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赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の症状と対処法

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赤ちゃんの皮膚が赤くなると、アトピーでは?と心配になりますね。ママやパパが花粉症やじんましんの症状を持っていると、余計に心配になるもの。いったいアトピーとはどんな病気で、どんなときに発症し、どうすれば治るのか、説明します。

アトピー性皮膚炎とは

赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の概要を紹介します。

赤く湿った湿疹が慢性的に現れます

乳幼児に多い代表的な皮膚疾患の一つです。赤く湿ったブツブツが、顔まわりや首、関節、おなか、背中などに出ます。ジュクジュクしたり、カサカサしたり、年齢によっても状態が変わります。よくなったり、悪くなったりして長く続くことが大きな特徴です。

アトピー性皮膚炎の原因とメカニズム

赤ちゃんのアトピー性皮膚炎はどうして起こるのでしょうか? その原因を紹介します。

アトピー性皮膚炎はなぜ起こる?

体には、異物が入ってくると追い出そうとする反応が備わっています。たとえば病気のウイルスが体に入ってくると、それを追い出そうとする物質(抗体)を作り、ウイルスを追い出すことで病気にならずに済みます。このように抗体が人間の体にいい方向で働いたときは、免疫反応といいます。
 一方、卵や花粉など、通常は人体に悪影響を与えることのないものが体内に入ってきたときにも、それを追い出そうとして抗体を作ってしまう場合があります。その結果、鼻水やせき、下痢などの症状が出ます。このように体に悪い方向に働く場合をアレルギー反応といいます。
 そのアレルギー反応が皮膚に出て、炎症を起こすものがアトピー性皮膚炎(アトピー)の一つの原因です。

アトピー性皮膚炎の子は、皮膚のバリア機能が弱い

皮膚には、角質細胞と角質細胞のすきまをうめている「セラミド」という物質があります。その物質のおかげでほこりやダニなどの外界からの刺激が入りにくくなります。しかし、アトピー性皮膚炎の子の皮膚は、セラミドが不足しているのでバリア機能が弱く、細胞内の水分も出ていきやすいために乾燥肌になります。バリア機能が弱いと、アレルギー反応を引き起こす物質(アレルゲン)が入り込みやすくなり、結果、アトピー性皮膚炎の炎症が起こりやすくなるのです。
 さらにバリア機能が弱いと、かゆみを感じやすくなるため、ちょっとした刺激でもかゆくなり、かいてしまうために、さらにバリア機能が弱くなるという悪循環を生じやすくなります。

赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の多くは食物アレルギーを合併

アトピー性皮膚炎を発症している赤ちゃんでは、半数以上が食物アレルギーを持っているといわれます。しかし、食物アレルギー=アトピー性皮膚炎ではないため、アレルギー反応を起こす食べ物(アレルゲン)を除去するだけでは、アトピー性皮膚炎は治りません。アレルゲンを取り除きつつも、薬の塗布やスキンケアで皮膚の状態をよくして、外部刺激が入りにくい皮膚にしていくことが大切です。最近では、アトピー性皮膚炎があるためにアレルゲンが皮膚から侵入し、その結果アレルギーが起こるという考え方が主流になっています。アレルゲンを取り除くことも大切ですが、皮膚をきれいにすることがより重要だと考えられています。

アトピー性皮膚炎の症状

赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の症状ってどんな様子なのでしょうか? 症状が長引いていくとどう変化していくのか紹介します。

0才代に出やすい症状

3カ月ごろから、おでこや頰、あご、耳たぶのつけ根など、顔や頭を中心に赤い湿疹が発症することが多く、やがて背中やおなか、手足、股、わきのしたなど全身に広がっていきます。湿疹は体のほぼ左右対称の位置に出て、症状が重くなるとジュクジュクしたり、かき傷やかさぶたができたりします。

1才代に出やすい症状

1才を過ぎると湿疹部分が赤黒くなり、全身が乾燥してカサカサになることが多いようです。皮膚が厚くなり、触るとザラザラした感じにもなります。できやすい部位も、首のまわり、ひじやひざの内側などに移っていきます。そのほか、耳たぶの下が切れたり、耳の後ろがジュクジュクしたりもします。

アトピー性皮膚炎と乳児湿疹の違い

赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の症状と、生後1カ月ごろにできやすい乳児湿疹との違いを説明します。

長く続く場合はアトピーの疑いが強い

乳児湿疹は、赤ちゃんの顔や体に出る、赤い湿疹の総称。皮膚分泌が活発な1カ月ごろから多く見られ、ほとんどは6カ月くらいで自然に治ります。食べこぼしやよだれ、汗などが原因で症状が悪化し、肌がカサカサしたりジュクジュクしたり、かゆみを伴う場合もあります。アトピー性皮膚炎との違いを見た目だけで判断するのは難しいのですが、乳児湿疹であれば、適切なスキンケアをしていれば自然によくなってきます。しかし、アトピー性皮膚炎の場合は、よくなったり悪くなったりしながら2カ月以上続くことが多くなります。加えて、かゆみが強く、湿疹が赤くて湿った感じで、湿疹がほぼ左右対称の位置にできている場合は、アトピー性皮膚炎の疑いが強まります。

