これってセクハラ?セクハラの境界線とは?
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8月2日は「ハラスメントフリーの日」
「8」と「2」で、8月2日は「ハ(8)」ラスメント「フ(2)」リーの日。
パワーハラスメントという言葉を創り、長年にわたり職場のハラスメント対策にかかわってきたクオレ・シー・キューブが制定しました。。
「ハラスメント」とは、人を困らせることや嫌がらせを意味します。そんなハラスメントから解放された「ハラスメントフリー」な職場づくりを啓発・推進していくことを目的としています。
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女性がセクハラと感じたらセクハラです!
パワハラ、セクハラ、モラハラと、ハラスメントの中でも女性が直面するのがセクシャルハラスメント。
官僚と女性新聞記者のセクハラ問題は記憶に新しいところですが、口コミサイト『ウィメンズパーク』にも、職場でセクハラに直面している女性がいました。
「新しい支店長(50代男性)の歓迎会がありました。
歓迎会も終盤にさし迫る頃、支店長がAさん(60代女性)の手をさわりながら『これからもよろしく』みたいなことを言い、握手とかではなくAさんの手を上からなでるような感じで…。私は不愉快でしたが、同僚は『支店長、Aさんに気を遣ったんじゃない?』と。世間ではこれくらいはセクハラではないって認識でしょうか?」
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『ウィメンズパーク』での反応は、
「私の感覚ではセクハラに入りますね。自分、おばちゃんですけど、されたら嫌ですし!」
「相手の同意なく身体に触れるのはセクハラです。さらに、相手が拒否できない人間関係があるなら完璧にアウト!」
「触った相手が若い子ならセクハラと感じるかも。触られた本人が気にしてないようなら、まあいっか~って感じですかね? 手を触ってくるぐらいなら私は平気かも。私もおばちゃんになってきたのかな」
「セクハラに線引きはないかなと思います。された方がセクハラと感じたらセクハラです。だって、肩をトントンとしただけでセクハラと言う人もいるみたいですからね」
そうなんです、セクハラの線引きは難しいのです。
たとえば、ちょっと身体が触れたり、手にお尻があたっただけではセクハラにはなりません。セクハラは、相手がセクシュアルな考えから出る行動を言います。でも、いやらしい気持ちがあったかどうかの明確な判断はできず、相手が「そんなつもりはない」といくらでも言い逃れができてしまうのが難しいところなのです。
「された本人がハラスメントだと思うか思わないか、では?」
確かに、相手の行為が意図したセクハラか、そうでないかは関係なく、女性がセクハラと感じたらセクハラとなるようです。だからといって、すぐに職場で大ごとにしたり、訴えるなどと騒ぎ立てるのは賢いやり方ではありません。
「セクハラの要件になり得るのは、まず本人が不快に感じること、そしてそのことを相手に認識できるように伝えること、そして、それにもかかわらず相手が同じことをしてきたことという3点セットが必要なのかも」
セクハラを立証するには、なぜ性的な接触だと判断したのか、なぜその発言で性的な不快感があったのかを明確に伝えることが必要です。念のため、日付と時間、場所と発言内容をメモして証拠を残しておくといいでしょう。
職場などで不快な思いをしてがまんしているママも多いようです。
セクハラはがまんしてはいけません。訴えるとまではいかなくとも、まずはまわりの人達に現状を相談し、これ以上の被害に遭わない方法を考えてみましょう。そして、相手には毅然とした態度で対応を。
(文・井上裕紀子)
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■文中のコメントは『ウィメンズパーク』の投稿を再編集したものです。