【専門家監修】新生児に必要なミルクの量は? たりない・飲みすぎ・欲しがるへの対処法は?
夜中であろうと寝不足であろうと、新生児のわが子の成長を願い、きちんと計量してミルクをあげているママやパパ。毎日頑張っていますね。だからこそ、「新生児に必要なミルクの量はどのくらい?」「これでたりてるの?」「こんなに飲んで大丈夫?」「欲しがるだけあげないとグズる…」など、気がかりをたくさん抱えているのではないでしょうか。赤ちゃんに与えるミルク量は個人差があり、成長とともに変わるようです。そんなミルクの気がかりについて、助産師の小澤千恵先生に回答をいただきました。
新生児にどう飲ませる? 用意するものは? ミルクの上手な飲ませ方とは?
ママや赤ちゃんの事情でどうしても母乳があげられないときには、ミルクを使います。現在、市販されている育児用粉ミルクは、牛乳を原料にして加工されたものです。長年の研究と改良により、母乳に近いものになっています。主要成分の組成には基準がありますが、よりよい粉ミルクを作るために各メーカー独自の開発・研究が重ねられているため、製品ごとに少しずつ特徴が異なります。また、先天的に栄養素の代謝異常がある赤ちゃんのための治療用ミルクや、ミルクアレルギー用ミルクなどもあります。
ミルクは哺乳びんと乳首を用意し、湯に粉ミルクを溶かして作ります。これを「調乳」と呼びます。調乳するときはやけどや衛生面に注意しましょう。ミルクはママ以外の人でも授乳することができ、病気で母乳をあげられないときなどにも使えます。母乳育児が軌道に乗るまでの補足として使う場合は、母乳を十分に吸わせてからにしましょう。また、ミルクをあげるときには、必ず抱っこして、赤ちゃんを見つめながら飲ませ、スキンシップを図りましょう。
ミルクを飲ませるのに必要なグッズは?
【用意するもの】
●哺乳びん+乳首
●粉ミルク
●調乳ポット (湯を調乳に適した温度に保つため)
●哺乳びん用 洗浄ブラシ
●乳首用洗浄ブラシ
●台所用洗剤
●消毒グッズ (1~3のいずれか)
1煮沸用(びんばさみ・大鍋)
2電子レンジ用(専用ケース)
3薬液用(薬液・つけ置き用ケース) など
哺乳びんと乳首の選び方は?
赤ちゃんは舌とあご、口のまわりの筋肉を使って母乳を飲みます。ここを一生懸命動かすことは食べ物をかんで飲み込むための大切な練習に。哺乳びんや乳首は母乳を飲むときと同じ運 動ができるように作られています。さまざまな種類があるので、迷ったときは助産師や母乳外来の専門家、小児科医などに相談するといいでしょう。
哺乳びんの主な素材・サイズ
大きく分けてガラス製とプラスチック製の2種類があり、プラスチック製のほうが人気のようです。赤ちゃんが外出できるようになったら、お出かけ用にはプラスチック製を、自宅ではガラス製と使い分けるママ・パパもいます。サイズは、赤ちゃんの月齢によって、1回に飲む量が変わっていくので、成長に合わせて買いたしていきましょう。一般的には、新生児で120~150ml、生後2~3ヶ月で200〜240mlのものを購入するママ・パパが多いようです。
素材 | メリット | デメリット | サイズ |
---|---|---|---|
耐熱性ガラス | 劣化しにくい 傷がつきにくい 臭いがつきにくい 熱に強い 汚れが落ちやすい ミルクを冷ましやすい | 重い 割れやすい | 50ml、 120~150ml、 200~240mlなどが一般的 |
プラスチック | 軽い 割れにくい | 傷がつきやすい 劣化しやすい ミルクを冷ましにくい | 50ml、 120~150ml、 200~240mlなどが一般的 |
哺乳びん乳首の素材
かたい・やわらかい、多少のニオイの有無などはありますが、どれを選んでも問題ありません。ただし、赤ちゃんによっては、好みがはっきりしている場合も。新生児期に使った素材のものをずっと使い続ける赤ちゃんは多いようです。消毒のしかたなどは、取扱説明書で確認しましょう。
素材 | メリット | デメリット |
---|---|---|
