん
1987年生まれ、女優、タレント。2014年に、プロ野球選手の美馬学氏と結婚。(現・千葉ロッテマリーンズ所属)。2019年10月に長男を出産し、先天性欠損症(右手首欠損症)と診断される。2023年8月に第2子となる女の子を出産。