0~2歳 頭の形・髪の毛は月齢に合わせてこんな風に変化します
Massonstock/gettyimages
頭の形や髪の毛は、赤ちゃんの見た目を大きく左右するため、「うちの子の頭の形はこれで大丈夫?」、「髪の毛がなかなか濃くならないけど…」と気になるママ・パパも少なくないでしょう。でも、頭の形や髪の毛がどのように変化していくものなのか、大まかにでも知っておけば不安もやわらぐはずです。0歳から2歳までの赤ちゃんの頭の形や髪の毛はどのように変化していくのか。小児形成外科が専門の、国立成育医療研究センター副院長・金子剛先生に聞きました。
最初は細くてやわらかい髪の毛。薄く見えても気にせずに
生まれてから2歳ごろまでの赤ちゃんの髪の毛は、どのように変化するのでしょうか? 月齢別に見ていきましょう。
【0~2ケ月ごろ】
髪の毛がフサフサで生まれてくる子もいれば、少ない状態で生まれてくる子もいます。薄いと「髪の毛が少ないけど大丈夫?」と気になるかもしれませんが、赤ちゃんの髪の毛はやわらかくて細いことが多いので、見た目が薄くても心配する必要はありません。
【3~5ケ月ごろ】
あお向けで過ごす時間の長いこの月齢では、床や寝具に頭が触れるために、髪の毛が薄く見えることがあります。場合によっては、その部分だけまとめて抜けてしまうことも。でもそれは一時的なこと。おすわりなどができるようになると、赤ちゃんがあお向けで過ごす時間も減り、髪の毛もまた生えそろってきます。
【6~8ケ月ごろ】
前髪だけ伸びて後ろ髪が伸びなかったり、頭頂部が薄いのに側頭部の髪の毛ばかり伸びてきたりと、場所によって髪の毛の伸び方が異なる場合もあります。
【9~11ケ月ごろ】
生まれたころの写真と見比べると、「結構髪の毛が伸びてきたなぁ」と実感するでしょう。髪型にもその子の特徴があらわれます。
【1歳~1歳2ケ月ごろ】
太い髪の毛が生えそろい、見た目にも濃くなってきます。髪の毛が伸びるのが早い子は、初めての散髪を経験するかもしれません。
【1歳3ケ月~1歳5ケ月ごろ】
髪の毛はさらに伸びてきます。前髪が目にかからないようにカットしてあげましょう。
【1歳6ケ月~2歳ごろ】
太い毛が生えそろい、最初は薄毛に悩んでいたママ・パパも、「これなら大丈夫」と安心することも多いでしょう。もちろん個人差はあり、「まだ薄いな」と感じることもあるでしょうが、身長や体重と同じように、髪の毛もその子なりに伸びていれば大丈夫!
あお向けで過ごす時間の長い5ケ月ごろまでは頭の形が変わりやすい
生まれてから1歳2ケ月ごろまでの赤ちゃんの頭の形は、どのように変化するのでしょうか? 月齢別に見ていきましょう。
【0~2ケ月ごろ】
生まれたばかりの赤ちゃんの頭の骨は、板状の骨と骨とがまだ完全にはくっついておらず、緩やかに結びついている状態です。頭頂部の前側部分には「大泉門(だいせんもん)」、後ろ側部分には「小泉門(しょうせんもん)」と呼ばれる骨のない部分があります。また、骨がやわらかく、寝ているときの向き癖によって、頭の形が変わりやすいのも特徴です。
【3~5ケ月ごろ】
頭の骨と骨の間がだんだんとしっかりしてきます。しかし赤ちゃんはあお向けで過ごす時間が長いため、向き癖によって頭の形がゆがんだり、後頭部が平らな「絶壁」になったりすることも。心配になるママ・パパが増えます。
【6~8ケ月ごろ】
寝返りを打ったり、おすわりをしたりと活動が活発になり、赤ちゃんがあお向けでいる時間が短くなります。向き癖による頭のゆがみが弱まり、以前ほど気にならなくなることも多いようです。
【9~11ケ月ごろ】
はいはいやつかまり立ちをするようになり、赤ちゃんはさらに活発に。頭のサイズが大きくなり、形も徐々に安定し始めます。自然な丸みを帯びてきたと感じられることも多いようです。
【1歳~1歳2ケ月ごろ】
頭の大きさは生まれたころのほぼ2倍になっています。これ以降、頭の形のゆがみが残ることもありますが、髪の毛が生えそろってくれば、見た目には気にならなくなります。母子健康手帳の頭囲成長曲線に沿って成長していれば、多少頭が大きくても心配ありません。頭囲成長曲線から大きく外れていたり、1~2ケ月で急に大きくなったり、頭のゆがみが強いと感じられたりする場合は、ごくまれに病気が隠れていることもあるので、かかりつけ医に相談し、小児脳神経外科や形成外科などの専門医に診てもらいましょう。
髪の毛や頭の形は、生まれた時点ですでに個人差があります。最初はそのことによる不安も大きいかもしれませんが、成長とともに太い髪の毛が生え、頭の形が安定してくると多少のことは目立たなくなります。過度に心配しなくても大丈夫ですが、気になる場合は乳幼児健診などの機会に医師に質問しましょう。(取材・文/香川 誠、ひよこクラブ編集部)
監修/金子剛先生
国立成育医療研究センター副院長、感覚器・形態外科統括部長、日本形成外科学会専門医、日本頭蓋顎顔面外科学会専門医。
慶應義塾大学医学部卒業。米国ワシントン大学形成外科留学、慶應義塾大学専任講師などを経て現職。専門は小児形成外科。2011年11月より「赤ちゃんの頭のかたち外来」を開設し、赤ちゃんの頭の変形の診断と診療を行っています。
参考/ひよこクラブ2016年10月号「0~2才 うちの子の頭の形・髪の毛 これって大丈夫?」より
●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。