天然ゴム | ママの乳首にいちばん近い感触 | 熱に弱い 耐久性が低い ゴムのニオイが多少する |
イソプレンゴム | やわらかくて弾力性がある 熱に強い 耐久性が高い | 熱にそれほど強くない ほんのりゴムのニオイがする |
シリコーンゴム | 熱に強い ゴムのニオイがしない | 傷つきやすい |
哺乳びん乳首のサイズ・穴の形
メーカーによって、サイズ表記などは異なりますが、赤ちゃんの成長に応じてサイズや穴の形を選びます。赤ちゃんとの相性もあるので、様子を見て買いたしていきましょう。一般的には哺乳びん乳首は4~5サイズ。穴の形は主に3種類あり、形やその大きさによって、ミルクの出方に違いがあります。赤ちゃんの吸う力や飲む量などに応じて、替えていくことがポイントに。1回の授乳で、10~15分かけて飲めるかどうかが、乳首選びの目安です。商品に明記してある対象月齢を参考に選びましょう。
乳首のサイズ
対象月齢目安 | サイズ |
---|---|
新生児(0ヶ月) | SS |
1ヶ月~ | S |
3ヶ月~ | M |
6ヶ月~ | L |
9ヶ月~ | LL |
乳首の穴の形
対象月齢目安 | 穴の形 | 特徴 |
---|---|---|
0ヶ月~ | 丸穴 | 丸い穴がある 穴の大きさによってミルクの出る量が異なるが、自然にミルクが出やすい |
3ヶ月~ | クロスカット | 十字に切り込みがある くわえる力や吸う力でミルクの出る量が調節可能 |
3~6ヶ月以降 | スリーカット | 3方向に切り込みがある くわえる力や吸う力でミルクの出る量が調節可能 |
赤ちゃんにどう飲ませる? 正しい与え方をマスター!
1:哺乳びんに適量の湯を入れます
手を洗ってから、衛生的な場所で哺乳びんに適量の湯を入れます。やけどしないよう注意しましょう。湯は 一度沸騰させたのち、70~80度以上に保った温度の湯を使用します。
2:正しく量った粉ミルクを哺乳びんに入れます
缶の指示に従い、粉ミルクを付属の 計量スプーンですりきりにして、正確に量ります。正しい量を哺乳びんに入れます。少なすぎても多すぎてもだめです。
<ココがポイント!>
使った計量スプーンは缶に戻さず、ふき取って、粉ミルクの缶とは別に保管します。万が一、計量スプーンに湿気がついてそのまま缶の中に戻すと、カビが生える恐れがあります。
3:円を描くように揺らして溶かします
泡立てないように、円を描くように揺らして溶かします。ミルクが泡立ってしまうと、赤ちゃんが飲みにくくなります。
4:流水で人肌になるまで 冷まします
粉ミルクが十分に混ざったら、哺乳びんのキャップの下あたりから流水を当てて冷まします。温度は人肌になるくらいが目安です。
5:腕の内側に垂らし、温度を確認します
飲みごろになったかどうかは、腕の内側にミルクを1滴落として確認します。「生温かい」と感じられるくらいが適温です。
6:赤ちゃんに飲ませます
授乳クッションなどで高さを調節し、赤ちゃんを横抱きしてママの乳房の近くまで引き寄せます。乳首がミルクで満たされるくらいに哺乳びんを傾け、飲ませます。このとき、乳首全体を口に含ませます。
<ココがポイント!>
ミルクを与えるときには、赤ちゃんの目を見つめながらあげましょう。親子のよいコミュニケーションタイムになります。また、衛生上ミルクは作り置きをせず、飲み残しや2時間以上たったミルクは捨てましょう。
7:たて抱きにして、げっぷをさせます
飲んだあとは、げっぷをさせます。哺乳びんで飲む場合は、ミルクと一緒に空気も飲み込んでいることが多いため、げっぷがよく出るで しょう。
8:哺乳びんと乳首をきれいに洗います
哺乳びんは底まで届く、乳首は小さい穴まで洗える専用の洗浄ブラシを使い、台所用洗剤をつけてきれいに洗います。洗剤は念入りに洗い流します。
9:哺乳びんと乳首を消毒しておきます
哺乳びんと乳首の取扱説明書を確認し、(1)鍋で煮沸(2)電子レンジで加熱(3)薬液につけ置き、いずれかの方法で消毒します。
新生児のミルク量・授乳回数の基本は? 生後1~4週間の目安量を解説!
