【主婦調査】働き方改革で収入が「減った」と感じている家庭は何割?
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現在、各企業だけでなく国を挙げて法案の審議を進めようとしている「働き方改革」。これまで当然のように行われていた残業など時間外労働が見直され、パパが早い時間に帰宅するようになったという家庭もあるのでは? でも一方で「残業代がつかなくなって収入が減った」という声も聞きます。主婦に特化した人材サービス『しゅふJOB』の調査機関「しゅふJOB総研」が働く主婦層に行ったアンケート調査から、「働き方改革」による収入の影響が見えてきました。
※この記事は「しゅふJOB総研」が2018年3月14日~3月28日に実施したアンケート調査『働き方改革による労働時間と家庭の収入』の結果を元に構成しています。
24.6%が「働き方改革」の推進で労働時間が減ったと実感
Q1.働き方改革が推進されて、労働時間減少を実感することはありますか?(単一回答)
ある 24.6%
ない 75.4%
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今の段階で「働き方改革」によって労働時間の減少を実感している人は24.6%ほど。<労働時間減少を実感することが「ない」と答えた人>のフリーコメントを見ると、
「労働時間が短縮できるのは結局は大企業や公務員だけ」(50代:派遣社員)
「ブラック企業ではまったく反映されていない。しかも契約社員には関係ない」(40代:契約社員)といった声が。「働き方改革」を実感できるのはまだ限られた環境の人だけで、派遣社員、契約社員などで働く主婦には遠い世界の話……。
とはいえ、すでに約1/4が影響を感じているというわけで、<労働時間減少を実感することが「ある」と答えた人>では、
「夫のみ会社員で、今まで残業続きでしたが、働き方改革によって労働時間は減り、収入は増え、家族の時間も増え、心身共に健康な方向に進んでいるので、ぜひこれからも改革を進めていただきたいです」(30代:フリー/自営業)とのコメントも。
労働時間の減少を実感するのは「時短勤務の求人の増加」から
Q2.Q1で「ある」と答えた方にお聞きします。労働時間減少を実感したのはどんな時ですか?(複数回答)
時短勤務の求人が増えた 46.9%
自分の労働時間が減少した 30.3%
配偶者またはパートナーの労働時間が減少した 29.1%
周囲や世間の雰囲気からそう感じる 25.1%
プレミアムフライデーの実施 10.9%
その他 4.0%
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自分や配偶者の労働時間減少よりも「時短勤務の求人が増えた」ことから「労働時間減少」を実感している人が多いという結果に。今までのようにフルタイム勤務を前提とせず、育児や介護などで時間に制約がある主婦にとっても働きやすい社会になりつつあるということですね。これはとてもうれしい状況です!
「働き方改革」によって家庭の収入「増えた」?「減った」?
Q3.働き方改革によって、あなたのご家庭の収入に何か影響は出ていますか?(単一回答)
配偶者またはパートナーの収入が増えた 1.1%
自分の収入が増えた 2.5%
配偶者またはパートナーの収入が減った 14.9%
自分の収入が減った 13.8%
何も影響はない 65.9%
その他 1.8%
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収入が「増えた」もしくは「減った」と回答した人だけをクローズアップすると「増えた」と回答した人が3.7%なのに対して、「減った」と回答した人は28.7%。「増えた」の7.8倍の人が「減った」と答えていることに。
さらに、Q2で「自分の労働時間が減少した」または「配偶者またはパートナーの労働時間が減少した」と回答した人に限定して収入への影響を聞くと、驚きの結果が……。
自分や配偶者・パートナーの労働時間が減少した家庭は、7割が収入も減少!
自分や配偶者・パートナーの労働時間が減少したと答えた人のみ(n=100)
配偶者またはパートナーの収入が増えた 1.0%
自分の収入が増えた 2.0%
配偶者またはパートナーの収入が減った 30.0%
自分の収入が減った 43.0%
何も影響はない 23.0%
その他 1.0%
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「働き方改革」によって自分や配偶者・パートナーの労働時間が減った人だけ見ると、収入が「増えた」と答えた人は3.0%なのに対して「減った」と答えた人が73.0%にも昇ります。
フリーコメントからは、
「残業時間は減った分、基本給が上がれば一番いいのだが、現実は基本給は上がらず、ボーナスカットだから結局は収入が減った」(40代:今は働いていない)
という苦しい現状がうかがえます。家計を預かる主婦にとっては、全くありがたくない状況です。
これは労働時間が長ければ長いほど収入がアップするという以前からのシステムに原因があるのでは。
「私自身は在宅の仕事をしているので大変ではないが、小さい子どもが複数いて、働いているお母さんは本当に大変そう。子どものいるお父さん、お母さんは、なるべく無駄な残業をさせないようなシステムを作ってほしい。収入に関しても裁量労働制を取り入れ、長時間だから給与が高い、というのはやめてほしい」(40代:SOHO/在宅ワーク)
というコメントにもあるように、「働き方改革」が推進されるため、労働時間が減少しても、給与が維持されるようなシステムが不可欠ということですね。
いくら労働時間が減って、生活にゆとりが出ても、収入が下がってしまうのは大問題! 労働時間と給与が比例しないシステムをぜひ導入してもらいたいです。
(文・古川はる香)
■文中のコメントはすべて、『ウィメンズパーク』の投稿からの抜粋です。