「ほめて育てる」には注意が必要?子どもの力を伸ばすために必要な2つのこと【専門家】
今回のテーマは「子どもとの関わり方」についてです。普段、将来を考えてわが子の力を伸ばすような関わり方を心がけていますか?
「たまひよ」アプリユーザーの意見を聞くとともに、発達心理学が専門の青山学院大学コミュニティ人間科学部コミュニティ人間学科教授・菅野幸恵さんにアドバイスをいただきました。
子どもを尊重する接し方を模索
最初にみんなの声から紹介します。
「とくになし。何をしたらいいか、わからない…」(よっちゃん)
「子どもがやりたいことは、なるべくやらせるようにしている」(けいこ)
「形にはめないこと。自由な発想を大切にすること」(ぴよまる)
「短所を改善するより意欲を大事に!本当にダメなこと(法を犯すなど、あまりにも人に迷惑をかけてしまうことなど)以外はのびのびやらせる・見守るようにしています」(急がば便利グッズちゃん)
「絵本の読み聞かせを毎日3冊している」(ぶち)
「集中しているときは、なるべくそのまま集中させています。途中で親が止めると、集中力が身につきにくくなると聞いたので」(おいたんのママ)
「顔を見て、たくさんお話している」(ちみ)
「ほめる!認める!」(なちゅ)
「めちゃほめる!めちゃ応援する!まだ、それがわかる年齢ではないですが(笑)」(山盛りごはん)
「失敗することを怖がることが多いので、結果ではなく挑戦したこと、頑張ったことをほめるようにしています」(kaz)
「いろんな場面で応用が効くように、『なぜこうなっているのか?』を一緒に考えること」(まる)
「何度言ってもやらないことは、もしかしたらまだやれないことなのではないかと考えて、待つようにしている。そして、本人がやりたがることは、やり終えるまで待つ」(まりあんな)
「初めての体験、初めてのものへの接触の機会をなるべく作るようにしている。そうした経験を積むことで、初めてのことにも物怖じしないようになってほしい。また、本人の可能性を潰さずに活かして、自分の好きなことに邁進してくれるとうれしい」(おもちもちもち)
「どう接していいか」と悩む方もいますが、多くの親御さんがいろいろと工夫して接している様子がわかります。子どもが自らの力を伸ばしていけるようになるための接し方に正解はあるのでしょうか。
乳幼児期の親子関係にくわしい青山学院大学コミュニティ人間科学部コミュニティ人間学科教授の菅野幸恵さんに、おすすめの関わり方や近年注目されている「ほめて伸ばす」育児について、お聞きしました。
子どもの丈夫な根っこを育てるために必要な2つのこと
「みなさんの実践、とても素敵です。お子さんへのリスペクトが感じられます。
お子さんを自分とは異なる1人の人間として尊重されていることが伝わってきます。
これは、お子さんの年齢に関わらず大事な姿勢です。
子どもを育てていると心配のあまり、手や口を出したくなることがあると思いますが、そこをぐっとこらえてお子さんのチャレンジを見守ることが肝要です。
もちろん、子ども自身では気づけない危険については、大人が配慮する必要があります。それ以外は基本的に子どものやりたい気持ちを尊重したいものです。
『子どもが集中しているときはなるべく止めない』というコメントがありましたが、子どもは今を生きる生き物です。学校に入るとなかなか今を生きられずに、明日のために自分の思いをコントロールする必要が出てきます。
それまではできるだけ(いつもでなくてもいいのです)、時間や空間を大人の都合で区切らずに、子どもがしたいことができるといいですね。
そのためには、コメントにもありましたが、『待つ』姿勢が求められます。
とりわけ幼児期は人生の根っこを育てるときです。それは目に見えにくいものなので、形あるものを求めたくなりますが、ちょっとやそっとでは倒れない根っこを地に張らせたいですね。
丈夫な根っこを育てるためには、『私が好き』という感覚と『私は○○が好き』という感覚をもてることが重要です。
『私が好き』という感覚は、無条件に認めてもらうことで育まれます。“あなたはあなたのままでいいんだよ”ということです。
一方、『私は○○が好き』という感覚は、後の価値観や知的好奇心の形成につながっていくものです。
ただ『好き』をみつけるのには時間がかかるので、焦らず見守ってください。
『どうしたらいいかわからない』場合は、お子さんの様子をよく見て、何に興味をもっているのか、観察してみましょう。お子さんの興味がわかると、関わり方が見えてくると思います。
一緒に考えるというのも大事な姿勢です。大人だってわからないことがあるし、おもしろいと思うことを一緒に探求できるのは素晴らしいことです。
小学校に入ってしまうと、やらなければならないことが増えてきますが、タスクに追われなくてすむ時間をつくれるといいですね。
子どもと関わるときに大事なのは、まず自分の価値観を見つめ直すことです。
親御さんが『なぜこれをしてほしいのか、してほしくないのか』。
そこにはおうちの人の価値観が多分に含まれています。
『ほめて育てる』ことが強調されることがありますが、ちょっと注意が必要です。ほめる行為には、親のこうなってほしいという価値観が含まれているからです。
子どもは大人に認めてもらいたいので、ほめられることをしようとします。
しかし、それは自分のしたいことではないので、根っこを育てることにはつながりません。
ほめるとしたら、コメントにもあったように、結果ではなくプロセスをほめてください。
うまくいかなかった場合は、次にどうしたらいいのかを一緒に考えられるといいですね」(菅野幸恵さん)
(取材・文/橋本真理子、たまひよONLINE編集部)
菅野幸恵さん
PROFILE)
青山学院大学コミュニティ人間科学部コミュニティ人間学科教授。専門は、発達心理学で研究テーマは、乳幼児期の親子関係、地域コミュニティでの子育てについてで、子育ち・子育てに関する科目を担当している。子どもや大人の育ちの場としての自主保育、青空保育に関心を持ち、フィールドワークを継続中。著書に『あたりまえの親子関係に気づくエピソード65』(新曜社)、『つながりの子育て』(共著/理工図書)、『エピソードで学ぶ子どもの発達心理学—関係のなかでそだつ子どもたち』(共著/新曜社)がある。
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※記事の内容は2026年6月の情報であり、現在と異なる場合があります。


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