【医師監修】赤ちゃんの“あざ”はなぜできる?ほうっておいて大丈夫?9症状を小児科医が解説
「こんなところにあざがあったかしら?」
お世話していてふと気づいたり、目立つ場所にあって「このあざ、自然に消えるかな」と、気になるケースも。
中には、治療したほうがいいものもあるようです。そんな赤ちゃんのあざについて、小児科医の山中龍宏先生に伺いました。
赤ちゃんの“あざ”はなぜできる?
「赤ちゃんのあざは、皮膚をつくる色素細胞や毛細血管の先天的な異常、増殖により起こります。色や形、大きさ、発症部位はさまざまです」(山中先生・以下同)
赤ちゃんのあざには種類がある?
「自然に消えるあざ、消えないあざ、将来がんなどに悪性化する恐れがあるあざがあります。とくに気をつけたいのは、先天性色素性母斑とカフェオレ斑です。ほかはとくに心配ありませんが、1ケ月ごろから治療が可能なレーザー治療もあるので、気になる場合は皮膚科に相談しましょう」
赤ちゃんのあざで代表的なものは何?
赤ちゃんによく見られる、8つの代表的な症例について解説していただきます。
1.サーモンパッチ:顔の中心線に沿ってあるピンク色のあざ
「生まれつき、額の中央、まぶたの上、鼻、上唇など、顔の中心線に沿ってあるピンク色のあざ。ほとんどの場合、1歳6ケ月ごろまでには自然に消えますが、額中央、鼻、上唇のあざはまれに残ることがあります」
2.ウンナ母斑:後頭部中心からうなじにかけてあるあざ
「ウンナ母斑(うんなぼはん)は、生まれつき後頭部の中心からうなじにかけてある、境界線がはっきりしないピンク、または赤いあざ。約半数が3歳ごろまでに自然に消えますが、半数が成人しても残ります」
3.いちご状血管腫:半分に切ったいちごをのせたような形
「いちご状血管腫(いちごじょうけっかんしゅ)は、いちごを半分に切ってのせたような形になる赤いあざです。生後1週間~1ケ月以内に赤い斑点ができ、その後6ケ月ごろまで少しずつ大きくなって盛り上がっていきます。やがて少しずつ小さくなり、7歳ごろまでには自然に治ります。ただ、大きくなりすぎると、皮膚のたるみやこまかいしわが残ることもあります」
4.ポートワイン母斑(単純性血管腫):生まれつきある赤ワイン色のあざ
「ポートワイン母斑(ぽーとわいんぼはん)(単純性血管腫[たんじゅんせいけっかんしゅ])は、生まれつきある平らなあざ。赤ワインのような濃い色で、全身どこにでもできます。自然には治らず、レーザー治療で色を薄くする治療をします」
5.蒙古斑:おしりなどにある生まれつきの青いあざ
「蒙古斑(もうこはん)は、生まれつきおしりにある灰色がかった青いあざ。日本人の赤ちゃんにほぼ100%ありますが、成長とともに薄くなり、10歳ごろまでに自然に消えることがほとんどです。ただし、色が濃いと消えないこともあります」
6.異所性蒙古斑:おしり以外にできた蒙古斑のあざ
「異所性蒙古斑(いしょせいもうこはん)
は、おしり以外のところにできた蒙古斑。青色が濃い場合は、成人しても残ります」
7.カフェオレ斑:うずらの卵大のあざ6個以上は要受診
「生後間もなく出るカフェオレ色の平らなあざで、全身にうずらの卵よりも大きいものが6個以上ある場合は、遺伝性のレックリングハウゼン病が疑われます。早めに受診しましょう」
8.先天性色素性母斑:大きなホクロ状で濃い褐色。5㎝以上は受診を
「先天性色素性母斑(せんてんせいしきそせいぼはん)は、生まれつきある黒~茶色の大きいあざ。ホクロが大きくなったような濃い褐色で厚みがあり、毛が生えてくるものもあります。5㎝以上の大きさのものは、まれに悪性になることがあるので、切除する場合もあります」
9.扁平母斑:茶色いあざ。ほうっておいてOK
「扁平母斑(へんぺいぼはん)は、生まれつき、もしくは生後間もなく出る茶色のあざ。境界線がはっきりしていて、できる部位、大きさ、形はさまざまです。将来悪性化する心配はありません」
赤ちゃんのあざと一括りにはできないほど、さまざまな種類がありますね。色が濃い、大きい、数が多いあざは受診が必要のようですが、ほかのあざで気になる場合は、早めに医師に相談しましょう。(文・ひよこクラブ編集部)
■参考:「いつでもどこでもHAPPY育児生活ガイドBOOK」(ベネッセコーポレーション刊)
初回公開日 2018/11/30
育児中におススメのアプリ
アプリ「まいにちのたまひよ」

妊娠日数・生後日数に合わせて専門家のアドバイスを毎日お届け。同じ出産月のママ同士で情報交換したり、励ましあったりできる「ルーム」や、写真だけでは伝わらない”できごと”を簡単に記録できる「成長きろく」も大人気!
ダウンロード(無料)育児中におススメの本
最新! 初めての育児新百科 (ベネッセ・ムック たまひよブックス たまひよ新百科シリーズ)
大人気「新百科シリーズ」の「育児新百科」がリニューアル!
新生児から3歳まで、月齢別に毎日の赤ちゃんの成長の様子とママ&パパができることを徹底紹介。
毎日のお世話を基本からていねいに解説。
新生児期からのお世話も写真でよくわかる! 月齢別に、体・心の成長とかかわりかたを掲載。
ワンオペおふろの手順など、ママ・パパの「困った!」を具体的なテクで解決。
予防接種や乳幼児健診、事故・けがの予防と対策、病気の受診の目安などもわかりやすく紹介しています。
切り取って使える、「赤ちゃんの月齢別 発育・発達見通し表」つき。