アトピー性皮膚炎の治療法とおうちでケアするときのポイント

アトピー性皮膚炎の受診の目安から、治療、おうちでケアをするポイントまでを解説します。

アトピー性皮膚炎の受診の目安

肌は清潔にして、保湿するなどの日ごろのケアが大切です。もし赤ちゃんの肌が赤くなったり、発疹が出たり、カサカサしていたら、原因によって対処や薬が違うので、以下を確認してみて、発熱などほかの症状がある場合は受診を。保湿などのケアをしても、よくならない、悪化する、そのほか気になる症状がある場合は、早めに小児科か皮膚科を受診しましょう。

・発熱など、ほかの症状がないか確認
ウイルスや細菌が原因の病気や、全身性の病気で発疹が出ることもあります。まずは体温を測って確認しましょう。発熱している場合は、受診しましょう。

・症状が現れた部位、状態を確認
診断の手がかりになるので、肌の赤み、発疹、カサカサなどの症状の形や色、現れた部位を確認します。

・日ごろの状態と比べてみる
生まれつきの肌トラブルか、虫刺されや打ち身などによる変化、日ごろの状態との違いを確認します。

アトピー性皮膚炎の治療法

塗り薬による外用療法が基本ですが、かゆみなどの症状により内服薬を使うときもあります。

〇外用療法
ステロイド薬入り塗り薬を最初に使います。抗炎症作用と細菌を抑える作用をあわせ持つ薬です。症状がひどいところだけに塗るのではなく、ひどくならないうちに使用して症状を落ち着かせ、少しずつ弱い薬や保湿剤に切り替えていくのが上手な使い方です。自己判断で薬をやめて悪化させてしまうケースもあるので、医師の指示に従いましょう。

〇内服療法
抗アレルギー薬は、アレルゲンが体内に入ってアレルギー症状を起こすのを抑える薬です。かゆみを抑える作用や気管支ぜんそくの予防にもつながります。抗アレルギー薬は、効果がすぐあがるというわけではないので、飲み続ける必要があります。

アトピー性皮膚炎をおうちでケアするときのポイント

アトピー性皮膚炎の子の皮膚は、バリア機能が低下して乾燥しています。皮膚についた汗やほこり、カビ、唾液などをやさしく取り除き、保湿剤で皮膚にバリアを作ってあげましょう。なかでも、皮膚に住みついている黄色ブドウ球菌が出す毒素は、アトピー性皮膚炎の炎症を悪化させます。こまめに皮膚を清潔にすることも大切です。

〇入浴・スキンケアのポイント
洗浄料を使わなかったり、ジュクジュクしたところを洗わないのはNG。炎症部位も含めて、洗浄料でやさしく洗いましょう。

・入浴やシャワーは、ぬるま湯で
・手にしっかり泡だてた洗浄料をつけてやさしく洗います
・洗浄料はしっかり洗い流します
・タオルを肌に押し当てるようにやさしくふきます
・患部が乾燥しないうちに、処方薬や保湿薬をたっぷり塗ります

〇生活環境を整える
赤ちゃん時代には、アレルギー検査をしてもダニやハウスダストに反応しないことが多いのですが、成長とともにアレルゲンが変わってくる可能性があります。ダニは子どもの気管支ぜんそくのアレルゲンとして圧倒的に多いもの。赤ちゃんのうちからダニ対策をしておくことをおすすめします。

〇ダニ対策のポイント

・室温20度以下、湿度50度以下を保つ
・風通しよく、掃除しやすい部屋にする
・毎日ていねいに掃除機をかける
・寝具やベッドにも掃除機をかける
・ぬいぐるみはまる洗いできるものにする
・観葉植物は置かない
・エアコンのフィルターはこまめに洗う

〇皮膚のひっかき対策
アトピー性皮膚炎はかゆみが強いので、皮膚をかきむしってさらに悪化させがちです。皮膚をかきむしらせないように、以下のことに気をつけましょう。

・汗をかいたり、肌が汚れたらすぐ洗い流す
・チクチクする衣類は着せない
・おふろの湯温や室温、布団のかけすぎに注意して、体を温めすぎない
・抱っこしたり手遊びをして、かゆみに気持ちを向けさせない
・つめをこまめに切る

まとめ

アトピー性皮膚炎は、症状が長引くことが多い病気なので、治療中も不安がつきもの。信頼できる医師に相談しつつ、根気よく治療を続けることが大切です。
(文・ひよこクラブ編集部)

監修
横田俊一郎先生
横田小児科医院院長。東京大学医学部付属病院小児科、社会保険中央総合病院(東京都新宿区)小児科部長などを経て、1993年に開業。ありふれた病気、健康増進のための医学、子育て支援をテーマに勉強を続けていらっしゃいます。

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