ご祝儀袋などでキレイな文字を!筆ペンの使い方・書き方のコツ
(C)小山瑞恵
御祝儀袋に名前を書く時に上手に書けるようになれたら…。
でも、筆ペン練習をしたくてもどうやって練習したらいいか分からない!
子育てなどで忙しく、書道教室に通う時間がとれない時に、ご自身である程度練習できるポイントを書道講師の小山瑞恵さんに紹介いただきました。
小山 瑞恵
書道教室・筆文字デザイン制作・筆耕「書の部屋(R)」代表
書道の名門大学卒業後、高校講師兼書道部の指導。数多くの生徒が全国展で上位に受賞する実績を持つ。
教科書会社の中学教員向け冊子に書写書道教育について執筆。
「書の部屋(R)」の在籍生徒数は子ども~大人まで100名を超える。また出張書道講師も行っている。
子育てしながら今からでも大丈夫!
少しでも筆ペンで上手に書けるようになれたら…。
そんな気持ちを持ちつつも、とはいえ、子育ては大忙し!
家事に、子どものお迎え、買い物、そしてお仕事など、一日があっという間。
そんな日々だからこそ、心を落ち着かせて、筆ペンを使って書くことで、少し気分転換してみてはいかがでしょうか?今からでも、時間があまりとてなくてももちろん大丈夫です!私の主宰する書道教室「書の部屋(R)」にはさまざまな世代の方が習いにいらっしゃっています。もちろん子育て真っ盛りのママもいらっしゃいます!今から練習しても遅くないのでまずは始めてみましょう!
短い時間で上達できるポイントもおさえてお伝えいたします!
筆ペンを使って練習を始めてみましょう!
さっそく筆ペンを用意してみましょう!まずは筆ペンの説明をさせていただきますね。
筆ペンの種類と持ち方
筆ペンには複数の種類があることをご存知ですか?
主に毛筆タイプ、スポンジタイプ、硬筆タイプがありますが、細筆に近い線質で書ける毛筆タイプの筆ペンがおすすめです!
こういった筆ペンをご用意してくださいね。
太さも色々ありますが、一番多く使われているのが中字タイプです。
持ち方は、写真のように筆ペンをほぼ垂直に立てて書きます。傾けすぎないように角度に気をつけましょう。実際に教室で練習されている生徒さんの写真です。
(C)小山瑞恵
初心者はまずここに気をつけて 筆ペンの基本的な使い方
それでは実際に紙を用意して練習で書いていきましょう!
筆ペンで書き始めると、よく聞くお悩みが、「液が多く出てにじんでしまいます。」というご相談。
原因はいくつかあり、筆ペンの軸をおさえて液を出すタイプは、液が出すぎてしまう場合があります。
軸のおさえすぎに気をつけることと、もし液が出すぎた場合は、穂先を少しティッシュペーパーにつけて、吸い取ってから書くといいですよ。また、書いている時の運筆の速度が遅いとにじんでしまったり、紙自体が、にじみやすい和紙の場合、収筆で筆をとめる時ににじんでしまうことがあります。
紙との相性もあります。そういう時には、紙自体を変えるか、用紙が決まっている場合は、書く時に液の量を少なめに、筆圧を軽くして、書いてみてください。
また、筆ペンによっても書き味が違いますので、違う筆ペンでも試してみるといいですよ。
ぜひ、ご自身にとって書きやすい筆ペンを見つけてみてくださいね。
美しく書くポイントがあります!
筆ペンの準備と、基本的な書き方が分かったら、次は実際に美しく字を書くコツを見ていきます!
「とめ・はね・はらい」で、印象が変わります!
筆ペンに限らず、筆で楷書を書く時も同じですが、起筆・収筆がとても大事です!
書きあがった字の見映えに大きく影響してきます。写真のように「とめ・はね・はらい」を丁寧に角度に気をつけて書いてくださいね。特に右はらいは、書く時にコツが必要です。段々と太くして、はらいながら筆ペンを上げるように書いていきましょう!
(C)小山瑞恵
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名前をきれいに書くには?
「とめ・はね・はらい」を練習したあと、いよいよ名前を書く練習をしてみましょう。
名前は皆さんそれぞれ違いますが、ポイントは一緒です。
名前は文字の中心をそろえて書くことがポイントです。慣れるまで、鉛筆でまっすぐな線を引いて、その線の上に文字の中心がくるようにまっすぐ書く練習をして、それから、線なしで書ける練習をしてみてくださいね。
また、名前の一文字一文字の字の大きさに気をつけて書いていきましょう。
画数が少ない漢字は大きく見えやすいので、ほかの字よりもやや小さめに書くと見映えが整います。漢字の形は正方形だけではありません。例えば「月」のように縦長や、「今」のようにひし型、「工」のように横長に書く字があります。
名前の一文字一文字の字形の特徴を捉えて書いてくださいね。
自分で練習したいと思っても、お手本が手元にない場合、書店や図書館に毛筆で漢字の一覧が掲載されている字典があります。参考にされてはいかがでしょうか。
「御・祝」字をマスターしましょう!
御祝儀袋を書く時によく出てくる「御」「祝」の漢字。この2は特によく使われますので、練習してみましょう!
「御」の漢字は真ん中を少し高く上げて山型を意識して書く練習をしてみましょう。右側の「折れ」の部分では、一旦とめてから書いてくださいね。
「祝」の漢字はつくりの部分で、口よりも最後のはねが右側に大きくなりますので、気をつけて書いてみましょう。また曲がりの部分は少し細く書いて、はねる時に一番太くなるように、太さにも気をつけて書いてみましょう。
(C)小山瑞恵
子育てで時間がないからといきなり名前の練習をするよりも、基礎基本の「とめ・はね・はらい」を練習することが、実は早く筆ペンを上達する近道です!その後に名前の練習をしたときにすんなりと書きやすくなりますよ。筆ペンに親しんで気軽に練習を始めてみましょう!