まずは、授乳のスタイルがミルク中心の新生児から見ていきましょう。“新生児”とは、誕生から4週間(28日)未満の赤ちゃんのこと。この新生児に与える1回のミルク量と1日の回数を生後1週間・2週間・3~4週間ごとに解説します。ただし、ミルクの量と回数は一人一人異なり、授乳のスタイルがミルク中心、母乳中心、母乳とミルクの混合でも違いがあります。ここに示すものはあくまでも目安。迷ったときは産婦人科や母乳外来などで相談するのがおすすめです。
新生児に与えるミルク量・授乳間隔・授乳回数の目安はコレが基本!
ミルク缶に明記してある1回の目安量から大きく超えない範囲であれば、欲しがるだけあげていいでしょう※。ただし、飲みすぎてしまうこともあるので、授乳量は赤ちゃんの様子に合わせて調整が必要です。母乳中心の場合は、「赤ちゃんが欲しがるときに何度でも吸わせる」が基本ですが、母乳よりもゆっくり消化するミルク中心の場合は、与える間隔が長く、回数も少なめになります。
誕生した日から生後7日目ごろ
○このころの様子
この時期のミルク量は、お産入院先の助産師さんなどと相談してミルク量を決めるケースが大半です。
○1回に与える目安量:60~80ml
目安は「生後日数×10ml+10ml」が基本。
生後7日目までは1日10mlずつ増やしていくケースが多い。
(例)生後3日目:3日×10ml+10ml=40ml
(例)生後5日目:5日×10ml+10ml=60ml
○1日の授乳間隔目安:3~4時間
○1日の授乳回数目安:8回
生後8日目から14日目ごろ
○このころの様子
産院から退院し、里帰り先や自宅で過ごすころ。ミルク缶に記載された規定量を目安に、多少の増減は気にしすぎなくてOK。
○1回に与える目安量:80~120ml
○1日の授乳間隔目安:3~4時間
○1日の授乳回数目安:7~8回
生後15日~28日目ごろ
○このころの様子
赤ちゃんを抱っこするのも大変だった時期を過ぎ、授乳に少し慣れを感じる時期
○1回に与える目安量:100~120ml
○1日の授乳間隔目安:3~4時間
○1日の授乳回数目安:7~8回
生後2ヶ月以降のミルク量・授乳間隔・授乳回数ものぞき見! 体重の目安もチェック♪
月齢が上がってくると、飲む量が増えて自然に授乳間隔も空いていきます。離乳食が始まったら、ミルクは食後に与えるのが基本です。でも、おなかがすいているときは、すぐに満腹感を得られるミルクを欲しがることが多いもの。離乳食を食べないときは、食前にミルクを少量だけならあげてもいいでしょう。9ヶ月ごろからは1日3回の離乳食になります。3食しっかり食べられるまでは、離乳食後にミルクを飲ませるのがおすすめです。1才ごろまでは様子をみましょう。栄養がしっかりとれている、体重増加が順調である、赤ちゃんが欲しがらない様子があれば、離乳食後のミルクは与えなくてもOKです。
生後1~2ヶ月 体重の目安:3.39~5.96kg
○このころの様子
1カ月健診を終え、母乳の出が良くなるママも。
○1回に与える目安量:120~160ml
※1日合計700~1000ml目安に与える
○1日の授乳間隔目安:4~5時間
