子育てママにおすすめ!貧血にいい食べ物
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妊娠中は、食事に注意できていた人も、子どもが生まれると自分の食事はおろそかにしてしまうことも……。健診などの血液検査でわかることもありますが、疲れやすい、肌がくすむ…など体の不調があらわれたら、貧血かもしれません。ママが毎日元気に過ごすために、貧血対策におすすめの食べ物を紹介します。
中村美穂/保育園栄養士として、乳幼児の食事作りや食育活動、地域の子育て支援事業等に従事。独立後は料理教室「おいしい楽しい食時間」を開催し、離乳食講座、書籍・雑誌等の執筆、監修を多数担当している。
どうして貧血になるの?
貧血は、血液中のヘモグロビン値が減少し、体が酸素不足になる病気です。血中のヘモグロビンの数値が男性13.0g/dl以下、女性12.0g/dl以下になると貧血と診断されます。貧血になると、動悸、息切れ、倦怠感、頭痛など様々な症状があらわれます。
貧血の中で最も多いのが鉄不足による鉄欠乏性貧血。鉄は全身に酸素を運ぶ役割をしていますが、尿や汗、便から出て行く鉄に加え、女性は月経により多くの鉄が失われるため、貧血になりやすいのです。無理なダイエットによる栄養不足や、妊娠、出産、授乳によっても多くの鉄が必要となり、貧血のリスクが高まります。
(日本人の食事摂取基準2015年版によると、一日の鉄の摂取推奨量は、女性(月経あり)10.5㎎、妊娠初期と授乳気は+2.5㎎、妊娠後期は15.0㎎とされています。)
鉄が多い食べ物を積極的にとろう!
貧血予防にまず必要となる「鉄」は、肉や魚に含まれる「ヘム鉄」と植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」と呼ばれる2種類があります。ヘム鉄の方が吸収率が高いので、貧血予防にはヘム鉄を含む食品がおすすめです。
ヘム鉄の多い食品
レバー(豚レバー80gで鉄10.4mg)、赤身の肉(牛、豚、馬、羊など)、赤身の魚(マグロ、カツオ、青魚(サバ、イワシ、サンマなど。特に血合いの部分)、卵
非ヘム鉄の多い食品
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貝類(牡蠣、アサリなど)、海藻(ひじき、海苔など)、大豆製品(納豆、きな粉、高野豆腐など)、緑黄色野菜(ほうれん草、小松菜、チンゲン菜など)、ドライフルーツ(プルーン、いちじく、レーズンなど)、
鉄の吸収を阻害する成分
非ヘム鉄は吸収率が低く、一緒に食べた食品にも影響されやすい特徴があります。コーヒーや紅茶、緑茶に含まれるタンニンや、大豆や海藻、玄米(穀物の外皮)など多く含まれる食物繊維は非ヘム鉄の吸収を妨げる要因になるといわれています。これらの成分は健康維持にプラスになるものですが、鉄の吸収についてはマイナスになりますので、取り過ぎに注意が必要です。
鉄の吸収を促進する成分
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非ヘム鉄はたんぱく質、ビタミンCと一緒に摂ると吸収率がアップするので、肉や魚などとあわせて、ビタミンCが豊富な野菜やフルーツをとるとよいでしょう。
鉄の他に有効な成分
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ビタミンB12や葉酸の不足も貧血の原因となります。
ビタミンB12はカツオやあさりなど、葉酸はほうれん草、ブロッコリー、菜の花、いちごなどに多く含まれています。
たんぱく質、鉄、ビタミン類など貧血予防に大切な栄養素がバランスよく含まれている食材として特におすすめなのはレバーとあさり(水煮缶)。例えば、鶏レバーなら、新鮮なものを開封したらそのまま沸騰した湯で10分程ゆでてしまいましょう。水洗いしてハサミで一口大に切り分けて鍋に戻し、酒、みりん、砂糖、しょうゆ、しょうがなどで甘辛く煮ると手軽に食べらる常備菜に。あさりは水煮缶が手軽。スープやパスタ、混ぜご飯などに入れるとうまみもアップします。
また、調理には鉄のフライパンや鍋を使うと鉄の摂取につながります。
オススメの食べ方
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(朝)パンとコーヒーのみはNG。冷凍ほうれん草とチーズ入りのオムレツにオレンジジュースや市販のトマトスープなどを添えて。
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(昼)外食なら栄養バランスがよい和定食や、タンパク質と野菜がとれるパスタランチなどがおすすめ。コンビニやお弁当、家で食べる場合も、タンパク質と野菜をしっかり摂るようにして、鉄入りドリンクなどをプラスしてもよいでしょう。
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(夜)赤身の肉や魚でヘム鉄をしっかり補給して。刺身や納豆など調理せずに手軽に食べられるものをプラスしても。主菜の肉にも野菜を加えたり、副菜や汁物で緑黄色野菜や大豆製品を加えたりして、バランスの良いメニューに。さらに柑橘類やイチゴをデザートにするとよいでしょう。
子育て、家事、仕事と忙しいママは自分の体のことは後回しになりがちです。子どもの食事も気になりますが、ママが元気でいることをまず大切にしましょう。ママ自身の美と健康のために、栄養バランスよく食べることを心がけ、食生活を楽しむことで、自然に子どもも食べることが好きになるといいですね。(文・中村美穂/管理栄養士)
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