赤ちゃん、子どもの睡眠障害って何?
夜に突然、目を覚まして泣き出す赤ちゃん。赤ちゃんに起こされ、ぐっすり眠れず睡眠不足になるママ・パパは多いようです。あまりにも夜中に泣くので、「これって睡眠障害では?」と心配になるママ・パパもいるでしょう。「赤ちゃんはなぜ夜中に起きて泣くの?」「いつになったら朝まで寝られるようになるの?」など、赤ちゃんの睡眠の疑問や気がかりについて、「ひよこクラブ」の人気連載「すくすく成長日記」の監修でおなじみ、小児科医の若江恵利子先生に聞きました。
赤ちゃんの睡眠障害の代表は「夜泣き」
赤ちゃんに多い睡眠障害は、いわゆる夜泣きです。5ケ月から1歳くらいの子によく見られ、夜中に突然泣いて起きます。日本人は家族一緒の部屋に寝ることが多いので、必然的にママ・パパも起こされて睡眠不足になります。
夜泣きはする子・しない子がいる
夜泣きはする子、しない子に分かれます。そのため、しない子のママは、する子のママのつらさが理解できません。また、する子のママはしない子もいると聞くと、「うちの子が夜泣きするのは、自分の育て方に問題があるんじゃないか?」などと悩みがちです。でも、夜泣きは育て方とは無関係。夜泣きの原因ははっきりとわかっていませんが、発達の過程で起こるものだという考えもあります。ママは自分を責める必要はありません。
夜泣きは睡眠の発達と関係がある
睡眠は成長とともに発達します。睡眠には浅い眠りのレム睡眠、深い眠りのノンレム睡眠の2種類があります。大人の場合、レム睡眠とノンレム睡眠を交互に繰り返しますが、新生児は周期が不定期で、成長とともに定期的になっていきます。
新生児のころは浅い眠りのレム睡眠が多く、眠った赤ちゃんを布団に下ろすと、泣いて起きることがしばしば起こります。だんだんと昼夜の区別がついて、夜長く眠るようになります。5ケ月から1歳ごろにはレム睡眠とノンレム睡眠を2時間くらいの周期で交互に繰り返すようになりますが、このころに夜泣きをする子が出てきます。眠りが浅いレム睡眠時に、半分目覚めて泣くというわけです。いつもだいだい同じ時間帯に起きるのは、そのためでしょう。
つらいと思ったら受診して
赤ちゃんが夜泣きをしたら、トントンしたり、授乳したりして、スムーズに再入眠させればOK。もし、夜泣きでママ・パパがつらい思いをしている場合は、かかりつけの小児科医を受診して相談しましょう。中には夜泣きが軽減する漢方薬を処方してくれる医師もいます。
夜泣きはいつもと違うことをしたり、環境が変わったりすると、激しくなることがあります。引っ越しをしたり、慣れない場所に泊まったりするときは、ある程度「夜泣きがひどくなるかも」と覚悟しておくといいかもしれません。
子どもの睡眠障害の代表は「夜驚症」
幼児から小学校低学年の子に見られる睡眠障害が、夜驚症(やきょうしょう)です。入眠して1~2時間後に突然叫んだり、泣いたりして、暴れたり、パニック状態になったりします。原因はよくわかっていませんが、成長に伴い見られなくなります。
頻度はさまざま
夜泣きのように毎晩ではなく、あるときは3~4日連続だったり、1ケ月に1回だけだったりと、頻度はさまざまです。子どもによっては「外遊びが少なかった」などの誘因が見つかることもあります。その場合は、外遊びを増やすなど工夫するといいでしょう。
起きたらけがをしないよう見守る
夜驚症は通常10分くらい、長いと30~40分続きます。中には家の外に飛び出す子もいるので注意が必要です。家の中から飛び出さないよう、けがをしないように見守りましょう。
ママ・パパが心配なら、かかりつけの小児科を受診して相談を。夜泣きと同様、漢方薬などが処方されることがあります。
睡眠障害の中でも、赤ちゃんのころの夜泣きはママ・パパにとってつらいものです。また、子どもの夜驚症も、どうしていいかわからず不安になるもの…。あまりにママ・パパの睡眠不足が続くようなら、無理しないで、かかりつけ医を受診しましょう。漢方薬など改善の手だてはあるので、気軽に相談してみてください。(取材・文/永井篤美、ひよこクラブ編集部)
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