○1日の授乳回数目安:6~7回
3~4ヶ月 体重の目安:4.84~8.07kg
○このころの様子
授乳間隔が空き、授乳リズムが整ってくるころ。1回量にむらがあっても1日のトータル量で調整すると安心
○1回に与える目安量:160~200ml
※1日合計1000mlを目安に与える
○1日の授乳間隔目安:4~5時間
○1日の授乳回数目安:5~6回
5~6ヶ月 体重の目安:5.74~9.2kg
○このころの様子
1日1回の離乳食を始めるころ。離乳食後は、規定量の範囲内を目安に、欲しがるだけあげてOK
○1回に与える目安量:200~240ml
※1日合計1000~1400mlを目安に与える
○1日の授乳間隔目安:5~6時間
○1日の授乳回数目安:4~6回
7~8ヶ月 体重の目安:6.32~9.87kg
○このころの様子
離乳食が1日2回になるころ。離乳食後は、規定量の範囲内を目安に、欲しがるならあげてOK
○1回に与える目安量:200~240ml
※1日合計1000~1400mlを目安に与える
○1日の授乳間隔目安:6~7時間
○1日の授乳回数目安:4~5回
9~11ヶ月 体重の目安:6.71~10.59kg
○このころの様子
離乳食が1日3回になるころ。離乳食後は、欲しがらなければ与えなくてもOK
○1回に与える目安量:100~200ml
※1日合計400~1000mlを目安に与える
○1日の授乳間隔目安:5~7時間
○1日の授乳回数目安:2~5回
母乳・ミルク混合派必見! 新生児のミルク量と授乳回数の基本は?
ママの体や乳房トラブルや、赤ちゃんが母乳をうまく吸えないなどの理由で母乳不足になりミルクをたす場合は、産婦人科や母乳外来などで相談するのが基本です。授乳のスタイルが母乳中心か、母乳とミルクが半々もしくはミルクの比率が高い場合などによって、ミルク量も回数も個人差が大きいです。赤ちゃんの様子や体重増加などを見据えたうえで、ミルクの適正量をアドバイスしてもらうと安心でしょう。
母乳中心の母乳育児の場合、ミルク量は?
ミルクをたす場合は母乳を与えたあとが基本です。また、母乳の分泌量が減ってしまうため、ミルクだけを飲ませることは控えます。生後2ヶ月未満で、たりているか心配な場合は、母乳を与えたあとに30~40mlのミルクを飲ませてみてもいいでしょう。おしっこを1日6回以上しているといった様子があれば、母乳やミルクがたりている一つの目安となります。
母乳とミルクが半々もしくはミルクの比率が高い混合育児の場合のミルク量は?
母乳育児を続けたいママは母乳→ミルクの順で与えます。母乳の出は赤ちゃんに何度も飲んでもらうことでよくなります。産後すぐはそれほど出なくてつらいでしょうけれど、少しずつでも母乳量が増えるように1日8回を目安に根気よく吸わせてみましょう。母乳を与えたあとに赤ちゃん用の体重計などで計測し、飲んだ量を確認してミルクをたす方法も。母乳→ミルク→3~4時間ねんね、となるように、40~80mlの間でミルクの量を調整し、与えてみる方法もあります。
ミルクの量がたりない?飲みすぎ?欲しがる様子が…と気になったらどうする?
