5歳の子の「やってみたい!」がつまった絵本って…?
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5歳の子が思う「こんなことやってみたい」「あんなことしたら楽しそうだなあ」って、どんな事があるでしょうね。例えば…
「道路の真ん中で大の字になって寝てみたい」
「屋根の上に登りたい」
「どろんこの中に飛び込んでみたい」
「小さくなって、思いっきり好きなものを食べたい!」
いくらでもありそうです。もちろん、本当にやろうとしていたら大人は止めなくてはいけません。でも、気持ちはわかりますよね。だって、かつては同じことを考えていた子どもだったわけですから。そういう時こそ、やっぱり絵本! 絵本の中の主人公は、それはそれは楽しそうに、気持ちよさそうに、子どもたち共通の夢を叶えていってくれていますよ。
そんな、読むだけで気持ちを満足させてくれそうな絵本を5冊、日本最大級の絵本情報サイト「絵本ナビ」の編集長・磯崎 園子さんが答えます。
磯崎 園子(絵本ナビ編集長)
日本最大級の絵本情報サイト「絵本ナビ」
どしゃぶりの雨を全身で受け止めたい!
夏の午後、突然の夕立。最初はぬれるのを嫌がっていたのに、いつの間にか、その強い雨を全身で受け止めてみたくなって…。
「どしゃぶり」(文/おーなり由子 絵/はた こうしろう 講談社)
おーなり由子さんとはたこうしろうさんのコンビで描き出す、夏の午後のある一瞬。
カラカラに乾いた地面の上が、あっという間に瑞々しい風景に一変。
雨も男の子も、言葉も、構図もなんて大胆なのでしょう!
どしゃぶりの雨を存分に楽しむ様子の気持ちよさそうなこと。生き生きと描かれる雨のしずくの美しいこと。びちょびちょになるのって、こんなに楽しかったっけ? 読んだ後、文字通り「雨が待遠しくなる」絵本です。
虹に触りたい! 虹と遊びたい!
雨上がり、晴れた空に架かる大きな虹。憧れのあの虹には届きそうで、届かない。だけど、夢中になって追いかけてみたらもしかして…!?
「にじさん にじさん どこいった」(作/かわかみ たかこ ほるぷ出版)
「ねえ、にじさんは どこか しってる?」
虹を追いかけていく途中、みずたまちゃんは虹色のねこやさかなや鳥たちに出会います。みんな、とにかく全身が綺麗な虹色。聞けば、みんな「にじさん」と一緒に遊んだって言うのです。いいな、いいな。みずたまちゃんは必死に探します。ところが、向こうの空から怪しい黒雲が近づいてきて…。
大好きな「にじさん」に会いたい一心で、ひたむきに走るみずたまちゃん。なかなか追いつけなくたって、思わぬ雨が降り出したって、一回家に戻らなくちゃいけなくたって、みずたまちゃんのその顔はとっても嬉しそう。だってね、遠くに見える「にじさん」のその姿。見たこともない形をしているんですもの! とんだり、およいだり、のびをしたりする…なんて言うんだもの!! ああ、絵本を読んでいる私だって「にじさん」と一緒に遊びたくなってきちゃった。
好きな食べ物に包まれたい…!?
「たべもののなかにはいってみたら、どんなかんじかな?」
どうやら、くいしんぼうを徹底すると、行きつく先は“中に入ってみたくなる”のようです。
「おいしそうなしろくま」(作/柴田 ケイコ PHP研究所)
ごはんの中に入ってみる。みそしるの中に入ってみる。
温かさで紅潮したしろくまくんの顔は、とにかく幸せそう。
この可愛さ、この面白さ、この奇天烈さ。「くいしんぼう」の想像力、侮れません。
好きな時に、好きなところでお昼寝したい!
「おひるねけん」って何だと思いますか?このチケットを使えば、誰にも邪魔されずいつでも好きなときに好きな場所で眠れるんです。これはほしい!
「おひるねけん」 (作/おだしんいちろう 絵/こばようこ 教育画劇)
おこづかいをはたいて16枚も「おひるねけん」を買ったネルくんは、いろんな場所でお昼寝三昧。あるときは図書館のテーブルで、本をふとんにすやすや。けれども、誰も怒りません。怖そうな司書さんまで、「しーっ!みなさん、ネルくんが ねていますので おしずかに ねがいます。」なんて言っています。
さあ、あなたはどの場所で寝てみたい?実はこの本の帯は、「おひるねけん」になっているんです。この券を使えばあなたも…?
ああ、絵本の世界って自由! すぐにでも真似してみたくなっちゃいます。でも、ページを開けばいつだって一緒に遊べますよね。