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連休や週末の夜ふかし・朝寝坊は「社会的時差ボケ」をまねく!? 休日の子どもの睡眠はココに注意【乳幼児睡眠コンサルタント】

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ベッド背景で眠っているかわいいアジアの子女の子にビンテージの目覚まし時計
●写真はイメージです
Sasiistock/gettyimages

楽しいイベントがある連休やゆっくりしたい週末などは、親も子どももついつい夜ふかしや朝寝坊をしてしまいがちです。休み明けの朝はすっきりと起きられず、「まだ起きたくない」「保育園に行きたくない」とグズグズしてしまうなんてことはありませんか?
そんな3〜5歳に多い休日の睡眠の悩みや親の睡眠不足について、アメリカ・ニューヨークを拠点に活動する睡眠コンサルタント・愛波あやさんに聞きました。
全2回インタビューの2回目です。

休み明けの朝がつらいのは「社会的時差ボケ」の可能性あり!?

――著書『忙しくても能力がどんどん引き出される 子どものためのベスト睡眠』の中で、「休み明けの朝に起きるのがつらいのは『ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ボケ)』によるもの」とあります。「社会的時差ボケ」というのはどういうものなのでしょうか?

愛波さん(以下敬称略) 連休中は毎日朝寝坊の生活をするなどで、体内時計が狂うと休み明けの朝がつらいことも。海外旅行で飛行機に長距離乗ったときと同じような時差ボケ状態になっていることから「ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ボケ)」と呼ばれています。

とくに2時間を超える「社会的時差ボケ」があると、睡眠の質の低下はもちろん、日中に強い眠けを引き起こすことがわかっています。休み明けの1日だけではなく、その週の前半まで日中のパフォーマンスを低下させ、学業やお友だち関係にも悪影響を及ぼします。

――子どもの「社会的時差ボケ」を防ぐために、親が気をつけられることは何かありますか?

愛波 とてもシンプルなことですが、体内時計を毎日しっかり整えることです。たとえば、休日の朝、普段よりも2時間以上長く寝かせてしまうと、その日の就寝時間も遅くなりがちです。週末の土曜に1日だけ1時間くらい遅く起きたり、寝たりするくらいならまだいいのですが、日曜までそれを続けてしまうと、休み明けにも影響します。

体内時計をきちんと整えるには、起床後にしっかり朝日を浴びることがとても大切です。朝日を浴びることでセロトニンが分泌されて、それが夕方から夜にかけて睡眠ホルモンのメラトニンになっていくので、まずはしっかり朝日を浴びることを意識してみてください。いい睡眠のためには、外に出て運動をしたり、食事もしっかりとったりしてほしいですね。

連休などがあると同じ時間に寝かせることが難しい日もあると思いますが、なるべく大体毎日同じようなスケジュールで子どもを寝かせてほしいですね。寝る時間と起きる時間がどんどんずれていってしまうと、休み明けの朝をつらく感じてしまいます。遅寝遅起きにならないためにも、朝6時まではしっかり遮光をすること。6時以降は朝日をしっかり部屋に入れることをぜひ試してみてほしいです。

起床時間を過ぎていても寝かせてOK?それとも起こすべき?

――朝、子どもが普段の起床時間を過ぎても寝ているときはどのように起こすのが効果的でしょうか?

愛波 それが休日の朝で、かつ平日に睡眠時間を十分にとれなかった場合の寝坊であれば、そのまま寝かせてあげてもOKです。ただ、朝寝坊をする理由がしっかりわかっているときはいいのですが、理由がわからず昼近くまで寝ている・・・、という事態は避けたいですね。

平日の朝寝坊の場合は、まずは遮光カーテンを開けるとか、「光」で起こすことを意識してみてください。その次は「生活音」を出してみるといいでしょう。親が「朝だよ。起きよう!」と声をかけるのは最後です。

子どもが朝寝坊をしてしまった日は、ママ・パパに「今日はいつもより早い時間に寝かせよう」と意識してもらえたらと思います。たとえば、思いきって「今日は家族全員20時に寝よう!」と行動してみるのも手ですよ。

悩ましい旅行中や外出中の“お昼寝問題” どう解決するのが吉?