産婦人科や母乳外来でアドバイスをもらっても、だれかに相談しても、「なんだかミルクがたりない気が…」「飲みすぎかも」「もっと欲しがっているみたい」など、ママの気がかりが解消されないこともあるでしょう。でも、赤ちゃんは“十分にたりているよ!”“たりないよ~”“飲みすぎた…”というサインを出しているんです。そのサインについて詳しく解説します。
ミルクがたりているか不安?新生児の赤ちゃんの5つのサイン
新生児や低月齢の赤ちゃんはミルクが“たりている”“たりていない”“飲みすぎ”のサインを出します。“たりていない”サインに気づいたり、心配な様子がある場合は、小児科医に相談しましょう。
ミルクがたりている 新生児の赤ちゃん5つのサイン
(1)血色がよく元気な様子である
(2)機嫌がいい
(3)肌の張りがいい
(4)その子なりに体重が増えている(1日平均30gが目安・それ以上でもあまり気にしなくてOK)
(5)おしっこが1日6回以上出ている
ミルクがたりていない 新生児の赤ちゃん5つのサイン
(1)体重が増えていない
(2)激しく吐いて、体重が減る
(3)おしっこが1日6回以上出ていない
(4)授乳後、すぐにミルクを欲しがる
(5)元気がない
ミルクを飲みすぎ 新生児の赤ちゃん5つのサイン
(1)ミルクをよく吐くけれど、抱っこすると重い感覚がある
(2)おなかが張っていて苦しそうに泣く
(3)口からダラダラとミルクをこぼす
(4)便秘や下痢をしている
(5)授乳間隔が4~5時間空くことが多い
ミルクの量と授乳回数の悩みQ&A
赤ちゃんはそれぞれ、体の成長具合が異なります。ミルク缶に明記してあるとおりの量を与えても、多すぎる子やたりない子もいます。新米ママやベテランママなどさまざまなママの声が集まるサイト「ウィメンズパーク」でも、わが子に最適な授乳量で悩むママは多数。どんなことで悩んでいるのでしょう? ママたちの赤裸々な声に対して、助産師の小澤千恵先生がアンサーします。今後のヒントになるかもしれませんよ。
【ミルク中心ママの悩み】授乳後30分から1時間後に大泣き。たりないの?
生後37日の完ミ派です。今は1回100~120mlを1日7~8回で残しませんが、飲んだあとも目はパッチリ。30分から1時間後に大泣きします。抱っこでユラユラすると寝るのですが、次の授乳時間も熟睡するので、起こしてミルクを与えることがほとんど。ミルク缶に書いてある目安より増やしても状況は変わらず…。ミルクがたりていないのでしょうか?
( 1ヶ月男の子ママ)
小澤先生の回答
赤ちゃんにとって最良なミルクの量を見つけようと頑張っていますね。ミルクの量は1日のトータル量で調整して大丈夫です。授乳量がたりているかどうかは、
(1)おしっこが1日6回以上出ている
(2)機嫌や顔色がいい
(3)体重が発育曲線に入っている
(4)月齢別の授乳回数の目安に合っている、の4つ。
3ヶ月ごろまでは、この4つすべてに該当していたらOKです。様子から見ると、決してたりていないわけではないと思います。生後1ヶ月ごろは、まだ上手に眠ることができないので、ミルクを飲んで眠くはなったけれど深く眠れずグズグズしているのかもしれませんね。
【ミルク中心ママの悩み】うちの子に合った必要なミルク量と授乳間隔を知る方法は?
ほぼミルク派です。いろいろ調べ、1回のミルク量140ml×1日6回、4時間おきにあげているのですが、全然持ちません。泣いている理由はミルクだけじゃないと思って、おむつ替えをしたり、検温したり、抱っこするなどトライしましたが、3時間持たせるのが限界です。ミルクの与えすぎはよくないと聞き、100mlや120mlを3時間おきに飲ませてみましたが、授乳後すぐご機嫌ななめに。うちの子に合ったミルク量と授乳間隔をつかむ方法は?
(1ヶ月女の子ママ)
小澤先生の回答
ミルクの量や授乳間隔をしっかりと考え、赤ちゃんと向き合ってお世話をしてすばらしいですね。生後1~2ヶ月ごろに必要なミルク量は、1日120~160mlを6~7回で合計700~1000mlを目安に見るのも一つの手。ねんねのタイミングなどで授乳間隔が空くこともありますが、長くても3~4時間おきにあげるのが基本です。この時期は、抱っこしてほしくて泣いてしまうことも多いです。哺乳瓶の乳首が頑張って吸わなくても飲めてしまう、少したりないこともあります。早飲みだと満腹感を得にくいので、乳首のサイズを見直してみたり、10ml程度ミルクを増やしてみては。うまく行かないときは、ママ1人で悩まずに保健センターなどの専門家に相談してみましょう。
【母乳とミルク混合ママの悩み】おっぱいを何度あげても大泣き。でも、ミルクをたすと吐く。泣く理由と正しいミルクのたし方は?
