御手洗直子の「つっこみが止まらないコマダム日記」第二回
婚活コミックが大ヒット! pixivで累計閲覧数500万以上を誇る、爆笑コミックエッセイスト御手洗直子さんが、笑いあり笑いありの子育て日記を短期連載。
おたくマンガ家「コマダム日記 鶴は7億の夢をみるか(タオルの話)」
今宝くじで7億円当たったら何をしたいかと言われたらタオルを全部買い換えたいです。
いや、違うんだ。タオルを買い換えるくらいのお金はあるんだ。
何が足りないって心が足りないのである。『まだ使えるものを捨てる』という勇気。私にはそれがない。
世間的にどのレベルになったらタオルを捨てて新しいものと交換するかという基準をよく知らないのですが、タオルソムリエさんが言うにはタオルの寿命は洗濯30回なんだそうです。一カ月じゃないですか。
うちのタオルはたぶんどれも下ろして10年以上は経過している。寿命の120倍なんだけど。鶴だったら3000歳なんだけど。鶴は千年より無理させてるんだけど。ほんとごめん。どれもうっすら灰色をしている。
全部捨てたい。
全部新しいのと交換したい。
しかし前述したとおり私にはその勇気がない。
たとえうっすら灰色で織り込まれた繊維が抜け落ち、残った縦糸と横糸のみでまるで投網のようになったタオルでもまだ水分を吸収し濡れ物を乾かすという役目を果たしている以上捨てることができないのである。そこまですんな。
唯一うちのタオルがその役目を終えられる時とは年に一回あるむすめの保育園での雑巾回収日である。年に3枚、うちのタオルの底辺中の底辺から3枚が選出され雑巾となって回収されていくのである。まさに雑巾レベル。っていうか100均で売ってる雑巾の方が確実にきれいである。白くてフカフカしている。
今の私にはタオルを買うことはできても捨てることができない。でも7億円あればできる気がする。と思ったけどやっぱ無理かも。全部雑巾にして家中を拭きたい。なのでいっそタオルを買うのではなくタオルをレンタルしてみたらどうかと思って調べてみた。一枚単価15円。(今適当に検索してヒットした会社の場合)家族三人なので一日3枚として一カ月で90枚×15円+送料3000円で4350円。アレッ?!意外と高くなかった。もっと何万円もするかと思ってた。この数量で貸してくれる業者がいるのかとか、まあ一般家庭のタオル代としては割高とかいろいろあるけど、ものすごい夢物語りでもなかった。まじか。
そうか。いつかお金持ちになったらタオルをレンタルしよう。あのホテルとかに置いてある、使い捨ての紙じゃない布のハンドタオルとか、バスタオルも全部。月に一万円もあれば足りるんじゃないか。7億あれば余裕だ。マダムにふさわしいタオルライフを送ることができる。あとは7億だけだ。買ってすらいないのに楽しい、宝くじ夢想はすごい(おわり)
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御手洗直子プロフィール
pixivで大人気。累計閲覧数1000万を誇る爆笑コミックエッセイスト。なんでそんなにネタ満載人生を・・・という謎の人。既刊に「31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる」「31歳ゲームプログラマーが婚活するとこうなる」(共に新書館)、「腐女子になると、人生こうなる!~底~」(一迅社)、「つっこみが止まらない育児日記」(ベネッセコーポレーション)など。
定価1080円 ベネッセコーポレーション
→詳しくはこちらから。たまひよメイトブログで7話まで公開中
おたくマンガ家コマダム日記 第一回 「一日の始まりはクロワッサンとカフェオレで(はない)」
※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。