体型の維持にも効果あり!太ももの内側の鍛え方
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産後にたるんでしまった体型を「仕方ない」と放置してしまっている方は多いのではないでしょうか。実は、太ももの内側を鍛えることで、体型をもとに戻し、キープすることにもつながります。今回は、太ももの内側の鍛え方について、パーソナルトレーナーの浦松治子さんに紹介いただきました。
浦松治子
パーソナルトレーナー
著名人を含めのべ2000人以上にトレーニングを提供。NHK総合テレビやNHK文化センターでピラティス、ジャイロキネシスを指導。健康に関する記事多数。2014年、結婚を期にニューヨークへ移住し、現地でもパーソナルトレーニングをしている。
美しさは内側から
インナーマッスル、内もも、そして…心。内側にある物というのは、その美しさがじんわりと外に出てきます。ごまかせそうでごまかせない部位なのです。
今回ご紹介する内もものトレーニングは、今まで見てきたクライアントさんの中でも、「やりたいけど・必要だとわかっているけど、何となく嫌」という方が多かったのです。
しかし、その重要性がわかれば、身体の中の「名わき役」であると分かります。地味なのですが、欠かせません。
子どもが巣立ってから差が出る。ヒザや腰、骨盤底筋群に影響が出る太ももの内側を今から鍛えろ!
まずは骨盤底筋群、英語でペルビック・フロアーと呼びます。直訳すると「骨盤の床」。女性にはここに3つの穴、尿道、膣、肛門があります。両脚と、尾骨、恥骨に囲まれていて、自転車のサドルに当たっている部分です。自然出産だった人は、ここからお子さんが出てきたわけです。とってもとっても大切な部分です。
この骨盤底筋群は網目のようにたくさんの筋肉から成り立っていて、それぞれの筋肉には、始まりと終わりの部分があります。
さまざまな方向に、網目のように走っている筋肉を鍛えるためには、さまざまな方向に骨盤底筋群を動かす必要があります。その1つが内もものトレーニングです。
次にヒザや腰。
内ももが弱まると、O脚になり、またデッチリ(お尻がぴょんと後ろに反り返っている状態)になって、肛門が開き気味になります。老人によくみられる姿勢です。
内ももは、実は結構なボリュームなのです。
若い時は、太ももの間に隙間があった方が良いなどど言うのですが、弱ってスカスカになった内ももは、見るも無残です。
無残なだけでなく、この姿勢を取り続けると、ヒザの関節の一部だけがすり減っていき、歩くたびに痛みが出てきます。
骨盤底筋群、腰、ヒザ、全てとても重要な場所で、弱ると、元気がなくなりますし、ハリがなくなります。
しっかりとトレーニングしている人と比べると、後々、明らかに差が出てきます。
老後とまでも行かなくても、30代、40代、50代と、そう遠くない未来に差が出てくる人もいますよ!
骨盤と肋骨を連動させて考えると内ももは鍛えやすい。
さて具体的にトレーニングしていきましょう。(2人の男の子と1人の女の子、3人子育て中のお母さんYukoさんにモデルをお願いしました。)
(C)浦松治子
まずは内転筋を目覚めさせましょう。四つ這いになってから、膝を持ち上げ、腰を高くキープします。目線は股の間にある恥骨です。
(C)浦松治子
そこからお尻を片方ずつ上げていきます。内ももと骨盤底筋群の境目です。内ももにストレッチを感じるまで、骨盤をいろいろな方向に動かしてみましょう。次に肋骨(あばら骨)を意識しましょう。骨盤が上がると胴体も動くはずです。12本ある肋骨の1本1本を開いていくように意識してみましょう。
(C)浦松治子
次は内ももの強化です。座布団は使わなくても大丈夫です。下にある足を、息を吐きながら5センチ持ち上げます。一日15回1セット左右行ってください。写真のように座布団を使うと骨盤と胴体の境目がストレッチされ、ウエストラインがスッキリします。背中が落ちてしまい、おなかが天井を向かないように気を付けましょう。
また、背中の筋肉は首から骨盤まで、裁縫の返し縫のように複雑に、丁寧につながっています。肋骨の筋肉が硬直すると骨盤全体に影響が及ぶのも納得です。内もも、骨盤、骨盤底筋群、肋骨… すべてはつながっているのです。
若いうちは細い太ももを“良し”とし、トレーニングをしない方も少なくないと思います。ですが、今回ご紹介したように身体の筋肉はつながっているので、そのひずみが身体全体に影響してしまいます。難しいトレーニングは必要ないので、しっかりと鍛えて良い体型を維持してください。