ほぼ毎晩、おっぱいを何度あげても大泣きし、指を吸ってたりない様子があります。ほとんど眠らず、ひどいと深夜までグズる日も…。そういうときは、1回60~80mlほどミルクをたしますが、ガブガブ飲んで大量に吐いてしまうことも。夕方から母乳の出が悪く感じますが、翌朝は乳房が張るので、母乳が出ていないとも言いきれません。正しいミルクのたし方と泣く理由が知りたいです。
(1ヶ月男の子ママ)
小澤先生の回答
赤ちゃんが授乳後、毎晩のように泣いてしまうと、ママも寝不足になってつらいですよね。生後1~2ヶ月のころは、ママの乳房が張ってかたくなっていると、赤ちゃんがずっとくわえていることができずに口から乳首を離してしまいます。授乳前に少ししぼる、親指・人さし指・中指を乳輪の外側にあてて乳輪部の中心に向かってやさしくしぼり出すようにマッサージするといいでしょう。また、赤ちゃんの顔が乳頭に対して斜めに向かっていたり、乳輪を深くくわえられないとおっぱいを上手に飲めません。赤ちゃんをたて抱きする、赤ちゃんの口が乳頭の高さに合うように高さ調節するなどして飲ませてみましょう。また、1~2ヶ月ごろは、一気に飲んでおなかが苦しかったり、抱っこして欲しくて泣く子も多くいます。
【母乳とミルク混合ママの悩み】母乳をあげたあと、ミルクをたすまでぐずる娘。母乳オンリーにするなら、ミルクはやめるべき?
先日、保健センターの助産師さんが新生児訪問に来てくれて、赤ちゃんの状態は良好、乳管も開いているから、しだいに母乳が出るようになるとのこと。でも、授乳後すぐに泣き、ミルクをたさないと授乳間隔が空かないと伝えると、授乳姿勢、1回の授乳時間、1日のミルクの回数を減らすよう指摘されました。やってみても、ミルクをたさないと間隔は空かず…。母乳中心で進めたいけれどくじけそう。娘が欲しがるなら、ミルクをたすべき? それとも、母乳だけでしのぐべき?
(0カ月女の子ママ)
【小澤先生の回答】
産後すぐは、母乳育児がうまくいかないのが当たり前。でも、たくさんあげたいのにうまく行かないともどかしいですよね。赤ちゃんが吸うほど、母乳は出るようになります。一度にまとまった量はまだ飲めない時期なので、日中は抱っこひもなどで赤ちゃんと触れ合う時間を長くし、頻繁におっぱいをあげてみてはいかがでしょう。3食しっかり食べる、こまめに水分補給をする、体を冷やさない、家族や自治体の産後サポートを利用して1人で育児を抱え込まないことも大切ですね。つらいときは母乳外来などで相談すると安心でしょう。
授乳のカタチは赤ちゃんとママの数だけあり、ミルクの量もその子に合った適量があるようですね。授乳後に赤ちゃんが泣いてしまうと、「たりないの?」「飲ませすぎ?」などと心配になるのは当然。赤ちゃんを大事に思うからこその気持ちだと思います。生後すぐの赤ちゃんは、2~3時間おきに寝起きを繰り返し、授乳リズムが整うのも2~3ヶ月かかる場合も。泣いてしまったら、まずは深呼吸してリラックスしてみては? 授乳は、親子の深い絆を築く初めの一歩と考えて、赤ちゃんをあやしてみるのもいいかもしれませんよ。(取材・文/茶畑美治子)
■初回公開日:2019/02/11
■更新日:2021/08/25
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