――普段お昼寝をしている子は、外出中や旅行中でもお昼寝をさせたほうがいいのでしょうか?

愛波 普段お昼寝をしている子であれば、お昼寝をさせたほうがいいですね。でないと、夕方に不機嫌になったり、16時や17時にコテンと寝て夜に寝なくなったりするかもしれません。でも、子どもがお昼寝をまったくしたがらないとか、寝かせようとしても「嫌だ!」と抵抗することもありますよね。そういうときは、その日の夜はいつもより早めに寝かせてあげてください。18時半とか19時ごろには活動時間の限界がくると思うので、19時ごろまでには寝かせてしまうといいと思います。子どもが眠そうにしていたら、睡眠を優先してほしいですね。1日くらいおふろに入れなくてもいいよ、と思います。

気をつけたい親の睡眠不足 解消法はある?

――子どもを寝かしつけた深夜に家事をしたり、趣味の時間にあてたりするなど、子育て中は睡眠不足に悩まされる親も多いです。親が睡眠不足にならないために気をつけることはありますか?

愛波 子どもだけでなく、親も規則正しい生活を意識してもらえたらと思います。とはいえ、私自身も毎日規則正しい生活を送れているわけではありません。たとえば、旅行中くらいは就寝時間が遅くなったり、朝起きるのが9〜10時になってしまったりしてもいいです。睡眠時間を気にしすぎて旅行を楽しめないのはもったいないので、そういうときはぜひ楽しむことを優先してもらえたらと思います。

――特別なイベントのときなどは、就寝時間を気にせず、楽しむことも大事ですよね。

愛波 そうですね。就寝時間が遅くなってしまう日があっても、それがそのまま日常になってしまわないように気をつけることができれば大丈夫です。意識してほしいのは、生活リズムそのものを崩さないこと。シンプルなことですが、これがとても重要です。自己肯定感の減少、イライラ、うつの原因など、睡眠不足はよくない結果を招くことがわかっています。だからこそ睡眠はおろそかにしてほしくないですね。

――最後に「たまひよ」の読者へメッセージをお願いします。

愛波 子育て中のママ・パパは本当に頑張っていますよね。男女平等に子育てする時代ですが、それでもママの負担が大きい家庭が多いのではないでしょうか。日本のママはとくに頑張っているなと思うので、頑張っている自分を認めてあげてほしいですね。うまくいかないこともたくさんありますが、そういう自分を認める、許すことも大事です。ママはもっと自分のことも大切にしてあげてください。

嫌なことや不安なことがあったら、まずはしっかり寝ること。その上で睡眠に悩んだら、専門家に相談することも考えてもらえたらと思います。

お話/愛波あやさん 取材・文/高本亜紀、たまひよONLINE編集部

3・4・5歳を子育て中の家庭で将来的に中学受験を考えているママ・パパもいるかもしれません。受験に向けて意識しておくことはあるかを愛波さんに聞くと、「体内時計をすっきりと整えておいてください。受験が行われるのは日中です。夜寝られないとか、夜型の生活に慣れてしまうと、日中に集中力のピークをもってくることが難しくなります。朝しっかりと起きることを幼少期から続けていると、受験期を迎えても子どもの体への負担が少なく、ラクだと思いますよ」と教えてくれました。

小さいうちから、親子で一緒に生活リズムや体内時計を整えることを意識してみませんか?


●記事の内容は2024年9月の情報で、現在と異なる場合があります。

『忙しくても能力がどんどん引き出される 子どものためのベスト睡眠』

幼児〜中高生、とくに小学生の睡眠にスポットを当てて、勉強にもスポーツでも最大限の能力を発揮でき、賢い子に育つための睡眠メソッドを紹介。とくに中学受験のための通塾などで睡眠時間の確保が課題となっている家庭は必見! 愛波あや著・三池輝久監修/1650円(KADOKAWA)

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