「親の楽しみのために一時保育を利用していいの?」ためらう妻に夫がかけた言葉『ふうふう子育て #11』
ある日、娘・ふーみんが早寝してくれて、久々に夫婦2人の時間を取ることができた青鹿さん夫妻。とても楽しい夜を過ごし、これからは夫婦の時間も大切にしていきたいと思ったのですが、たまには昼にも出かけたいと思うようになりました。ただ、親の楽しみのために子供を預けていいのかと逡巡して……。
一時保育に罪悪感があって……
大ピンチになる前に社会に頼ることを学ぶ
あらかじめ決めた日に、夫と計画的に協力しあって娘を早く寝かせることで、やっと手に入れた夫婦2人の自由時間は、とても楽しいものでした。
だから、できたら昼間にも夫婦の時間があったら楽しいだろうなぁと思ったんです。自宅でのDVD鑑賞もいいけど、たまには2人で映画館や美術館へ行ったり、大人向けのカフェやレストランでランチしたり。
でも、そんなのは娘が大きくなって手が離れてからだと思っていた私に、夫は「え? 今もやろうよ」と言ったんです。私たちは里帰りなし出産だったし、実家が遠く、とても娘を親族に預けられる環境ではないので「無理だよ」と答えたのですが、夫は「自治体がおすすめしてる一時保育を使えばできるじゃん!」と。
一時保育があることは私も知っていたのですが、夫と昼間に遊びたいから使いたいなんていけないのではと思っていたんです。
しかし、夫の考えは逆で「僕たちには気軽に頼れる親族がいない。だからこそ、大ピンチになる前に社会に頼ることを学んでおいたほうがよい」と。確かに2人とも大ピンチになってから「どこに頼ろう?」と選ぶのでは遅いし、それではとてもシンドイです。それより早くリフレッシュしてピンチを回避するほうがよさそうだと納得しました。
そこで、自治体のウェブサイトを調べてみると、保育園やこども園などのほか、一時保育のための施設が見つかりました。中には「事前に面接が必要」「訪れたことのある乳幼児優先」なところもあり、せっぱ詰まる前に、まずお試しで利用することも大切だと学びました。
実際に一時保育をお願いしてみると、「あ、なるほど! 子どもの世話をお願いするのはこういうことか」ということがわかりました。まず、子どもを安心して預けるために必要な情報や物を知ることができました。「どうしても必要な時だけ!」だけだと余裕がないので、準備の時点で慌ててしまうかもしれません。
次に、一時保育で保育士さんにかわいがってもらって、どんな様子かがわかって安心することもできました。誰かに育児をお願いする後ろめたさ、漠然とした不安といった心のブレーキが軽くなったと思います。
そして夫婦でリフレッシュしたことにより「楽しかったね」と伝え合うことができ、楽しい気持ちで一緒に子育ての時間へ戻ることができたんです。余裕のある時の一時保育は、私たち夫婦にとって、すごくいい経験でした。
(編集協力:大西まお)
漫画家 青鹿ユウさんのプロフィール
漫画家。夫と娘と猫と暮らしている。自分の経験、専門家から学んだことを「気軽に楽しく読めて、ちょっとためになる」漫画にしたいと思っている。著書に『今日から第二の患者さん』(小学館)、共著書に『子どものアトピー性皮膚炎のケア』、『ほむほむ先生のアレルギー教室』がある。
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http://aoshikayu.com/
※この記事は、過去に「マイナビ子育て」に掲載されたものです。